MotoGP:ヤマハ 2021年 第14戦 サンマリノGP 予選レポート
Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロはQ2セッションで果敢に攻め続け、終盤で転倒があったにもかかわらず3番手を獲得。チームメイトのフランコ・モルビデリはQ1に出場し、前半は順調にペースアップしたものの後半でタイムを伸ばすことができず、グリッド16番手となっている。

PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのバレンティーノ・ロッシはQ1で転倒。十分なタイムアタックができず、グリッド23番手に留まった。また同チームから初参戦となるアンドレア・ドビツィオーゾが24番手で続いている。

ファビオ・クアルタラロが今季13回目の3番手フロントロー
Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロはQ2セッションで果敢に攻め続け、終盤で転倒があったにもかかわらず3番手を獲得。チームメイトのフランコ・モルビデリはQ1に出場し、前半は順調にペースアップしたものの後半でタイムを伸ばすことができず、グリッド16番手となっている。

クアルタラロはわずか35分前のフリープラクティス第4セッションでトップタイムをマーク。15分間で競われるQ2のタイムアタックに並々ならぬ闘志を燃やし、多くのライバルたちがピットを離れるのを待ってから走行を開始した。早々に1分32秒097を記録し、2番手に0.747秒差をつけてトップに浮上。全体のペースが上がると5番手に後退したが、すぐに応戦して1分31秒367まで短縮し、再びトップに返り咲いた。

このあともう1ラップ走行を続けてピットインのタイミングをずらしたことで、牽引作用を狙うライバルたちを回避。残り6分でピットに戻り、2分後にコースに復帰すると、あと2回のチャンスに賭けた。1度目はタイムを更新できず2番手に後退。最後のトライでは全力で攻めていったが、第1コーナーで転倒してそのまま時間切れとなってしまった。2回目の走行でタイム更新はならなかったが、前半に記録した1分31秒367でトップから0.302秒差の3番手を獲得。今季13回目となるフロントロー・スタートが決定している。

一方のモルビデリは早々にピットを離れてQ1に挑んだ。最初のアタックはコースリミット越えによりキャンセルとなったが、2度目のトライで1分32秒296を記録して暫定トップ。

このあと2番手に後退し、残り8分強でピットイン。約2分半後にコースに復帰してトップ2獲得を目指していったが、タイヤを暖めるために1ラップ多く費やし、また多くのイエローフラッグに妨げられて4番手に後退してしまった。プレッシャーのかかった最終ラップでは第1セクターでタイムを短縮するも、ラップタイムでは前半の記録を更新することができずトップから0.420秒差の6番手で終了。これによりホームGP決勝をグリッド16番手からスタートすることとなった。

PETRONAS Yamaha SRTのロッシとドビツィオーゾ、ホームGP予選で厳しい展開
ロッシはフリープラクティス第3セッションを好調にスタート。序盤でトップ10に近づく好タイムを記録していたが、第13コーナーで転倒して約10分強の中断を余儀なくされた。残り13分で復帰したものの、1分33秒053の19番手に留まりQ2進出はならず。復活を賭けたQ1では早々に1分32秒967に短縮して2番手につけたが、間もなくして第15コーナーで再び転倒してしまう。残り5分でもう一度、アタックを試みるも、イエローフラッグに妨げられて挽回はならなかった。

一方のドビツィオーゾはウイーク2日目も進化を継続。午前中のフリープラクティス第3セッションではラップごとにスピードを上げ、最後のアタックで1分33秒074を記録して21番手につけた。Q1でも何度か好タイムを記録したが、ロッシと同様、終盤はイエローフラッグの影響を受けてタイムを更新することができず、1分33秒098のベストタイムで24番手グリッドが決定している。

Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ(予選3番手/1分31秒367)
「転倒してしまいましたが、身体にはまったく問題ありません。ポールポジションを獲得したいと思えば、どんなことでもトライするものです。第1コーナー進入のブレーキングを超級に遅らせ、'ポール・オア・ナッシング'のつもりで臨みましたが、残念ながら今回は何も得られずに終わったということです。でも全体的にはとても好調ですし、全力でトライしたことは悪くなかったと思います。いつものように目標はフロントロー獲得であり、今日もそれを逃すことはありませんでした。私自身のフィーリングも上々ですし、前回のアラゴンと比べてペースもかなり良くなっています。今日は良い仕事ができたと思っていて、明日への準備も整っています。もちろんドライ・レースを望んでいます。ドライ・コンディションでのフィーリングは絶好調なので、その方向性をキープしたいのです。1ラップ目を終えた時点のポジションが目安になるでしょう。レースは長いので、一歩一歩進みます」

フランコ・モルビデリ(予選16番手/1分32秒296)
「昨日と今日の2日間は、とてもハッピーで、うれしくて仕方がありません。すでに新しいマシンのベース・セッティングを追求し始めていて、午前中のフリープラクティス・セッションではQ2進出にコンマ2秒まで近づくことができました。Q1も懸命にトライしましたが、残念ながら届かず、トップ2から0.270秒差の6番手となりました。このことがまた、MotoGPのレベルの高さを証明しています。でも私自身は今日のパフォーマンスに満足しており、何より、今の自分の状況を幸せに感じるべきだし、実際とてもハッピーです」

マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)
「予選セッションが非常に激しい接近戦になることは予想していた通りです。ファビオ(クアルタラロ)は全力で挑んでいきました。フリープラクティス第4セッションの好調からわかるようにマシンに好感触をつかんでいましたが、ここミサノタイムアタック競争はいつも本当に厳しいものなのです。しかし、だからこそファビオは、この戦いが大好きなのです。Q2終盤の激しいバトルでは湧き出るアドレナリンをエンジョイしていました。そして最終ラップでポールポジションを狙っていきましたが、残念ながら転倒してしまいました。幸い、ひどいクラッシュではなく、身体への影響は何もありませんでした。しかも依然としてフロントローを獲得することもできました。ペースは非常に良いので、決勝がドライ・コンディションになれば間違いなくトップ争いを展開することになるでしょう。フランキー(モルビデリ)はQ1に出場してハイペースを見せました。長いリハビリ期間のあとの初めての予選セッションだということを忘れてはいけません。そのような状況でも、ほとんどの時間帯でトップ2獲得を目指す戦いを展開していたのです。最後のアタックでイエローフラッグにつかまってしまったのは不運でした。明日は、新チームで臨む初めてのレースとなりますが、何台かパスして良い走りを見せてくれるでしょう。ミサノでは例年、さまざまな'ショー'が繰り広げられており、明日もハード・バトルが予想されます。チームとしてはウォームアップ・セッションと決勝がドライ・コンディションで行われることを期待しています。それがトップ争いの最大のチャンスだからです」

PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
バレンティーノ・ロッシ(予選23番手/1分32秒967)
「フリープラクティス第4セッションではユーズド・タイヤで何度か好タイムが出ていたので、期待をもってQ1に臨みました。しかしフロントにハード・コンパウンドを選ぶと、ポテンシャル自体は上なのですが、とくに左コーナーでは思うような走りができませんでした。1ラップ目は悪くありませんでしたが、2ラップ目に少しミスをして、第4コーナーではらんでしまいました。でもその時点ではもう少し短縮できると思っていたので、リアタイヤを交換する前にもう1ラップ走ることにしたのです。ところが、逆にペースが落ち、タイヤの左側が十分に暖まっていなかったため第15コーナーで転倒してしまいました。決勝グリッドの好位置を確保できず残念ですが、明日は好スタートを目指し、何台かパスして良いレースを見せたいと思っています」

アンドレア・ドビツィオーゾ(予選24番手/1分33秒098)
「現時点ではまだ、マシンのフルポテンシャルを引き出せるところまでは到達していませんが、どんどんそこに近づいて行っています。これが元々の目標で、今回の使命として課していたものなので、ここからはさらにペースを上げてライバルたちについて行けるだけの速さを追求していきます。また同時に、来週のテストでベスト・パフォーマンスを目指すためにも、マシンをより深く理解する必要があると思っています。今日は午前中のフリープラクティス第3セッションで、ライディング・ポジションのフィーリングが良くなってきました。グリッド後方からのスタートはあまり良いものではありませんが、今の私の状況を考えれば当然のことでしょう。明日は最後までコンスタントに走り切ることを目標にがんばります」

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カテゴリー: F1 / MotoGP