MotoGP:ホンダ 2021年 第13戦 アラゴンGP 決勝レポート
連日、好天に恵まれた第13戦アラゴンGPは、30℃まで気温が上がり、レースウイークで最も暑い一日となった。その暑さの中で、今季ベストの4番グリッドから決勝に挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、ポールポジション(PP)スタートのフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)と一騎打ちの戦いを繰り広げて2位。今季2勝目は果たせませんだったが、ケガから復帰して初めて、フルドライコンディションで優勝争いに加わった。
今大会、2列目から好スタートを切ったマルク・マルケスは、オープニングラップ2番手。PPスタートのバニャイアを追う展開となり、それからは3位以下にリードを広げ、一騎打ちの様相となった。そして、レース終盤に入ると、マルク・マルケスは、バニャイアに何度も仕掛ける。1コーナー、5コーナー、12コーナー、そして15コーナーのブレーキングで何度もバニャイアに先行するが、クロスラインで抜き返されるというし烈な戦い。ラスト3周の2人の激しい攻防は、サーキットに集まったファンを興奮させた。
マルク・マルケスは、昨年7月のスペインGPの決勝で転倒して右腕上腕を骨折し、9カ月のブランクを経て今年4月のポルトガルGPに復帰を果たした。しかし、右腕の状態は完全ではなく、ドライコンディションではレース距離を走るのがやっとの状態。復帰6戦目の第8戦ドイツGPでは、レース中に小雨がふる不安定なコンディションとなり、復帰初優勝を達成したが、その後、ドライコンディションでは優勝争いになかなか加われず、厳しい状態が続いていた。しかし、後半戦のスタートとなったレッドブル・リンク、シルバーストーンでは、着実に右腕の状態が回復していることを感じさせる走りを見せ、今大会は、その走りを結果につなげた。
予選11番手から決勝に挑んだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、10位でフィニッシュした。今大会は、トップグループと遜色ない走りをしたが、フリー走行、予選では大接戦の中で11番手と期待したようなグリッドは獲得できなかった。そして決勝も10番手前後の戦いとなり、なかなか前に出ることができなかった。スタートからゴールまで混戦の中で戦い続けた中上は、終盤はファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)、ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)、イケル・レクオナ(KTM)、アレックス・リンス(スズキ)と8位争いの接戦を繰り広げ、クアルタラロ、マルティンに続いて10位でフィニッシュした。
前戦イギリスGPで調子を上げたポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、予選8番手から今季初表彰台獲得に挑んだが、思うようにペースが上がらず13位だった。フリー走行、予選との連続ラップでは、マルク・マルケスとともに表彰台を狙える走りをしていたが、想定していた1分48秒台で走ることができず苦しい戦いとなった。
予選14番手から決勝に挑んだアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、オープニングラップに転倒しリタイアに終わった。転倒したのは、目の前で数人のライダーが接触し、それを避けるためにブレーキをかけた中上のリアタイヤに接触したためで、不運のレースとなった。
マルク・マルケス(Repsol Honda Team)
「レースではずっと全力でプッシュし、最後の3周は本当にすべてのことにトライしました。このようにがんばりすぎるとミスをすることがあります。転倒して結果を残せないこともあります。それでも僕はトライします。観ているひとたちみんなが本当に楽しんでくれたと思います。今日はとても難しいレースになることは分かっていました。ドゥカティはブレーキングがとても深く、そして加速がとてもいい上に、今日はペッコ(バニャイア/ドゥカティ)が完ぺきなライディングをしていたのでたいへんな戦いでした。彼とはすばらしいバトルができました。とても楽しかったです。過去2戦連続で転倒していたのですべてを出し切って戦うのは簡単ではありませんでした。最終ラップの1コーナーと5コーナーではうまく減速できませんでした。最後のチャンスは12コーナーでしたが、路面の汚い部分に乗ってしまったときにはらんでしまい、彼に勝つのは不可能だとわかりました。でも、バトルができたし、レースペースは速かったので満足しています。また、今回のレースが僕とHRC、そしてピットのみんなのモチベーションにつながりました。一生懸命取り組んでくれたみんなに感謝しています」
中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)
「10位でフィニッシュしました。とても厳しいレースでした。気温が高かったので本当に難しいコンディションでした。レース中、(エネア)バスティアニーニ(ドゥカティ)の後ろに長くいたので、フロントタイヤのパフォーマンスを管理するのがとても難しかったです。終盤は、ファビオ(クアルタラロ)とホルヘ・マルティンと接近戦となり、8位になれるチャンスがありました。しかし、アタックしたりオーバーテイクするには十分ではなく、10位に終わりました。最高の結果ではありませんでしたが、最後まで積極的な走りができたしポジティブなフィーリンがありました。引き続き、全力で取り組みます。次のミサノは、チームにとってホームGPなのでとても重要な大会になります。とても楽しみにしています」
ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)
「今日は速さがありませんでした。暑いコンディションでいいフィーリングをつかめず、スタートから苦戦していました。思ったような走りができず、スタートでかなりポジションを落してしまいました。いいフィーリングがあったときもあり、いくつかポジションを上げることができましたが、そのときは前の集団とは離れていました。あと少しグリップがあれば、自分のスタイルで思ったように走行できたと思いますが、このようなコンディションでは思ったように走ることができません。次はミサノです。同じようなコンディションになると思うので、引き続き仕事に取り組み、何ができるか、どのように前進できるか考えたいです。マルクはこのようなコンディションでも力強い走りができることを証明しました。僕にはもっとマシンを理解する時間が必要です」
マルク・マルケス(LCR Honda CASTROL)
「今日は残念でした。ウォームアップでいくつか前進することができましたが、レース1周目で僕の前のライダーが接触し、タカが彼との接触を避けるために減速し、僕は彼のリアタイヤとの接触を避けることができませんでした。完全に僕のミスです。チームに申し訳なく思っています。彼らはすばらしい仕事をしてくれました。レースに向けて最高のマシンを準備してくれたので悲しいです。ポジティブなことは、3、4日後に再びマシンに乗れることです。今週末のことを忘れるようにします。なぜなら全体的に簡単ではなかったからです。ミサノではもっとがんばります」
カテゴリー: F1 / MotoGP
今大会、2列目から好スタートを切ったマルク・マルケスは、オープニングラップ2番手。PPスタートのバニャイアを追う展開となり、それからは3位以下にリードを広げ、一騎打ちの様相となった。そして、レース終盤に入ると、マルク・マルケスは、バニャイアに何度も仕掛ける。1コーナー、5コーナー、12コーナー、そして15コーナーのブレーキングで何度もバニャイアに先行するが、クロスラインで抜き返されるというし烈な戦い。ラスト3周の2人の激しい攻防は、サーキットに集まったファンを興奮させた。
マルク・マルケスは、昨年7月のスペインGPの決勝で転倒して右腕上腕を骨折し、9カ月のブランクを経て今年4月のポルトガルGPに復帰を果たした。しかし、右腕の状態は完全ではなく、ドライコンディションではレース距離を走るのがやっとの状態。復帰6戦目の第8戦ドイツGPでは、レース中に小雨がふる不安定なコンディションとなり、復帰初優勝を達成したが、その後、ドライコンディションでは優勝争いになかなか加われず、厳しい状態が続いていた。しかし、後半戦のスタートとなったレッドブル・リンク、シルバーストーンでは、着実に右腕の状態が回復していることを感じさせる走りを見せ、今大会は、その走りを結果につなげた。
予選11番手から決勝に挑んだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、10位でフィニッシュした。今大会は、トップグループと遜色ない走りをしたが、フリー走行、予選では大接戦の中で11番手と期待したようなグリッドは獲得できなかった。そして決勝も10番手前後の戦いとなり、なかなか前に出ることができなかった。スタートからゴールまで混戦の中で戦い続けた中上は、終盤はファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)、ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)、イケル・レクオナ(KTM)、アレックス・リンス(スズキ)と8位争いの接戦を繰り広げ、クアルタラロ、マルティンに続いて10位でフィニッシュした。
前戦イギリスGPで調子を上げたポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、予選8番手から今季初表彰台獲得に挑んだが、思うようにペースが上がらず13位だった。フリー走行、予選との連続ラップでは、マルク・マルケスとともに表彰台を狙える走りをしていたが、想定していた1分48秒台で走ることができず苦しい戦いとなった。
予選14番手から決勝に挑んだアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、オープニングラップに転倒しリタイアに終わった。転倒したのは、目の前で数人のライダーが接触し、それを避けるためにブレーキをかけた中上のリアタイヤに接触したためで、不運のレースとなった。
マルク・マルケス(Repsol Honda Team)
「レースではずっと全力でプッシュし、最後の3周は本当にすべてのことにトライしました。このようにがんばりすぎるとミスをすることがあります。転倒して結果を残せないこともあります。それでも僕はトライします。観ているひとたちみんなが本当に楽しんでくれたと思います。今日はとても難しいレースになることは分かっていました。ドゥカティはブレーキングがとても深く、そして加速がとてもいい上に、今日はペッコ(バニャイア/ドゥカティ)が完ぺきなライディングをしていたのでたいへんな戦いでした。彼とはすばらしいバトルができました。とても楽しかったです。過去2戦連続で転倒していたのですべてを出し切って戦うのは簡単ではありませんでした。最終ラップの1コーナーと5コーナーではうまく減速できませんでした。最後のチャンスは12コーナーでしたが、路面の汚い部分に乗ってしまったときにはらんでしまい、彼に勝つのは不可能だとわかりました。でも、バトルができたし、レースペースは速かったので満足しています。また、今回のレースが僕とHRC、そしてピットのみんなのモチベーションにつながりました。一生懸命取り組んでくれたみんなに感謝しています」
中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)
「10位でフィニッシュしました。とても厳しいレースでした。気温が高かったので本当に難しいコンディションでした。レース中、(エネア)バスティアニーニ(ドゥカティ)の後ろに長くいたので、フロントタイヤのパフォーマンスを管理するのがとても難しかったです。終盤は、ファビオ(クアルタラロ)とホルヘ・マルティンと接近戦となり、8位になれるチャンスがありました。しかし、アタックしたりオーバーテイクするには十分ではなく、10位に終わりました。最高の結果ではありませんでしたが、最後まで積極的な走りができたしポジティブなフィーリンがありました。引き続き、全力で取り組みます。次のミサノは、チームにとってホームGPなのでとても重要な大会になります。とても楽しみにしています」
ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)
「今日は速さがありませんでした。暑いコンディションでいいフィーリングをつかめず、スタートから苦戦していました。思ったような走りができず、スタートでかなりポジションを落してしまいました。いいフィーリングがあったときもあり、いくつかポジションを上げることができましたが、そのときは前の集団とは離れていました。あと少しグリップがあれば、自分のスタイルで思ったように走行できたと思いますが、このようなコンディションでは思ったように走ることができません。次はミサノです。同じようなコンディションになると思うので、引き続き仕事に取り組み、何ができるか、どのように前進できるか考えたいです。マルクはこのようなコンディションでも力強い走りができることを証明しました。僕にはもっとマシンを理解する時間が必要です」
マルク・マルケス(LCR Honda CASTROL)
「今日は残念でした。ウォームアップでいくつか前進することができましたが、レース1周目で僕の前のライダーが接触し、タカが彼との接触を避けるために減速し、僕は彼のリアタイヤとの接触を避けることができませんでした。完全に僕のミスです。チームに申し訳なく思っています。彼らはすばらしい仕事をしてくれました。レースに向けて最高のマシンを準備してくれたので悲しいです。ポジティブなことは、3、4日後に再びマシンに乗れることです。今週末のことを忘れるようにします。なぜなら全体的に簡単ではなかったからです。ミサノではもっとがんばります」
カテゴリー: F1 / MotoGP