MotoGP:ヤマハ 2021年 第12戦 イギリスGP 初日レポート
Monster Energy がタイトル・スポンサーを務める第12戦がシルバーストンを舞台にスタートし、Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロが、2番手に0.512秒の大差をつけてトップを獲得した。チームメイトのカル・クラッチローはファクトリー・マシンへの適応を目指しながら、ホーム・コースの豊富な経験を生かして総合16位と健闘した。
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのバレンティーノ・ロッシは総合10位を獲得。F・モルビデリに代わって出場しているジェイク・ディクソンはMotoGPマシン初走行を21番手で終えた。
肌寒さのなかでフリープラクティスがスタート。クアルタラロはトップ獲得
お気に入りのシルバーストーンを楽しみにしていたクアルタラロは、FP1開始早々からトップタイムをマーク。その後、全体のペースが上がるとすぐさま反応し、2ラップ連続で記録を更新した。2~3ラップ後にはもう一度、更新して2分01秒301としたが、順位では3番手に下げてセッションを終了した。
FP2も意欲満々で臨んだが、序盤の第8コーナーで転倒して左足を傷めてしまう。このまま走行を取りやめるかに思われたが、しばらくするとコースに戻り、一気に2分00秒138まで短縮してトップに浮上。このあとさらにタイムを更新して1分59秒317とし、2位に0.512秒差をつけて総合トップで初日を終えている。
一方のクラッチローは、FP1の45分間をすべてを新しいマシンに慣れることに費やした。コースを熟知していることもあり、着実にペースを上げると終盤では2分02秒台の壁を突破。全17ラップ中15ラップ目で2分01秒966のファステストタイムを記録し、トップから1.025秒差の12番手と健闘した。
第2セッションも同様の作戦で臨み、セッションのほとんどを決勝用セッティングで走行。残り約15分でプッシュを開始するとすぐさま17番手に浮上した。その後アタックが始まったため、クラッチローもピットに戻り、タイヤをミディアム・コンパウンドとソフト・コンパウンドの組み合わせに履き替えてアタック開始。最終ラップで2分00秒882まで更新して16番手を獲得した。トップとの差は1.565秒だった。
ロッシは総合10位、MotoGPデビューのディクソンが21位
FP1の開始早々、ロッシは2分02秒334を記録して3番手に浮上。その後も順調にトップ10をキープしていたが、終盤はレッドフラッグが提示されてペースを上げることができず、16番手に下げてセッションを終了した。午後からのFP2はより慎重にスタート。終盤になってペースを上げると何度も好タイムを記録し、一時は7番手まで浮上した。最終的には2分00秒400で10番手を獲得している。
一方、YZR-M1にこの日、初めて乗ったディクソン。FP1の45分間をマシンに慣れるために費やし、そのなかで着実な進歩を見せてラップタイムも更新。2分03秒939で21番手につけた。FP2ではさらに1.3秒も更新し、2分02秒601のベストタイムで総合21番手となっている。
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ(フリー走行総合トップ/1分59秒317)
「すべて順調です。左足は少し痛むけれど、深刻なものではありません。メディカルセンターで診てもらったあと、すぐにコースに戻りました。歩くときにはかなり痛みがあるのですが、マシンに乗っている間は何も問題はありません。正直なところ、マシンの上で痛まないことが一番、大切なのです。ソフトタイヤを履けば速く走れることはわかっていました。ミディアムではぎりぎりまではプッシュせず、自分のペースで走っていたにもかかわらず好タイムが出ていたので好調を確信しました。トップ3争いは間違いないと考えていましたが、2番手にコンマ5秒差をつけてのトップは予想していませんでした。このあとClinica Mobile(移動診療所)に戻らなければなりません。足首をひねったようなので、冷やしてテープで固定してもらいます。明日は大丈夫です」
カル・クラッチロー(フリー走行総合16番手/2分00秒882)
「オーストリアでは2019年型マシンのフィーリングにようやく慣れたところでしたが、今回もまた勉強の時間になりました。2021年型は4月以来、乗っていませんでした。あのときとはフィーリングが少し変わっていて、ポジションもやや変化していましたが、その部分については、メカニックたちが私のためにいろいろ考えてくれました。総合的には、いい一日になったと思います。大きな問題はなく、十分、快適に乗れています。もう少し速く走れることを期待していたのですが、これが現状です。そしていくつかの変更を試して、いい仕事ができたと思っています。明日はさらに変更を試み、テストのときの状態に近いものを探していきます。より実験的な試みになるでしょう。Monster Energy Yamaha MotoGPチームは素晴らしい仕事をしています。明日が楽しみです」
マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)
「クアルタラロ選手の転倒を除いて、すべてがとても順調で満足しています。YZR-M1がこのコースによく合っていることは間違いないのですが、気温が低く、グリップレベルが下がっていることで難しい状況です。また路面のバンプにも注意しなければなりません。それでもクアルタラロ選手もクラッチロー選手もこのコースをエンジョイしており、それが結果に現れていると思います。クアルタラロ選手はまさに独り勝ちの状況で、転倒で落ち込むのでなく、逆に速さを増したのです。コースに戻り何度もファステストタイムを更新した姿が、彼のメンタルの強さを証明しています。クラッチロー選手の進歩にも非常に満足しています。今日のおもな目標はファクトリー・マシンに慣れることでしたが、そのなかでも走るたびにペースが上がっているのです。チームとしては彼がもっと快適に乗れるマシンに仕上げて、明日はより楽にペースを上げられるようサポートしたいと思っています。全体的には良い一日でした。明日以降はもう少し暖かくなりそうなので、決勝にも期待します」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
バレンティーノ・ロッシ(フリー走行総合10番手/2分00秒400)
「トップ10で初日を終了することができ、今日はいい一日になりました。この結果はとても大切だと思っています。もっとも明日の午前中がドライになれば、そこでQ2進出が決められることになるわけですが...。FP1ではマシンのフィーリングが良く、ペースも悪くなかったのですが、最後のレッドフラッグで全力を出し切るには至りませんでした。午後からのFP2では初めにハード・タイヤを試しました。でもあのコンディションではベストの選択ではなかったため、終盤ではソフト・タイヤに履き替えてタイムを上げることができました。シルバーストンは高速で、たくさんのコーナーがあるテクニカルなコースで、いつもエンジョイできます。新しいアスファルトはグリップが良くなっており、レイアウトの面でも良い仕上がりになっていると思います」
ジェイク・ディクソン(フリー走行総合21番手/2分02秒601)
「素晴らしい一日、素晴らしい経験になりました。とくにFP1は、吸収すべきことがたくさんあり、いろいろなことが起こりました。そのため1ラップ目はとても遅かったのです。ブレーキのタイミング、加速のタイミング、すべてのことが、今までの自分の経験とは異なっていました。FP2になると、マシンのスピードを楽しめるようになり、いろいろなことをコントロールできるようになってきました。そのなかでスピードはもちろん、タイヤから得られるグリップによって、どこまでバンクできるのかなど、すべてのことに強い衝撃を受けました。チームも非常に素晴らしく、私にとって今日は、非常に特別な一日です。午後は1.3秒も短縮することができたので、明日もセッションごとに前進していきたいと思っています。明日が待ちきれません」
カテゴリー: F1 / MotoGP
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのバレンティーノ・ロッシは総合10位を獲得。F・モルビデリに代わって出場しているジェイク・ディクソンはMotoGPマシン初走行を21番手で終えた。
肌寒さのなかでフリープラクティスがスタート。クアルタラロはトップ獲得
お気に入りのシルバーストーンを楽しみにしていたクアルタラロは、FP1開始早々からトップタイムをマーク。その後、全体のペースが上がるとすぐさま反応し、2ラップ連続で記録を更新した。2~3ラップ後にはもう一度、更新して2分01秒301としたが、順位では3番手に下げてセッションを終了した。
FP2も意欲満々で臨んだが、序盤の第8コーナーで転倒して左足を傷めてしまう。このまま走行を取りやめるかに思われたが、しばらくするとコースに戻り、一気に2分00秒138まで短縮してトップに浮上。このあとさらにタイムを更新して1分59秒317とし、2位に0.512秒差をつけて総合トップで初日を終えている。
一方のクラッチローは、FP1の45分間をすべてを新しいマシンに慣れることに費やした。コースを熟知していることもあり、着実にペースを上げると終盤では2分02秒台の壁を突破。全17ラップ中15ラップ目で2分01秒966のファステストタイムを記録し、トップから1.025秒差の12番手と健闘した。
第2セッションも同様の作戦で臨み、セッションのほとんどを決勝用セッティングで走行。残り約15分でプッシュを開始するとすぐさま17番手に浮上した。その後アタックが始まったため、クラッチローもピットに戻り、タイヤをミディアム・コンパウンドとソフト・コンパウンドの組み合わせに履き替えてアタック開始。最終ラップで2分00秒882まで更新して16番手を獲得した。トップとの差は1.565秒だった。
ロッシは総合10位、MotoGPデビューのディクソンが21位
FP1の開始早々、ロッシは2分02秒334を記録して3番手に浮上。その後も順調にトップ10をキープしていたが、終盤はレッドフラッグが提示されてペースを上げることができず、16番手に下げてセッションを終了した。午後からのFP2はより慎重にスタート。終盤になってペースを上げると何度も好タイムを記録し、一時は7番手まで浮上した。最終的には2分00秒400で10番手を獲得している。
一方、YZR-M1にこの日、初めて乗ったディクソン。FP1の45分間をマシンに慣れるために費やし、そのなかで着実な進歩を見せてラップタイムも更新。2分03秒939で21番手につけた。FP2ではさらに1.3秒も更新し、2分02秒601のベストタイムで総合21番手となっている。
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ(フリー走行総合トップ/1分59秒317)
「すべて順調です。左足は少し痛むけれど、深刻なものではありません。メディカルセンターで診てもらったあと、すぐにコースに戻りました。歩くときにはかなり痛みがあるのですが、マシンに乗っている間は何も問題はありません。正直なところ、マシンの上で痛まないことが一番、大切なのです。ソフトタイヤを履けば速く走れることはわかっていました。ミディアムではぎりぎりまではプッシュせず、自分のペースで走っていたにもかかわらず好タイムが出ていたので好調を確信しました。トップ3争いは間違いないと考えていましたが、2番手にコンマ5秒差をつけてのトップは予想していませんでした。このあとClinica Mobile(移動診療所)に戻らなければなりません。足首をひねったようなので、冷やしてテープで固定してもらいます。明日は大丈夫です」
カル・クラッチロー(フリー走行総合16番手/2分00秒882)
「オーストリアでは2019年型マシンのフィーリングにようやく慣れたところでしたが、今回もまた勉強の時間になりました。2021年型は4月以来、乗っていませんでした。あのときとはフィーリングが少し変わっていて、ポジションもやや変化していましたが、その部分については、メカニックたちが私のためにいろいろ考えてくれました。総合的には、いい一日になったと思います。大きな問題はなく、十分、快適に乗れています。もう少し速く走れることを期待していたのですが、これが現状です。そしていくつかの変更を試して、いい仕事ができたと思っています。明日はさらに変更を試み、テストのときの状態に近いものを探していきます。より実験的な試みになるでしょう。Monster Energy Yamaha MotoGPチームは素晴らしい仕事をしています。明日が楽しみです」
マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)
「クアルタラロ選手の転倒を除いて、すべてがとても順調で満足しています。YZR-M1がこのコースによく合っていることは間違いないのですが、気温が低く、グリップレベルが下がっていることで難しい状況です。また路面のバンプにも注意しなければなりません。それでもクアルタラロ選手もクラッチロー選手もこのコースをエンジョイしており、それが結果に現れていると思います。クアルタラロ選手はまさに独り勝ちの状況で、転倒で落ち込むのでなく、逆に速さを増したのです。コースに戻り何度もファステストタイムを更新した姿が、彼のメンタルの強さを証明しています。クラッチロー選手の進歩にも非常に満足しています。今日のおもな目標はファクトリー・マシンに慣れることでしたが、そのなかでも走るたびにペースが上がっているのです。チームとしては彼がもっと快適に乗れるマシンに仕上げて、明日はより楽にペースを上げられるようサポートしたいと思っています。全体的には良い一日でした。明日以降はもう少し暖かくなりそうなので、決勝にも期待します」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
バレンティーノ・ロッシ(フリー走行総合10番手/2分00秒400)
「トップ10で初日を終了することができ、今日はいい一日になりました。この結果はとても大切だと思っています。もっとも明日の午前中がドライになれば、そこでQ2進出が決められることになるわけですが...。FP1ではマシンのフィーリングが良く、ペースも悪くなかったのですが、最後のレッドフラッグで全力を出し切るには至りませんでした。午後からのFP2では初めにハード・タイヤを試しました。でもあのコンディションではベストの選択ではなかったため、終盤ではソフト・タイヤに履き替えてタイムを上げることができました。シルバーストンは高速で、たくさんのコーナーがあるテクニカルなコースで、いつもエンジョイできます。新しいアスファルトはグリップが良くなっており、レイアウトの面でも良い仕上がりになっていると思います」
ジェイク・ディクソン(フリー走行総合21番手/2分02秒601)
「素晴らしい一日、素晴らしい経験になりました。とくにFP1は、吸収すべきことがたくさんあり、いろいろなことが起こりました。そのため1ラップ目はとても遅かったのです。ブレーキのタイミング、加速のタイミング、すべてのことが、今までの自分の経験とは異なっていました。FP2になると、マシンのスピードを楽しめるようになり、いろいろなことをコントロールできるようになってきました。そのなかでスピードはもちろん、タイヤから得られるグリップによって、どこまでバンクできるのかなど、すべてのことに強い衝撃を受けました。チームも非常に素晴らしく、私にとって今日は、非常に特別な一日です。午後は1.3秒も短縮することができたので、明日もセッションごとに前進していきたいと思っています。明日が待ちきれません」
カテゴリー: F1 / MotoGP