MotoGP:ヤマハ 2021年 第10戦 スティリアGP 決勝レポート
Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロは、シュピールベルク・サーキットで自己ベストタイとなる3位を獲得した。レースは3ラップ目に赤旗中断となり、その後、1ラップ減算の全27ラップで第2レースが行われた。クアルタラロは難しい状況のなかでも冷静さを維持し、M1を表彰台に導いた。チームメイトのマーベリック・ビニャーレスは第1レースで好スタートを切ったが、第2レースはピットレーンからのスタートとなり上位獲得のチャンスを失った。
PETRONAS Yamaha Sepang Raing Teamのバレンティーノ・ロッシは、赤旗中断後の第2レースで13位を獲得。チームメイトのカル・クラッチローはフランコ・モルビデリに代わって初めて出場したレースで17位となっている。
クアルタラロが3位表彰台を獲得、ランキングではリードを拡大
クアルタラロは3番グリッド、ビニャーレスは9番グリッドからともに好スタートを切り、それぞれ3番手と5番手を順調に走行していたが、3ラップ目にアクシデントがありレッドフラッグが提示された。
第3コーナーでD・ペドロサ(KTM)とL・サバトーリ(アプリリア)が絡み、コース上のオイルなどを清掃するためレースは中断された。現地時間14:38に改めてスタート進行が行われ、ピットレーンが60秒間だけ開かれて、ライダーたちは初めのスタート位置にマシンを並べた。
クアルタラロは2回目のスタートも好位置につけ、1ラップ目を4番手で終了。J・ザルコ(ドゥカティ)の追撃を抑えきり、6ラップ目にはJ・ミラー(ドゥカティ)に仕掛けて3番手に浮上した。
この時点で2番手との差は1.479秒まで開いており、懸命の追い上げもなかなか差は縮まらない。その後、背後のミラーからプレッシャーをかけられることとなったが、17ラップ目にミラーが転倒したため、クアルタラロは単独走行となり、残り10ラップを走り切ってトップから9.632秒差の3番手でチェッカーを受けた。
一方のビニャーレスは第1レースで絶好のスタートを決めたが、第2レースはグリッドにつくことができなかった。サイティングラップとウォームアップラップの間でエンジンがストールし、ピットレーンからのスタートとなったためだ。その後、8ラップ目にカル・クラッチロー、11ラップ目にL・マリーニ(ドゥカティ)をパスして少しずつ順位を上げていたが、トラックリミット越えによるロングラップ・ペナルティを課されて再び最後尾に後退した。
このあとは順位挽回は望めなかったが、ドライコンディションでのデータ収集を目的にレースを続行。11ラップ目に再びクラッチローをとらえて19番手に上がり、ミラーの転倒により18番手となった。しかし残り4ラップでクラッチローに抜き返され、最終ラップではピットレーンに戻ってレースを終了している。
この結果、クアルタラロは合計172ポイントとしてチャンピオンシップのリードを40ポイントに拡大。ビニャーレスは合計95ポイントでランキング6位をキープした。ヤマハは合計200ポイントでコンストラクターズ・ランキングのトップ、Monster Energy Yamaha MotoGPは合計267ポイントでチーム・ランキングのトップをそれぞれ維持している。
PETRONAS Yamaha SRTのロッシが13位でポイント獲得、クラッチローは17位
ロッシは第1レースのスタートで出遅れたものの、2度目のレースではグリッド位置の17番手をキープしてスタートした。その後、一旦は順位を下げたものの再び盛り返して、19ラップ目には14番手に浮上、さらにもうひとつ上げて13位でゴールした。この結果、チャンピオンシップ・ポイントを合計20に伸ばし、ランキング19位につけている。
一方のクラッチローは第1レース、第2レースともにスタートで苦戦。しかし昨シーズンの最終戦以来となるレースのなかで着実にペースを上げ、セクター毎のタイムで自己ベストを更新し続けて17位でチェッカーを受けた。
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ (3位)
「大きな事故でなかったとしても、レッドフラッグによる中断があればライダーにとって精神的に厳しいもの。そのなかでもいいレースができたので満足しています。最初のスタートでは第6コーナーで絶好のオーバーテイクに成功しましたが、限界ぎりぎりのところだったので、これをもう一度やるというのは難しいことでした。ミラー選手の速さはわかっていました。第3コーナーのブレーキングは好調だったので、うまくやればオーバーテイクのポイントになると考えていました。目標は表彰台だったので、達成できてうれしいです! マーティン選手の優勝は素晴らしく、また同時に、ミル選手からポイントを奪ってくれたことが私にとってはボーナスになりました。また来週が楽しみです」
マーベリック・ビニャーレス (FTP*)
「クラッチを交換しました。ウォームアップ・ラップではいつも通りにスタートしましたが、マシンが止まってしまいました。最初のレースでは絶好のスタートを切って上位につけることができました。しかし2度目はフィーリングが変わっていました。タイヤも履き替えていましたが、どういうわけか、メインストレートでも激しくスピンしてしまう状態だったのです。それでも何とか順位を上げようと頑張ったのですが、マシンに問題が出たのでストップしました」
*Finished through pits
マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「ペドロサ選手とサバドーリ選手のアクシデントのなかで、誰ひとり大きな怪我がなかったことにホッとしています。クアルタラロ選手はレッドフラッグの影響を受けることなく、しっかり走り切りました。第1レースを3番手で終え、2度目も好スタートを再現し、もう一度、3位を獲得したのです。一方、ビニャーレス選手は赤旗中断の影響を大きく受けてしまいました。第1レースでは9番グリッドから素晴らしいスタートを決めて上位争いに食い込んでいたのですが、第2レースはエンジンストールによりピットレーンからのスタートを強いられました。ふたりが明暗を分ける結果となり、チームとしては複雑ですが、少なくともこのコースのドライコンディションで、ふたりとも表彰台争いを目指せる状態であることがわかったことはとても良かったと思います。シュピールベルク・サーキットは伝統的にヤマハ向きのコースではありません。そのなかでここまでやれたということは、私たちの大きな前進を意味しているのです。来週が楽しみです」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
バレンティーノ・ロッシ (13位)
「グリッド17位からスタートして、いくつかポイントを獲得できたので、悪くなかったと思います。スタートでは2回とも順位を少し下げてしまいましたが、1度目は、何人かの後ろに続きながらリズムをつかんで順調に走れていました。第2レースではリアのグリップに苦戦することになったのですが、それでもミスをせず、いいペースを守って走り切ることができたのは良かったと思います。近くを走っていたライダーたちと競り合うことができ、そのなかで、昨日とほぼ同等のペースが出ていることがわかりました。もちろん、もっと上を目指したかったのですが、今日は決して悪くなかったと思います。来週に向けていくつかのことにトライする予定です」
カル・クラッチロー (17位)
「久しぶりにレースの環境に戻ってくることができて、とてもうれしいです。体力的にも良い状態で、レースをしっかり走り切ることができました。スタートで問題があって序盤の走りに影響してしまいましたが、第2レースはこの問題を解決して臨み、リズムに乗っていい走りができました。またリア・トラクションにも悩んだのですが、レース距離を最後まで走り切ることができたので良かったと思います。このなかで集めたデータを分析し、リア・グリップの問題に取り組むことになります。今日は久しぶりのレースを楽しむことができました。来週もいい走りができるよう頑張ります」
ラズラン・ラザリ (チーム代表談)
「今回のMotoGPウイークは、バレンティーノ・ロッシ選手引退の発表とともに始まりました。彼が最後のシーズンを私たちとともに過ごすことになったことを光栄に思っています。彼にとって最高のシーズンになるよう祈りながら、チームとしてできる限りのサポートをしていきます。残りのレースをエンジョイし、ここまでの長いキャリアを祝福できるものにすることだけを願っています。今日は序盤で素晴らしいダッシュを見せ、いいペースで走り切って13位を獲得しました。またクラッチロー選手については、チームとして特別な目標を置きませんでしたが、長いブランクのあとで17位完走と良い仕事をしてくれました」
カテゴリー: F1 / MotoGP
PETRONAS Yamaha Sepang Raing Teamのバレンティーノ・ロッシは、赤旗中断後の第2レースで13位を獲得。チームメイトのカル・クラッチローはフランコ・モルビデリに代わって初めて出場したレースで17位となっている。
クアルタラロが3位表彰台を獲得、ランキングではリードを拡大
クアルタラロは3番グリッド、ビニャーレスは9番グリッドからともに好スタートを切り、それぞれ3番手と5番手を順調に走行していたが、3ラップ目にアクシデントがありレッドフラッグが提示された。
第3コーナーでD・ペドロサ(KTM)とL・サバトーリ(アプリリア)が絡み、コース上のオイルなどを清掃するためレースは中断された。現地時間14:38に改めてスタート進行が行われ、ピットレーンが60秒間だけ開かれて、ライダーたちは初めのスタート位置にマシンを並べた。
クアルタラロは2回目のスタートも好位置につけ、1ラップ目を4番手で終了。J・ザルコ(ドゥカティ)の追撃を抑えきり、6ラップ目にはJ・ミラー(ドゥカティ)に仕掛けて3番手に浮上した。
この時点で2番手との差は1.479秒まで開いており、懸命の追い上げもなかなか差は縮まらない。その後、背後のミラーからプレッシャーをかけられることとなったが、17ラップ目にミラーが転倒したため、クアルタラロは単独走行となり、残り10ラップを走り切ってトップから9.632秒差の3番手でチェッカーを受けた。
一方のビニャーレスは第1レースで絶好のスタートを決めたが、第2レースはグリッドにつくことができなかった。サイティングラップとウォームアップラップの間でエンジンがストールし、ピットレーンからのスタートとなったためだ。その後、8ラップ目にカル・クラッチロー、11ラップ目にL・マリーニ(ドゥカティ)をパスして少しずつ順位を上げていたが、トラックリミット越えによるロングラップ・ペナルティを課されて再び最後尾に後退した。
このあとは順位挽回は望めなかったが、ドライコンディションでのデータ収集を目的にレースを続行。11ラップ目に再びクラッチローをとらえて19番手に上がり、ミラーの転倒により18番手となった。しかし残り4ラップでクラッチローに抜き返され、最終ラップではピットレーンに戻ってレースを終了している。
この結果、クアルタラロは合計172ポイントとしてチャンピオンシップのリードを40ポイントに拡大。ビニャーレスは合計95ポイントでランキング6位をキープした。ヤマハは合計200ポイントでコンストラクターズ・ランキングのトップ、Monster Energy Yamaha MotoGPは合計267ポイントでチーム・ランキングのトップをそれぞれ維持している。
PETRONAS Yamaha SRTのロッシが13位でポイント獲得、クラッチローは17位
ロッシは第1レースのスタートで出遅れたものの、2度目のレースではグリッド位置の17番手をキープしてスタートした。その後、一旦は順位を下げたものの再び盛り返して、19ラップ目には14番手に浮上、さらにもうひとつ上げて13位でゴールした。この結果、チャンピオンシップ・ポイントを合計20に伸ばし、ランキング19位につけている。
一方のクラッチローは第1レース、第2レースともにスタートで苦戦。しかし昨シーズンの最終戦以来となるレースのなかで着実にペースを上げ、セクター毎のタイムで自己ベストを更新し続けて17位でチェッカーを受けた。
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ (3位)
「大きな事故でなかったとしても、レッドフラッグによる中断があればライダーにとって精神的に厳しいもの。そのなかでもいいレースができたので満足しています。最初のスタートでは第6コーナーで絶好のオーバーテイクに成功しましたが、限界ぎりぎりのところだったので、これをもう一度やるというのは難しいことでした。ミラー選手の速さはわかっていました。第3コーナーのブレーキングは好調だったので、うまくやればオーバーテイクのポイントになると考えていました。目標は表彰台だったので、達成できてうれしいです! マーティン選手の優勝は素晴らしく、また同時に、ミル選手からポイントを奪ってくれたことが私にとってはボーナスになりました。また来週が楽しみです」
マーベリック・ビニャーレス (FTP*)
「クラッチを交換しました。ウォームアップ・ラップではいつも通りにスタートしましたが、マシンが止まってしまいました。最初のレースでは絶好のスタートを切って上位につけることができました。しかし2度目はフィーリングが変わっていました。タイヤも履き替えていましたが、どういうわけか、メインストレートでも激しくスピンしてしまう状態だったのです。それでも何とか順位を上げようと頑張ったのですが、マシンに問題が出たのでストップしました」
*Finished through pits
マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「ペドロサ選手とサバドーリ選手のアクシデントのなかで、誰ひとり大きな怪我がなかったことにホッとしています。クアルタラロ選手はレッドフラッグの影響を受けることなく、しっかり走り切りました。第1レースを3番手で終え、2度目も好スタートを再現し、もう一度、3位を獲得したのです。一方、ビニャーレス選手は赤旗中断の影響を大きく受けてしまいました。第1レースでは9番グリッドから素晴らしいスタートを決めて上位争いに食い込んでいたのですが、第2レースはエンジンストールによりピットレーンからのスタートを強いられました。ふたりが明暗を分ける結果となり、チームとしては複雑ですが、少なくともこのコースのドライコンディションで、ふたりとも表彰台争いを目指せる状態であることがわかったことはとても良かったと思います。シュピールベルク・サーキットは伝統的にヤマハ向きのコースではありません。そのなかでここまでやれたということは、私たちの大きな前進を意味しているのです。来週が楽しみです」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
バレンティーノ・ロッシ (13位)
「グリッド17位からスタートして、いくつかポイントを獲得できたので、悪くなかったと思います。スタートでは2回とも順位を少し下げてしまいましたが、1度目は、何人かの後ろに続きながらリズムをつかんで順調に走れていました。第2レースではリアのグリップに苦戦することになったのですが、それでもミスをせず、いいペースを守って走り切ることができたのは良かったと思います。近くを走っていたライダーたちと競り合うことができ、そのなかで、昨日とほぼ同等のペースが出ていることがわかりました。もちろん、もっと上を目指したかったのですが、今日は決して悪くなかったと思います。来週に向けていくつかのことにトライする予定です」
カル・クラッチロー (17位)
「久しぶりにレースの環境に戻ってくることができて、とてもうれしいです。体力的にも良い状態で、レースをしっかり走り切ることができました。スタートで問題があって序盤の走りに影響してしまいましたが、第2レースはこの問題を解決して臨み、リズムに乗っていい走りができました。またリア・トラクションにも悩んだのですが、レース距離を最後まで走り切ることができたので良かったと思います。このなかで集めたデータを分析し、リア・グリップの問題に取り組むことになります。今日は久しぶりのレースを楽しむことができました。来週もいい走りができるよう頑張ります」
ラズラン・ラザリ (チーム代表談)
「今回のMotoGPウイークは、バレンティーノ・ロッシ選手引退の発表とともに始まりました。彼が最後のシーズンを私たちとともに過ごすことになったことを光栄に思っています。彼にとって最高のシーズンになるよう祈りながら、チームとしてできる限りのサポートをしていきます。残りのレースをエンジョイし、ここまでの長いキャリアを祝福できるものにすることだけを願っています。今日は序盤で素晴らしいダッシュを見せ、いいペースで走り切って13位を獲得しました。またクラッチロー選手については、チームとして特別な目標を置きませんでしたが、長いブランクのあとで17位完走と良い仕事をしてくれました」
カテゴリー: F1 / MotoGP