MotoGP:ホンダ 2021年 第6戦 イタリアGP 決勝レポート
2021年のMotoGP 第6戦イタリアGPは、ホンダ勢にとって厳しいレースとなった。予選12番手から決勝に挑んだポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)が12位、22番グリッドからスタートしたアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)が14位と、それぞれポイントを獲得したが、表彰台争い、優勝争いからは大きく遅れた。

また予選11番手から決勝に挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は2周目の3コーナーで転倒リタイア、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は8番手を走行したが、20周目の14コーナーで転倒リタイアとなった。

今年のウインターテストから、RC213Vはバランスに苦しんできた。イタリアGPが開催されたムジェロ・サーキットは、ウインターテストと序盤の2戦で苦戦したカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットのような中高速コーナーが連続する。そのため戦前から苦戦することが予想されていたが、今大会を終えて、RC213Vの抱えている課題を改めて確認する結果となった。

次戦カタルニアGPでは、チームの本拠地バルセロナでの開催となる。今季ここまで表彰台のないホンダ勢としては、初表彰台、初優勝を目指し全力で挑みます。

今大会では、Moto3クラスに出場するジェイスン・デュパスキエ選手が予選でのアクシデントによって逝去された。ホンダは「デュパスキエ選手とご家族、ご友人に深く哀悼の意を表します」と語った。

ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)
「今日はレースの結果以上に、ジェイスンと彼の家族のことを考えることが最も重要な日でした。今日のレースでは、みんなの心の中に彼がいました。今日の僕のレースは難しいものでした。スタートはまずまずで、僕はタカ(中上)の後ろにいました。そのあとウイングに何かが起きて、なくなってしまいました。そのため難しい走りを要求されました。エアロダイナミクスがなくなり、切り返しがとてもたいへんでした。そして、思ったような動きになりませんでした。これが起きたのは、残り4、5周になってからで、終盤はとても難しいライディングを強いられました。引き続きバルセロナでも仕事に取り組みます」

マルク・マルケス(LCR Honda CASTROL)
「今日は難しい日でした。ウォームアップはとてもポジティブで前進できました。かなりいいペースがあったので決勝を楽しみにしていました。しかし、フロントにハードタイヤを選んだのですが、正しい選択ではなかったのかもしれません。左側がかなり消耗したからです。難しい週末でしたが、3日間ともに前進できたと思います。もっと分析して強くなって戻りたいです。今日一番重要なことは、ジェイスンのためにレースをしたということです。誰かのためにレースをするようなことはたくさんあります。今日のレースは、みんなにとって2番目に重要なことだったと思います」

中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)
「今日、ジェイスンが亡くなりました。とても悲しいことです。パドックにいる全員にとって、本当に難しい日になりました。私たちの思いは、彼の家族、友人、そして彼のチームとともにあります。このような悲しいときにレースに集中することはとても困難でした。モーターサイクル全体にとって本当に悲しい日です。しかし、我々は、未来とモンメロでの次のレースに目を向けてがんばらなければなりません」

マルク・マルケス(Repsol Honda Team)
「MotoGPにとって、とてもたいへんな週末でした。若い才能あるライダーを失ってしまいました。この状況は誰にとってもたいへんなことでした。ジェイスンと彼と親しい人たち全員にお悔やみを申し上げます。レースは、思っていたよりかなり早く終わってしまい、本当に残念でした。こうした状況はよくありません。もっと周回しなければなりませんでした。ブラッド・ビンダー(KTM)と接触がありましたが、これはレーシングアクシデントで、このサーキットではよくあることです。ビンダーはもっと後ろにいると思い、切り返しで接触してしまいました。僕のミスです。幸い、僕のほかに誰も転倒しなくてよかったです。MotoGPファミリーにとって難しい週末になりましたが、次のカタルニアへ向けて準備を進めます」

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カテゴリー: F1 / MotoGP