MotoGP:ホンダ 第3戦 アンダルシアGP 初日レポート
スペインGPからの連戦となる第3戦アンダルシアGPが7月24日、ヘレス・サーキットで開幕した。新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大の影響で中止延期が続いていたMotoGPクラスですが、第2戦が7月19日にヘレス・サーキットで再開された。さらに、新型コロナウイルス対策を講じたプロトコルを厳守するための特別措置で、2週連続の開催となった。「アンダルシアGP」として開催されるのは初めてとなる。

大会前日には、スペインGPで転倒し、右上腕を骨折したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、今大会の復帰を発表した。本来は欠場する予定だったが、チームと相談して出場を決断。木曜日の朝、バルセロナの病院からヘレスに直行、メディカルチェックを受け出場許可が出された。手術からわずか2日の復帰宣言となり、世界中のレースファンに大きな話題を提供した。マルク・マルケスは、金曜日は走行せず、治療とリハビリに専念。土曜日のフリー走行を走って、予選と決勝を走るかどうかを最終的に決断する。

7月24日は最高気温が34℃。厳しい条件の中で行われたフリー走行では、前戦のスペインGPを10位でフィニッシュした中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、スペインGPで苦しんだフロントの安定性の改善に成功、大接戦のFP1で8番手、気温も路面温度も上昇したFP2では、午前中のタイムを更新することはできなかったが、セッショントップタイムをマークした。土曜日のFP3ではトップ10とダイレクトでのQ2進出を目指す。そして、予選では、昨年のオーストリアGPの6番グリッドをしのぐベストグリッド獲得にチャレンジする。

ルーキーでこれが2戦目となるアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)が初日15番手と、先週のスペインGPより一歩前進した。FP1ではトップから0.894秒差の15番手、気温と路面温度が上がったFP2ではトップから1.091秒差の18番手とややポジションを落としたが、総合では15番手のまま。土曜日のFP3ではQ2進出を目指し、さらにタイム短縮とポジションアップに挑む。

前戦スペインGPの決勝日のウォームアップで転倒し、脳震とうと左手首の負傷で決勝をキャンセルしたカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、今大会から復帰。クラッチローは、ウォームアップの転倒で左手首の舟状骨を骨折、今週の火曜日に手術を行った。マルク・マルケス同様、手術から2日後の木曜日にサーキットでメディカルチェックを受け、出場許可が出されたが、完全な状態ではない。しかし、クラッチローは着実にタイムを更新し20番手で初日を終えた。土曜日の予選ではタイム短縮とポジションアップに挑み、決勝ではポイント獲得を目指す。

中上貴晶(MotoGP 8番手)
「結果を見て分かる通り、先週末と比べて明らかに前進しました。HRCとチームが全力でサポートしてくれたおかげです。すばらしい仕事をしてくれました。マシンのフィーリングにはかなり満足しています。またライディングスタイルも改善したので、明日に向けて準備は整っています。でもFP3はいつも接戦になるので油断はできません。何が起きるか分からないからです。みんなどんどん速くなっています。でもトップ10に入れるようにベストを尽くします。予選がどうなるか楽しみです。かなり戦闘的になっているので、レースに向けて、いい兆候です。プッシュし続けます」

アレックス・マルケス(MotoGP 15番手)
アレックス・マルケス「今週末、どれだけ前進できるのか楽しみです。今日は午後の暑いコンディションで一歩前進することができました。暑いコンディションを戦うセットアップを見つけることができたので、明日は100%前進できると思います。明日は大事な日です。直接Q2に進むためには37秒前半のタイムが必要です。目標はできるかぎりQ2に近付くことです。この目標を達成するために1周のラップタイムに取り組みます」

カル・クラッチロー(MotoGP 20番手)
「今日はマシンのフィーリングがよかったので安心しました。チームもHondaも僕が走れるかどうかを暖かく見守っていました。僕は走れることを証明しましたが、フィーリングは少し奇妙でした。できる限りいい走りをしようとがんばるのですが、なぜか、手首の痛みはあまりありませんでした。先週の転倒から、身体のコンディションがあまりよくないような感じですが、もう少し快適に走れるようにがんばります。バルセロナのミル先生はいい仕事をしてくれました。マシンを降りたときは、炎症しないように手首に氷を当て続けています。歯を食いしばってベストを尽くします」

マルク・マルケス(MotoGP 走行せず)
「バルセロナで手術を行い、昨日サーキットに到着しました。午後のメディカルテストにパスしました。つまり、走れるということです。Hondaと話し合い、今週は土曜日からスタートすることにしました。昨日はよく眠れました。少し痛みがありますが、理学療法のセッションをこなしたことでかなりいい感じです。チームとは1つだけ目標を作りました。明日のFP3で様子を見るということ。腕の状態を見て、そこから次の目標を決めたいと思います。サポートしてくれるすべての人に感謝しています。HRC、Repsol Honda Team、スポンサー、そして僕と同じように、このスポーツが好きなファンのサポートのおかげで、たいへんな日々も少し楽に感じることができます」

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カテゴリー: F1 / MotoGP