F1メキシコGP ピレリ決勝総括:ノリスが今季6勝目、戦略の鍵はソフトタイヤ

フェラーリのシャルル・ルクレールは予選2番手からスタートし、そのまま2位でフィニッシュ。優勝したノリスから30.324秒差でチェッカーを受けた。
終盤にはレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが猛追し、ルクレールのすぐ後ろまで迫ったが、フェルスタッペンは3位でフィニッシュし、タイトル争いの望みをつないだ。残り2周ではフェルスタッペンがルクレールのギアボックスに張り付き、逆転目前まで迫ったものの、バーチャルセーフティカーが導入され、レースが再開されたのは残り半周の時点。ルクレールは辛くも2位を守りきった。
最大のサプライズは、フル参戦初年度のオリバー・ベアマンだった。ハースの彼は9番グリッドからスタートし、レース中盤には3位を走行。最終的に4位でフィニッシュし、これが自己最高順位となった。ドライバーズ選手権は残り4戦となり、ノリスが首位に浮上。チームメイトのピアストリに1ポイント差をつけ、フェルスタッペンは首位と36ポイント差で、今季残りの4戦と2つのスプリントを迎える。
決勝レポート
大多数のドライバー(12人)はスタートでソフトタイヤを選択したが、6人(レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン、レーシングブルズのアイザック・ハジャー、レッドブル・レーシングの角田裕毅、ウィリアムズのカルロス・サインツ、ザウバーのガブリエル・ボルトレト、アルピーヌのピエール・ガスリー)はミディアムを選択。一方、ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンとアルピーヌのフランコ・コラピントはハードを選んだ。
スタート直後の長いストレートは例によって混乱を招き、1コーナーでは4台が横並びで進入するという展開に。スチュワードが介入し、誰が有利を得たのかを判断する必要があった。ルイス・ハミルトンが最も不利を被り、ピットストップ時に10秒のペナルティを受けた。
選手権リーダーのマクラーレンのオスカー・ピアストリはスタートで出遅れたものの、最終的には5位まで巻き返した。最初に計画的ピットストップを行ったのはサインツで、ミディアムからソフトへ交換。ソフト→ミディアムの交換は22周目にアントネッリから始まり、47周目にはピアストリ、アントネッリ、ハミルトンらが2回目のストップを行った。
最も長いスティントを走ったのはコラピントで、ハードタイヤ(C2)で48周を走破。オコンはソフト(C4)で44周、ガスリーは最も柔らかいコンパウンドで37周を走りきった。

マリオ・イゾラ(ピレリ モータースポーツ・ディレクター)
「ここメキシコシティでは、オン・トラックでのアクションだけでなく、1ストップと2ストップが入り混じる戦略的な面でも非常に興味深いレースが見られた。週末を通して完璧な走りを見せたランド・ノリスにおめでとう。そしてハースにとって貴重な4位をもたらしたオリー・ベアマンにも称賛を送りたい。
ミディアムとソフトの両方が活躍したが、今日の主役を選ぶとすれば間違いなく赤い帯のソフトタイヤだ。多くのドライバーがスタート時にこの最も柔らかいコンパウンドを選び、2ストップ勢は最終スティントでも使用した。
摩耗が少なくグレイニングもなかったため、ドライバーたちはリアの熱劣化をうまくマネジメントしつつC5でスティントを延長することができた。ピットストップのタイミングも我々の予想通りで、戦略の多様性は今回のコンパウンド間の間隔設定にも助けられたと思う。グリップが少ないこのサーキットではハードが不利で、使用は非常に限られた。
なお、今週ここメキシコシティに滞在しているピレリの一部メンバーは、火曜と水曜に2026年用のソフトコンパウンド開発テストを実施する。初日はザウバー、2日目はメルセデスがミュールカーを提供してくれる予定だ。両チームの協力に感謝したい。」

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