メルセデスF1 ラッセルのリタイアを招いた“壊滅的なバッテリー故障”を説明

当初はパワーユニット関連の問題とみられていたが、メルセデスはレース後の分析で原因がバッテリーの重大な故障だったことを明らかにした。チームにとっては今季初の大規模アップグレードを投入した重要な週末だっただけに、大きな痛手となった。
ジェームス・アリソンが明かした故障の詳細
メルセデスのチーフテクニカルオフィサーを務めるジェームス・アリソンは、チームのレース後レビュー映像で今回のトラブルについて説明した。
「我々にとって重要な週末だった。今年最初の大規模アップグレードを投入し、その効果を確認する場だったからだ」
「実際にマシンのパフォーマンスは良好だった。しかし、その一方でジョージのマシンの信頼性によって彼を失望させてしまったことは、チーム全員にとって非常に残念なことだった」
アリソンはラッセルのリタイア原因について次のように明かした。
「ジョージのPUトラブルについてだが、バッテリーの故障によってエンジン停止が引き起こされた」
「レースの3分の1ほどの時点でバッテリーが壊滅的な故障を起こし、それによってジョージのレースは終わった」
「レース後の解析では、バッテリーがかなり深刻な状態だったことが確認できている。熱によるダメージも見られた」
「今後数日から数週間をかけて、何が原因だったのかを正確に突き止め、対策を講じる必要がある」
タイトル争いに大きな痛手
ラッセルはリタイア時点でチームメイトのキミ・アントネッリをリードしていた。
しかしラッセルの脱落によってアントネッリは前方のクリーンエアを確保。そのまま4連勝を達成し、ランキングではラッセルとの差を43ポイントに拡大した。
メルセデスにとってはアップグレードの競争力を示した週末だった一方で、信頼性面で大きな課題を露呈する結果となった。

ラッセル「今はキミのタイトルだ」
レース後、ラッセルはタイトル争いの現状について率直な心境を語った。
「正直に言えば、今は彼のタイトルだと思う」
「かなり大きなポイント差がついている」
「日本GPのセーフティカーのタイミング、中国GP予選Q3でのトラブル、そして今日ここで首位を走っていた時のリタイアを考えると、まるで神様が僕をこの戦いに加えたくないような気がする」
ラッセルは不運が続いていることを認めながらも、シーズンを諦めるつもりはないと強調した。
「もうプレッシャーはない。毎レースを楽しみ、毎レース勝利を目指していくだけだ」
「失うものは何もない。ただ、こういう話をしている自分は好きじゃない」
「もちろん悔しいし、タイトル争いに加わりたいと思っている。願わくば運が向いてきてほしい」
メルセデスに残された課題
今回の故障は単なるパワーユニットの不調ではなく、エネルギーストアに起きた深刻なトラブルだったことが判明した。熱損傷も確認されていることから、単発の部品不良なのか、それとも設計や運用に起因する問題なのかが今後の焦点となる。
カナダGPではアップグレードの効果によってW16の競争力向上が確認された一方、ラッセルのタイトル争いには大きなダメージとなった。メルセデスが原因究明と再発防止をどれだけ迅速に進められるかが、今後の選手権争いを左右することになりそうだ。
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