メルセデスF1、ターボハイブリッド時代を象徴するパワーユニット12基を公開
メルセデスF1は、2025年限りで幕を下ろすターボハイブリッド時代を前に、同チームの成功を支えてきたパワーユニットを一堂に集めた記念イベントを開催した。

舞台となったのは、英国ブリックスワースにあるメルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)の本拠地。2014年のW05から最新型W16まで、この時代に投入された12基のパワーユニットが屋外展示され、エンジン部門の“時代の節目”が祝われた。

W05からW16まで、支配の歴史を象徴
イベントでは、リザーブドライバーのフレデリック・ヴェスティが2014年型W05をデモランさせ、現在のマシンであるW16とともに、メルセデスの支配的な時代を象徴する演出が行われた。

メルセデスは2014年の新レギュレーション導入と同時に他を圧倒し、ドライバーズタイトル7連覇、コンストラクターズタイトル8連覇を達成。パワーユニットはその成功の中核を担ってきた。

2014年シーズンには、メルセデス製パワーユニットを搭載した4チームすべてがコンストラクターズランキングのトップ6に入るという記録も残している。

12年で10度のタイトル、圧倒的な数字
ターボハイブリッド時代の12年間で、メルセデス製パワーユニットは10シーズンのタイトル獲得に貢献。近年ではマクラーレンの成功も、この栄誉の積み重ねに加わった。

この期間に行われた252レースで、メルセデスは140勝、150回のポールポジションを記録。勝率は56%に達し、フェラーリやホンダとの激しい競争が続いた中でも、長期にわたる優位性を示してきた。

メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

ハイウェル・トーマスが語る「一区切り」と2026年への期待
「2014年から戦ってきた現在のターボハイブリッド時代の成功を、ここブリックスワースで祝うことができ、本当に素晴らしい一日だった」と、メルセデスHPPのマネージングディレクター、ハイウェル・トーマスは語った。

「私たちは立ち止まって成果を振り返る機会がほとんどないが、これほど多くの仲間とともにそれを共有できたことは特別だった。数字は驚異的で、ブリックスワース、ブラックリー、そしてマレーシアのペトロナスや世界中の仲間たち全員が、自らの貢献を誇りに思っていい」

「ここメルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズでF1マシンを走らせたのは今回が初めてで、これ以上ふさわしいタイミングはなかった」

「今日は過去12年の成功を記念する短い区切りに過ぎない。すぐに2026年に向けた目標に集中していく」

「我々はいま、スポーツの次なる時代の入り口に立っている。新しいパワーユニットがバルセロナで初走行するまで、あと数週間しかない。2014年当時と同じような期待感をもって、その瞬間を待ち望んでいる」

ターボハイブリッド時代を締めくくるこのイベントは、メルセデスにとって過去の栄光を称えると同時に、電動比率がさらに高まる2026年F1時代への助走でもあった。

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1