メルセデスF1 PUに信頼性低下の兆候 3戦連続のトラブルで調査へ
イタリアの専門誌『Autosprint』によると、メルセデスはこれまでF1で業界随一の信頼性を誇ってきた自社製パワーユニットに関し、異常な傾向が見られるとして調査を開始したという。

同誌のパオロ・フィリセッティ記者は、「イモラ、モナコ、バルセロナという3連戦で明確なネガティブトレンドが現れ、その中心にメルセデスがいる」と報じた。

ワークスドライバーのキミ・アントネッリはモナコとバルセロナの両レースでリタイアを喫しており、チームメイトのジョージ・ラッセルや、メルセデス製パワーユニットを使用するアストンマーティン勢にも最近トラブルが出ている。

これを受けてメルセデスはスペインGP前に「予防的措置」を講じたが、それでもアントネッリのトラブルについては改めて調査が必要になったという。

メルセデスのテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンは、「何が壊れたのか、まだ分かっていない」と語った。

「エンジンはブリックスワースのファクトリーに送った。これから分解して、正確な原因を突き止め、対策を講じていくつもりだ。その対策は我々のチームだけでなく、カスタマーチームのパワーユニット全体にも適用されることになる」

フィリセッティはさらに、現在選手権をリードしているオスカー・ピアストリとランド・ノリスのマシンについては「現時点では影響を受けていない」とも報じている。

「バルセロナのパドックで飛び交っていたある仮説では、各車両のパワーユニットの“搭載方法”がトラブルの有無に関係している可能性があり、特に冷却システムや熱交換の設計が関係しているとみられている」

メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

それでも、2026年の新レギュレーション導入後も、メルセデス製パワーユニットは依然として最前線に立つと予想されており、マックス・フェルスタッペンのレッドブル離脱とメルセデス移籍の可能性が再び注目されている。

一方で、レッドブルのワークスエンジンサプライヤーであるホンダは2026年からアストンマーティンへ移行する予定であり、現在の王者チームはフォードと共同で新たな“レッドブル製”パワーユニットの開発に取り組んでいる。

しかし、このレッドブル×フォードの共同開発は、順風満帆というわけではないとの噂も出ている。

レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、独『Sport Bild』に対して次のように語った。

「我々がいきなりライバルたちを上回れると思うのは傲慢というものだ」

「フェラーリはこの分野で75年の歴史を持ち、メルセデスも25年にわたってやってきた。アウディやホンダも、モータースポーツ界で世界屈指のエンジンを作ってきたメーカーだ」

「我々はまず、自らの力で信頼を勝ち取らなければならない。来年はすべてが新たなスタートになる」とホーナーは語った。

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1