メルセデスF1のDASシステムをライバルチームはコピーするのか?
メルセデスがF1バルセロナテストで導入したDAS(デュアル・アクシス・ステアリング)をライバルチームはどのように捉えているのだろうか。

F1バルセロナテストの2日目、ルイス・ハミルトンのオンボード映像でステアリングを前後に移動させると同時にW11のフロントタイヤのトー角が変化しているが発覚。パドックを混乱に陥れた。

DASシステムは、ストレートでのドラッグの低減やタイヤマネジメントで効力を発揮すると考えられている。

メルセデスはDASシステムについて合法性の確認をとっており、ライバルチームは独自のバージョンのシステムを開発できるが、FIAは2021年のF1レギュレーション下ではそのようなデバイスは許可されないことを明言している。

そのため、ただでさえ、2020年マシンと2021年マシンの両方の開発でリソース配分が困難なシーズンにライバルチームはDASのコンセプトをコピーするかどうか頭を悩ませることになるかもしれない。

レーシング・ポイントF1チームの代表を務めるオトマー・サフナウアーは、DASが“巧妙な工夫”であることを認め、「誰もがすぐにそれを手に入れることになるだろう」と予測する。

レーシング・ポイントF1チームは、パワーユニットとギアボックスとともにいくつかのサスペンションパーツをメルセデスからすでに購入しているが、メルセデスのステアリングシステム要素は使用していない。

だ、オトマー・サフナウアーは、投資が価値があると判断した場合、チームはシステムを購入するよりも独自のシステムを使用することを好むと主張する。

レーシング・ポイントF1チームは独自のシステムを開発するかどうかを尋ねられたオトマー・サフナウアーは「努力と利益に依存する」と語る。

「リソースが限られているため、ほとんど利益にならないものへの大きな努力である場合は、おそらく開発しないだろう。しかし、大きな利益のための小さな努力であれば、おそらく開発することになる」

「マクラーレンのFダクト時代を思い出す。他の全員を従わせるためのちょっとした策略だった。マクラーレンはそれを開発するのに多くの時間と努力を費やしていたので、それを行うのは簡単なことではないと考えた。『シーズンのすべての時間と労力を費やしてこれを開発することになるので、他の何かを開発することはないだろう』とね」

「なので、その疑問もある。そして、再び、利益と努力の割合になると思う。もし、その努力が、そこにない利益に対して大きすぎるなら、より大きな利益をもたらすものに限られたリソースを費やすべきだ」

「このルートに従うと決めた場合、いずれにしろ自分でやるつもりだ。誰がこの最速のフォロワーになるかを見るのは面白いだろう」

ハースF1チームのボスであるギュンター・シュタイナーは、他の場所の“低く位置にある果物”の方がリソースをより適切に使用できるため、DASを追求する可能性は低いと示唆した。

「できるかどうかは言いたくないが、我々は開発に時間を費やすことはないと思う。上下に移動してフロントサスペンションに何かをするステアリングホイールよりも、我々はもっと低い位置で入手可能なフルーツがあるからね」

「願わくば、それが何をするのかすぐにわかる。誰かが説明をするか、メルセデスがそれを説明するかもしれない。しかし、ミッドフィールドチームはこのような問題を解決するためにリソースを投資するつもりはないだろう。投資に対するリターンを増やす問題がある」

フェラーリのF1チーム代表を務めるマッティア・ビノットは、DASをコピーするという決断をしたとしても、投入できるのはシーズン中盤になるだろうと語る。

「価値があるかどうかはわからないが、それよりも時間がかかるのは確かだ。安全性のためだけでも、ホモロゲーションをとらなければならない全体のコンセプト設計に関わる。なので、もし開発するとしても、シーズン中盤くらいになると思う」とマッティア・ビノットは語る。

「まず、それがどのように機能するかを明確に理解し、パフォーマンス上のメリットを理解する必要があると思う。現時点ではアイデアが得られないと思う。 しかし、我々はアプリケーションの開発は価値があるかどうかを間違いなく調査していく」

一方、マクラーレンのF1チーム代表を務めるアンドレアス・ザウドルは、DASシステムを検討していないと語る。

「まず、この種の発明に対してメルセデスには脱帽だ。F1で見るのは素晴らしいことだ。また、それによってメルセデスにとっては素晴らしい宣伝になる」とアンドレアス・ザイドルは語る。

「システムの詳細がわからないので、それが何をもたらすかのを判断することさえ間違っていると思う。 我々とって次の質問はそれをコピーしようとするかどうかだが、今の我々のチームとしての立場では、メルセデスのシステムを導入しようとするよりも大きなステップを踏み出すことができる場所に焦点を合わせなければならない他の領域がある」

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1