マクラーレン・オートモーティブ アイルトン・セナ サーキット走行専用車
マクラーレン・オートモーティブは、最新のアルティメット・シリーズとして、サーキット仕様のみのマクラーレン・セナを発表。

2018年ジュネーブ国際モーターショーで遂にベールを脱いだマクラーレン・セナ GTRのコンセプトカーは、公道仕様のマクラーレン・セナを上回る出力とトルクを発揮し、F1以外では最速のラップタイムを叩き出す。

このマシンの重要度は、GTRが名前に使用されていることから明らかだ。マクラーレンが初めてGTRの名前を使用したのは、1995年にル・マン24時間レースで優勝を収めたF1 GTRだった。そして次のその名を使用したのは、初のアルティメット・シリーズのマシンとして登場したサーキット仕様のみのマクラーレン P1 GTRだった。マクラーレン・セナ GTRは、この2台のマシンに次ぐ、GTRの名を冠した3台目のマシンとなる。

一流のサーキット仕様のマシンに必要なコア強度と剛性を確保するため、マクラーレン・セナ同様カーボンファイバー製モノケージIII構造を中心に組み立てられたマクラーレン・セナ GTRは、乾燥重量もマクラーレン・セナと同じ最軽量の1,198kgを誇る。マクラーレン・セナ GTRの正確な技術仕様は2018年後半に確定されるが、マクラーレン史上最も圧倒的パフォーマンスを発揮するマシンになることは間違いない。

マクラーレン・セナ GTR フロントスプリッターマクラーレン・セナ GTR ディフューザー

究極のエアロダイナミクス
マクラーレン・セナ GTRのコンセプトカーのフロントスプリッターは、ロードカーバージョンのマクラーレン・セナよりもはるかに大きく作られており、アクティブフロントエアロブレードと連携して、フロントのエアロダイナミックパフォーマンスを改善。このマシンではタイヤの左右の間隔が広げられ、それに合わせてフロントとリアのフェンダーが拡大されるが、エアフローを改善するため、ドアの外側のスキンはできる限りマシンの中心に「押し込まれ」る。

強化された冷却性能
マクラーレン・セナ GTRのコンセプトカーのリアクラムシェルはどのマクラーレンのマシンよりも低く、エアロダイナミクスパフォーマンスと冷却をサポート。階段状のルーバーの前にある特徴的な「ガーニーフラップ」がリアデッキから空気を逃がし、これによって生じる低圧のエリアに、高温のラジエーターとエンジンベイから熱気が引き込まれる。このルーバーは、エアフローがリアウイングの効率に影響が及ばないよう機能する。

マクラーレン・セナ GTR

マクラーレン・セナ GTRには、公道でもサーキットでも走行できるマクラーレン・セナと同じ4.0LツインターボチャージャーV8エンジンが積まれているが、サーキット仕様のみのGTRでは、ロードカーで実現された800PSおよび800Nmを上回る出力とトルクが実現。馬力は最低でも825PSまで引き上げられるため、ロードカーのマクラーレン・セナよりも高速で直線を走るマシンとなる。

マクラーレン・セナ GTRに加えられるその他の変更には、レーススタイルのトランスミッション、改良されたダブルウィシュボーン式サスペンション、ピレリのスリックタイヤ、サーキット走行専用に開発された新しいホイール設計が含まれる。

厳しい道路規制を守る必要性から解放され、モータースポーツの規制からも解き放たれたマクラーレン・セナ GTRのコンセプトカーには、大幅に改良されたリアディフューザーが採用されている。この総合的なエアロダイナミクス・パッケージにより、ロードカーバージョンマクラーレン・セナのダウンフォースを200kg以上上回る最大1,000kgという圧倒的なダウンフォースが実現される。

マクラーレン・セナ GTRは2018年ジュネーブ国際モーターショーでも非常に高い関心を集めたが、今後も注目を集めるマシンとなるだろう。2019年中に、最高75台がイギリスのウォキングで手作業で組み立てられる。

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム