マクラーレンF1、2026年F1エンジンを評価「メルセデスは基準を引き上げた」
2026年F1レギュレーション初年度の幕開けとなったバルセロナ・テストを受け、マクラーレンが主要パワーユニット勢の現状について初期評価を示した。チーム代表アンドレア・ステラは、メルセデスが「間違いなく基準を引き上げた」と認めつつも、フェラーリ、そして新設のレッドブル・フォード・パワートレインズを含め、トップ勢の性能差は現時点では大きくないとの見解を示している。

バルセロナでは、メルセデスが最多周回数と堅実な初期パフォーマンスで存在感を放った。

一方で、フェラーリの信頼性、そしてレッドブル・フォードによる初の自社製エンジンも好印象を残し、マクラーレンの初期分析では、3社の間に決定的な差は見られなかったという。

「少なくとも3つの競争力ある陣営が良いスタートを切った。メルセデス、フェラーリ、そしてレッドブルだ」とステラは語る。

「特にブラックリーのチーム(メルセデス)は、確実に基準を引き上げてきた。我々も同じレベルに到達するために懸命に取り組まなければならない」

そのうえでステラは、3チームが異なるパワーユニットを搭載している点に触れ、「少なくとも一部のPUサプライヤーに関しては、絶対的な性能差が極端ではない可能性を示す最初の兆候だ」と述べている。

もっとも、バルセロナ・テストは各陣営の開発初期段階にあたり、今後2週間後に控えるバーレーン・テストでは状況が大きく変わる可能性もある。特に2026年はエネルギー回生やパワーデプロイの要求が大きく異なるため、エンジンをより強く使い始めた段階で差が顕在化する可能性は否定できない。

それでも今回の評価は、2026年の大規模レギュレーション変更と、メルセデス優位という下馬評を踏まえれば、慎重ながらも前向きなものだ。圧縮比低減ルールを巡っては、メルセデスが合法的な解釈によって一部サーキットで最大コンマ3秒の優位性を得ている可能性があるとの見方もあるが、少なくとも現時点ではトップ勢が拮抗している印象を与えている。

もし主要チームがエンジン性能で横一線に近い状態にあるなら、勝負の焦点は2026年特有のエネルギーマネジメントや、アクティブエアロを含む新要素の使いこなし、そして従来通りの車体開発力に移っていくことになる。

「非常に初期的な兆候ではあるが、新しいパワーユニットと、ドライバーが使えるすべての選択肢をどう活用するかには、大きな改善の余地がある」とステラは続けた。

「コーナーモードとストレートモードを切り替える可変エアロの運用にも、大きなポテンシャルがある」

エンジン F1 マクラーレン

さらに、2026年マシンは過去の世代以上に開発初期の影響が大きいと指摘する。

「4年前にグラウンドエフェクトカーが導入された時とは状況が違う。当時はパワーユニットとタイヤがほぼ継続仕様だったが、今回はすべてが新しい。これまで以上に、パッケージを使いこなす能力と、正しい方向に開発を進める力が差を生むだろう」

「シーズン前半に見える勢力図が、後半でも同じとは限らない。今のような初期段階では、開発の影響は非常に大きく出る」

2022年から2025年にかけて低迷し、タイトル争いから遠ざかっていたメルセデスに対し、昨季はエンジンカスタマーであるマクラーレンが両タイトルを獲得した。仮にメルセデスPUが最強であったとしても、それを最も活かせるチームがどこになるかは、依然として不透明だ。

マクラーレンはMCL40の完成が遅れ、バルセロナでの走行量も限られたため、マシン理解と開発指針の確立にまだ作業を要している段階にある。

「トラック上で見えたものは、シミュレーションと整合していた」とステラは語る。

「何より明確だったのは、ドライバーもチームも学習曲線が非常に急だということだ。1周ごとにパフォーマンスに関する有益な学びがある。AからZまで完全に新しいクルマなのだから、これは自然なことだ」

「MCL40は良い出発点だと分かっている。だが、短期的にもシーズンを通した開発方針を明確にするためにも、ここから一層の努力が必要になる」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム