マクラーレンF1の内部緊張が激化:ピアストリ冷遇疑惑が豪州上院まで波及

疑念の中心は、7周目のセーフティカーでピットに入らなかった不可解な判断だ。一部では、ランド・ノリスに不利になるリスクを避けるため、あえてピアストリに有利な展開を拒んだのではないかとまで囁かれている。
豪州上院議員の“ジョーク”が象徴する異常事態
オーストラリアのマット・カナバン上院議員は、運輸担当官に対し「マクラーレンはピアストリに不利な判断をして、彼のワールドタイトルを奪っていると思いますか?」と冗談交じりに質問した。
軽いジョークのつもりだったが、パドックの状況は笑えない。カタール後、ピアストリ側が不信感を強めているとの憶測が広がっているためだ。
ザク・ブラウンの“抱擁”が逆効果に:ウェバーの冷たい視線
疑惑をさらに加速させたのは、ピアストリのマネージャーであるマーク・ウェバーの反応だった。
F1フォトグラファーのキム・イルマンによると、ザク・ブラウンCEOがカメラの前でピアストリに抱擁しに行った瞬間、ウェバーは**「氷のような視線」**を向けたという。
ブラウンが何と言ったかについて、ピアストリは「謝罪だった。それ以上求めることはできないね」と語った。
しかし、ウェバーがカタールGP週末にアストンマーティンのガレージでエイドリアン・ニューウェイと並んで座っていたことが発覚し、ピアストリの将来に関する噂が一気に拡大している。
三つ巴のタイトル決戦:ヨス・フェルスタッペンが遠隔から圧力
アブダビGPではノリス、フェルスタッペン、ピアストリが2010年以来となる三つ巴のタイトル争いに挑む。
フェルスタッペンの父ヨスはケニアでのラリー参戦のため現地に来ないが、「マクラーレンには緊張があるだろう」「このチャンスを逃したら次はないかもしれない」と発言し、遠隔から強烈な圧力をかけた。
さらに「今、人々はマックスがどれほど特別かを理解している。各チームはレッドブルではなく“マックス”を相手にしている」と語り、マクラーレンへのプレッシャーを一段と増幅させた。
アンドレア・ステラが沈静化を図る:「オスカーもタイトル候補」
内部不穏が高まる中、チーム代表アンドレア・ステラはピアストリを擁護した。
「オスカーはタイトルを獲れる位置にいる。歴史的に、第3の候補が勝つこともある」
さらに疑惑を否定するように、「我々は誠実さと透明性を持って判断する。どちらか一方がタイトルを獲れるなら、その結果を尊重する」と語った。
しかし、今年度のマクラーレンが掲げる“パパイヤ・ルール”(完全平等の扱い)は、これまでにもたびたび嘲笑の的となり、カタールGPで再び批判を浴びた。
新たな陰謀論:「ドラマの方がF1とマクラーレンに得」
カタール後、ザク・ブラウンが笑みを浮かべながら「F1ファンにとっては最高のギフトだ。数字にも良いだろうね」と発言したことが、さらなる陰謀論を招いた。
「マクラーレンとF1はこのドラマで得をしているのでは?」という憶測が一部で広まり、事態はますます複雑化している。
ブラウンは続けて「昨年アブダビで勝っているから強いはずだ」と前向きに語ったが、パドックの視線は厳しいままだ。
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