マクラーレンF1に「ノリス優遇」疑惑 スカイF1のテッド・クラビッツが否定

シンガポールGPでは、オスカー・ピアストリが開幕戦から守ってきたランキング首位の座を危うくし、ノリスとの差は22ポイントに縮まった。
そのレースのオープニングラップでノリスが強引なオーバーテイクを仕掛け、チームメイト同士の軽い接触を誘発したことで、議論は一気に過熱した。
「パパイヤ・ルール」違反もチームは静観
ピアストリは、ノリスの動きがマクラーレン内部で定められた“パパイヤ・ルール”に反していると主張。
しかしスチュワードは調査の必要なしと判断し、チームも介入しなかった。
これにより「マクラーレンは2人を平等に扱っていない」との批判が浮上した。
シーズン序盤には、ピアストリがノリスに対して攻めた走りを見せた際、チームが警告を与えた例もあった。
対照的に、今回はノリス側にお咎めなしだったことが「ダブルスタンダード」としてSNSで物議を醸している。
「ノリスを優遇している証拠はない」
クラビッツはSky F1ポッドキャストの最新回で、こうした見方を完全に否定した。
「ノリスがチームに長く在籍しているから優遇されているという話も聞くが、根拠がまったくない」と語り、「マクラーレンがどちらかのドライバーを勝たせたいという証拠は何もない。もしそんな気配があれば、我々ジャーナリストは真っ先に報じている」と断言した。
ノリスは2019年にマクラーレンのフルタイムドライバーとなって以来、チームの象徴的存在として活躍してきたが、クラビッツは「それだけで優遇される理由にはならない。すべてはコース上での結果次第だ」と説明した。

マクラーレンの実力主義とタイトル争いの行方
クラビッツは、両者の成績の差は単に「その時点での調子の違い」だと分析する。
「メルボルンではノリスが優勝し、ピアストリはスピンして9位だった。だがその後ピアストリは立て直し、予選でノリスに迫った。
23ポイント差を詰めたのは、マシンのセットアップに苦しんだノリスとの対照であり、チームの扱いとは無関係だ」と述べた。
2025年のタイトル争いがさらに接近する中で、マクラーレン内部の“平等性”が改めて問われている。
しかし、少なくとも現時点でチームの戦略に偏りは見られず、すべてはトラック上のパフォーマンスに委ねられているようだ。
Source: Sky Sports F1
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