ランド・ノリス “ゴールドヘルメット”でF1王者として初走行

タイトル獲得からわずか2日後、ノリスは2026年タイヤ開発に向けたピレリのグループテストにミュールカーで参加し、マクラーレンのプログラムを主導した。
2026年にはカーナンバー「1」に切り替えることを明言しているノリスだが、この日の走行では最終戦仕様の「4」を継続。午前のセッションを担当し、レース経験豊富なドライバーの中では最速で前半を終えると、最終順位は12番手(1分26秒142)。午後に走行したオスカー・ピアストリは1分26秒099で10番手だった。

若手勢が上位を独占し、アストンマーティンのジャック・クロフォードが1分23秒766でトップ。サウバーのポール・アロン、ウィリアムズのルーク・ブラウニングが続き、メルセデスのフレデリック・ベスティ、レッドブルの岩佐歩夢がトップ5を形成した。メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリはミュールカー勢最速の6番手(1分25秒170)を記録した。
各チームは「経験豊富なドライバーによるミュールカー走行」と「F1出走3戦未満のルーキー走行」を義務付けられ、レッドブルとレーシングブルズは2026年の新加入ドライバーを初起用。レッドブルはアイザック・ハジャー、レーシングブルズは18歳のアービッド・リンドブラッドが初走行を重ねた。フェラーリはシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンが分担し、ウィリアムズ、メルセデス、ハース、サウバーも2025年ラインナップで走行を割り当てた。
2026年F1の技術方向性が早くも露出
テストでは来季のアクティブエアロ導入に向けた技術評価が進み、メルセデスは“ストレートラインモード(SLM)”に相当するプロトタイプのフロントウイング機構を披露。ノーズに装着されたアクチュエーターと翼端要素を連動させ、ストレートでドラッグを削減する仕組みで、フェラーリも同様のコンセプトを独自に評価している。
一方、ピレリは2026年用タイヤの正式レンジを初公開。サイドウォールのグラフィックが刷新され、チェッカーフラッグをあしらった新デザインを採用。ハード=白、ミディアム=黄、ソフト=赤などのカラー識別は継続される。
2026年レンジはC1〜C5の5種類で構成され、戦略幅拡大のため性能差と一貫性を改善。寸法は縮小され、リム径は18インチのまま、トレッド幅はフロントが25mm、リアが30mm減少し、外径は最大15mm小型化される。ピレリは12月15日に正式ホモロゲーションを行い、1月下旬のバルセロナテストで2026年型マシンへ初装着される予定だ。
トラブルも発生、最多周回はアントネッリが記録
全体的にはスムーズに進行したが、ハースの平川亮がターン1でスピンを喫しリアウイングを破損。それでも再走行を果たした。一方、エステバン・オコンは技術的問題によりわずか4周にとどまった。
この日の最多周回はメルセデスのアントネッリで157周。アクティブエアロ付きミュールカーは、2025年仕様タイヤに課される直線速度制限300km/hの対象外であったため、広範なデータを収集できた。
カテゴリー: F1 / ランド・ノリス / マクラーレンF1チーム
