ランド・ノリス「2026年F1はもっとカオスになる」新レギュレーションが生む混戦

2026年型マシンは、バッテリー要素への依存度が大きく高まっている。一方で、そのバッテリーは走行中に枯渇し、常に回生が必要となる。
結果として、ラップ中にブーストを使い切る場面が生まれ、エネルギーに余裕のあるライバルに攻撃されやすくなる。
「余分なスピードがあれば、より多くの動きが見られるようになる」とノリスは、今週の囲み取材で語った。
「でも、そのあとにそのドライバーは、これまで以上に守らなきゃいけなくなる。それが、もっとカオスを生む。それは、皆さんにとっては最高だと思う」
ブースト次第で“あり得なかった”追い抜きが発生
ノリスは、ストレートでの追い抜きが容易になるだけでなく、これまでほぼ不可能だった場所でもオーバーテイクが起き得ると指摘する。
「基本的に、誰がいつブーストボタンを使うかで、かなりカオスなレースになると思う」
「バルセロナでも、バッテリーをあまり使わないストレートがいくつもある。例えばターン5からターン7までの短い区間だ」
「でも、そこでブーストを使えば、かなりの馬力を得られる。そうすると、普通は絶対に見ないような形でT7に飛び込んでオーバーテイクできる」
ただし、その代償も大きい。
「問題は、そのあとT10までが最悪になることだ。だから、これまでとは違う場所で相手にプレッシャーをかけられるし、ある意味で、より良い形でレースを作れる可能性がある」

高速チェスのような駆け引き
エネルギー残量の増減によって順位が頻繁に入れ替わる状況は、ドライバーに高度な判断力を求める。どこで回生し、どこで使うのか。その選択が勝敗を分ける。
メルセデスのキミ・アントネッリも、コクピット内での戦略思考が重要になると語る。
「他のドライバーと戦いながら、どうエネルギーを使うか。その点は本当に大きなステップだ」
「今年は、すごくオープンな考え方でシーズンに入る必要があるし、ある意味では、かなりクリエイティブでいないといけない」
「特にバトル中は、エネルギーでいろんなことができる。チェスをしているような感覚だけど、スピードチェスみたいなものだ。ひとつひとつの手を考える時間はないけど、常に相手より2手先を考えていないといけない」
ドライバーの力量がより問われる時代へ
ノリスもまた、ドライバーの対応力がこれまで以上に重要になると同意する。
「予選の1周でも、レース中でも、ドライバーがこれらをどう扱って、どうコントロールするか、その重要性は確実に高まっている」
「特にオーバーテイクの準備は、かなり複雑になると思う」
「以前は、とにかく速く走って、ダーティエアを避ければよかった。バッテリーを効率よく溜めるのも、かなりシンプルだった」
「でも今は、バッテリーを使い切ると、大きくタイムを失う。特にストレートでは、その影響がかなり大きい」
「だから、もっとカオスなレースになると思うし、ドライバーは、起こり得るあらゆる状況を常に把握していないといけなくなる」
まだ確信は持てず
ノリスは、2026年型マシンのいくつかの特性、特にパワーの立ち上がりの鋭さには手応えを感じているという。
「間違いなく、よりパワフルに感じる。今はストレートの途中でデプロイが止まるけど、もし最後まで使えたら、簡単に時速380キロくらいには達すると思う」
「つまり、マシン自体は、もっと多くのことができる。もしF1マシンを完全に解放したら、さらにとんでもない領域に行けるはずだ」
一方で、バルセロナでのハンドリング面の印象については、まだ判断を保留している。
「運転の仕方という意味では、少しF2カーに近い感覚がある。それが好きかどうかは、正直まだ分からない」
「バルセロナでは、4速や3速のコーナーが多くて、開けていて、幅も広い。でも市街地コースや、もっとバンピーで低速なトラックではどうなるのか。その答えは、まだ出ていない」
「その疑問には、バーレーンが答えてくれると思う」
カテゴリー: F1 / ランド・ノリス / マクラーレンF1チーム
