ランド・ノリス F1タイトル首位浮上もオランダGPリタイアが脳裏に残る
マクラーレンF1のランド・ノリスは、メキシコシティGPで圧巻のポール・トゥ・ウィンを飾り、オスカー・ピアストリを1ポイント差で上回りドライバーズ選手権首位に立った。しかし、本人の頭には今なお、夏休み明けのオランダGPでの痛恨のリタイアが「鮮明に残っている」という。

この優勝で4月のサウジアラビア以来となる首位奪還を果たしたノリスだが、もしザントフォールトでのリタイアがなければ、より早くタイトルリードを取り戻していたはずだった。

8月のオランダGPでは2位フィニッシュ目前でシャシー由来のオイル漏れが発生し、コース脇にマシンを止めざるを得なかった。これによりピアストリとの差は一時34ポイントにまで広がったが、ノリスはそのギャップを見事に跳ね返した。

ノリスは今でも当時の光景を鮮明に覚えているという。

「うん。でもまだ頭の中ではすごくはっきりしてる。もちろん、ああいうことはできるだけ忘れて次のレースに集中するようにしているよ」

「週末ごとに新しい挑戦があるし、毎回ゼロから始める気持ちで臨んでいる。過去の週末のことは忘れて、学んだことを次に活かす。それが大事なんだ」

メキシコでの走りについては手応えを感じている。

「ここではすごくうまくやれたと思う。過去数戦も悪くなかったけど、これは間違いなく今季最高のパフォーマンスだ。でもまだ先は長い。速いドライバーが周りにたくさんいるから、とにかく今の自分を維持して、一貫性を保つことに集中しなきゃいけない」

「今チャンピオンシップで前にいようが後ろにいようが、ドライビングを変えるつもりはない。ただ自分のやるべきことを続けるだけさ」

メキシコの完勝の裏にあった“冷静さ”
ノリスは過去数戦で見せたペース管理とメンタルの安定が、メキシコでの完勝につながった。スタートから終盤まで危なげない走りを見せ、タイヤマネジメントも完璧。ピアストリとのタイトル争いが激化する中でも「焦らず一戦一戦をこなす」姿勢を貫いている。

ザントフォールトでの挫折を経て、ノリスは「過去を引きずらず、目の前のレースに集中すること」の重要性を身をもって理解した。その精神的成長が、シーズン終盤に向けた彼の最大の武器となりそうだ。

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カテゴリー: F1 / ランド・ノリス / マクラーレンF1チーム