桜井孝太郎、予選8番手から波乱のレースを連続完走
桜井孝太郎は、シルバーストン・サーキットで開催されたGP3シリーズ第7&8戦に参戦。連続完走を果たした。
バレンシアでの合同テスト、そして6月にバレンシアで開催されたGP3シリーズ第5戦、第6戦を諸般の問題で欠場。
昨年のイギリスF3ルーキーチャンピオンである桜井孝太郎は、凱旋レースとしての意地も含めて相当な意気込みでイギリスGPに臨んだ。
木曜日のフリー走行はあいにくの雨。6週間ぶりにコックピットに戻った桜井孝太郎は、マシンと身体の調和リズムを確認するため、1度もピットに戻ることなく45分間のセッションを走り続け、チームメイトとの各コーナーでのデータを比較しながら、遅くまでエンジニアとセッティングについて話し込んだ。
しかし、金曜日早朝の予選は、曇り。路面コンディションがまるで違う状況となったが、第2の母国ともいえるイギリスだけに、桜井孝太郎は予選開始早々から積極的なアタックを開始。モナコGPで優勝したチームメイトよりも速いタイムを常にマークし、最終的に今季自己ベストの8番手グリッドを獲得して、その速さをチーム内にアピールした。
午後はF1の予選が中断せざるを得ない大雨だったが、決勝がはじまる頃には雨もあがり、第1レースは路面はウェットながら、スリックタイヤでのスタートとなった。
桜井孝太郎は、4列目イン側から無難なスタートを見せたものの、リスク覚悟で決めたセットアップが裏目に出ていまひとつペースがあがらず、4周目以降、次第に順位を落とし始め、最終的に15位チェッカー。気持ちを切り換えて第2レースに臨んだ。
日曜日の第2レースは荒れた展開となった。スタート直前に降り出した雨に対して、多くの選手がウェットタイヤを選択したが、何人かの選手がスリックタイヤという状況。
桜井孝太郎は、ウェットタイヤを装着してスタート。着実に順位を上げながら、12番手まであがったところでタイヤ交換のためにピットイン。コース上、ウェットタイヤで走るドライバーの中では誰よりも早いタイミングだったが、躊躇せずピットに飛び込んだ桜井孝太郎は、F1さながらの短時間のタイヤ交換でコースに復帰する。
一時的にグリッド最高尾近くまで落ちたものの、ライバルたちより1周5秒近い速さで追い上げ続け、セクター1ではコース上の誰よりも速い最速タイムをマークし、前車をオーバーテイクし続けた。再び12番手まで復帰したところで、小さなミスでハーフスピンし、タイムロスをしたものの、最終的に13番手チェッカー。荒れたレースを無事に2戦連続完走し、チーム内ではいずれも最上位フィニッシュを確保することができた。
桜井孝太郎
「週末を通してチーム内で最速だったのは嬉しかったですが、走り始めからイギリスらしい大雨で、まったく前も見えない状況だったのは厳しかったですね。しかし、それよりも苦しんだのは、バレンシアのテストとレースの両方を欠場した事で、自分の頭の中で考えて、考え抜いて結論を出した多くのセットアップを一度もトライできずにぶっつけ本番でやるしかなかったことです。それは本当に苦しかったです。それでもドライ路面になった予選では、頭でイメージした中から、良い車を作れたし自分のパフォーマンスも出せたと思います。予選8番手は自信になりました。イギリスの熱狂的なファンの前でアピールできる最高のチャンスだっただけに、レース結果そのものは悔しいですが、それでもここが僕らのターニングポイントになるはずです。正直に言うと、コクピットに戻れてエンジンをかけた時には、嬉しくて泣きました。イギリスのシルバーストンはレースの聖地と言ってもいいと思います。だからきっとレースの神様が、「頭を一回冷やせ」と雨で僕に訴えてくれたのかも知れません。次はドイツのホッケンハイムですが、シルバーストンでつかんだヒントをしっかりと自分の中で咲かせて現地に乗り込みたいと思っています。ポールスタートを目指します。応援よろしくお願いします」
デビッド・ケネディ (ステイタスGP チーム監督)
「なにより孝太郎がサーキットに戻ってきてくれたことが嬉しいです。彼の才能は、走り続けることで磨かれます。今回の予選では、孝太郎がいかに精神的に厳しい中でも努力し続けてきたかを証明してくれました。第1レースは残念な結果でしたが、第2レースは、ラップタイムを計算すると、もしあと1周早くスリックタイヤに交換し、あの1度のミスがなければ確実に表彰台をゲットできた速さでした。ただし、レースに「たら、れば」はありません。実力で運すらつかみとるのがレースです。次のレースで、彼がその実力を証明してくれることを信じています」
カテゴリー: F1 / 桜井孝太郎
バレンシアでの合同テスト、そして6月にバレンシアで開催されたGP3シリーズ第5戦、第6戦を諸般の問題で欠場。
昨年のイギリスF3ルーキーチャンピオンである桜井孝太郎は、凱旋レースとしての意地も含めて相当な意気込みでイギリスGPに臨んだ。
木曜日のフリー走行はあいにくの雨。6週間ぶりにコックピットに戻った桜井孝太郎は、マシンと身体の調和リズムを確認するため、1度もピットに戻ることなく45分間のセッションを走り続け、チームメイトとの各コーナーでのデータを比較しながら、遅くまでエンジニアとセッティングについて話し込んだ。
しかし、金曜日早朝の予選は、曇り。路面コンディションがまるで違う状況となったが、第2の母国ともいえるイギリスだけに、桜井孝太郎は予選開始早々から積極的なアタックを開始。モナコGPで優勝したチームメイトよりも速いタイムを常にマークし、最終的に今季自己ベストの8番手グリッドを獲得して、その速さをチーム内にアピールした。
午後はF1の予選が中断せざるを得ない大雨だったが、決勝がはじまる頃には雨もあがり、第1レースは路面はウェットながら、スリックタイヤでのスタートとなった。
桜井孝太郎は、4列目イン側から無難なスタートを見せたものの、リスク覚悟で決めたセットアップが裏目に出ていまひとつペースがあがらず、4周目以降、次第に順位を落とし始め、最終的に15位チェッカー。気持ちを切り換えて第2レースに臨んだ。
日曜日の第2レースは荒れた展開となった。スタート直前に降り出した雨に対して、多くの選手がウェットタイヤを選択したが、何人かの選手がスリックタイヤという状況。
桜井孝太郎は、ウェットタイヤを装着してスタート。着実に順位を上げながら、12番手まであがったところでタイヤ交換のためにピットイン。コース上、ウェットタイヤで走るドライバーの中では誰よりも早いタイミングだったが、躊躇せずピットに飛び込んだ桜井孝太郎は、F1さながらの短時間のタイヤ交換でコースに復帰する。
一時的にグリッド最高尾近くまで落ちたものの、ライバルたちより1周5秒近い速さで追い上げ続け、セクター1ではコース上の誰よりも速い最速タイムをマークし、前車をオーバーテイクし続けた。再び12番手まで復帰したところで、小さなミスでハーフスピンし、タイムロスをしたものの、最終的に13番手チェッカー。荒れたレースを無事に2戦連続完走し、チーム内ではいずれも最上位フィニッシュを確保することができた。
桜井孝太郎
「週末を通してチーム内で最速だったのは嬉しかったですが、走り始めからイギリスらしい大雨で、まったく前も見えない状況だったのは厳しかったですね。しかし、それよりも苦しんだのは、バレンシアのテストとレースの両方を欠場した事で、自分の頭の中で考えて、考え抜いて結論を出した多くのセットアップを一度もトライできずにぶっつけ本番でやるしかなかったことです。それは本当に苦しかったです。それでもドライ路面になった予選では、頭でイメージした中から、良い車を作れたし自分のパフォーマンスも出せたと思います。予選8番手は自信になりました。イギリスの熱狂的なファンの前でアピールできる最高のチャンスだっただけに、レース結果そのものは悔しいですが、それでもここが僕らのターニングポイントになるはずです。正直に言うと、コクピットに戻れてエンジンをかけた時には、嬉しくて泣きました。イギリスのシルバーストンはレースの聖地と言ってもいいと思います。だからきっとレースの神様が、「頭を一回冷やせ」と雨で僕に訴えてくれたのかも知れません。次はドイツのホッケンハイムですが、シルバーストンでつかんだヒントをしっかりと自分の中で咲かせて現地に乗り込みたいと思っています。ポールスタートを目指します。応援よろしくお願いします」
デビッド・ケネディ (ステイタスGP チーム監督)
「なにより孝太郎がサーキットに戻ってきてくれたことが嬉しいです。彼の才能は、走り続けることで磨かれます。今回の予選では、孝太郎がいかに精神的に厳しい中でも努力し続けてきたかを証明してくれました。第1レースは残念な結果でしたが、第2レースは、ラップタイムを計算すると、もしあと1周早くスリックタイヤに交換し、あの1度のミスがなければ確実に表彰台をゲットできた速さでした。ただし、レースに「たら、れば」はありません。実力で運すらつかみとるのがレースです。次のレースで、彼がその実力を証明してくれることを信じています」
カテゴリー: F1 / 桜井孝太郎