小林可夢偉
小林可夢偉が、8位入賞を果たしたF1韓国GPを振り返った。

サーキット建設が遅れ、木曜日の時点でも作業が続けられたいた韓国インターナショナルサーキット。コースを下見した小林可夢偉の第一印象も複雑なものだった。

「韓国GPは、みんな初めて走るということで、気分は間違いなくこの前の鈴鹿よりは楽でした。経験というハンデが少ないですからね」と小林可夢偉は語る。

「木曜日の夕方にコース下見にいったんですけど、路面を洗ったばかりの濡れているところがめっちゃヌルヌルで、これスケートできるんちゃうかって思いました」

「実際走ってみると、コースのレイアウトとしては悪くなかった。ただ滑り具合というのが半端じゃなくて、あれほど滑る路面というのは、たぶんどこのチームもデータとして持ってなかったと思うんです。とにかく路面が良くなること予想して、セットアップするのが大事だったので、かなり先を見ながら進めてました」

「コーナーはそんなに大きな問題ではないので、大きく負けていた直線をうまくカバー出来るように、土曜日に向けてセッティングを変えたんですけど、フリー走行3回目にそのクルマを乗ってみると、アクセルを踏んだ時に巻き込む感じだったので、予選前に少し金曜日の状態に戻しました。それで状態は少しはマシになった」

予選では力を出し切れたと語る小林可夢偉。Q3も間近だったがトラフィックもあり、Q2で敗退して12番グリッドからのスタートすることになった。

「予選は、Q3にすごく近かったですけどクルマの力は出し切れたと思います。ウイリアムズの前に出られなかったのは残念ですけどね。Q2はトラフィックのことやQ3に進出した場合を考えて、オプションタイヤでの3周計測の1ランだけにしたんですが、アタック1周目に入った時もコースインしてきたクルマが4台くらいいたし、最後の周もハミルトンが前にいた。彼自身もアタックに入るつもりやったんでしょうけど、僕の前に近づいてきたと思ったら、そこからペースアップをしたりと、結構空力に影響を受ける距離にいんたんですね。それで若干タイムを失った部分はありますけど、ほかは順調に行っていたのであんなもんでしょう」

決勝は生憎の雨。10分のディレイのあとセーフティカー先導でスタートしたが、3周の時点で赤旗中断となった。

「決勝はセーフティーカー先導中でも前のクルマからの水しぶきがすごくて3メートル先が見えなかった。スタートする時に僕らは半信半疑な状態だったんですけど、とにかくスタートしたらレースをするしかないですからね」

49分の中断のあとレースは再開。小林可夢偉は、セーフティカー導入時にインターミディエイトに交換するというギャンブルに出た。

「19周目にセーフティカーが導入されたときにインターミディエイトに履き替えましたが、この戦略としては決して悪くはなかったと思います。ただ、僕たちのペースがなかなか上がらず、前のクルマに追いつけなかったというのが大きな問題でした。クルマがグリップしなくて、グリップしないからタイヤがもたなくなって最後の方は本当に厳しかったです」

「トラクションが基本的になかったんですね。僕らのチームはディフューザーがブロウンディフューザーじゃない。こういうグリップしない路面でその差というのはかなり大きいんじゃないかなと思います。僕たちも手持ちの状態でどうやってグリップをさせればいいか、いろいろとやってみたんですけど、結果的にこの結果が限界だったと思います」

「スーティルが当たってきたときはめっちゃ運が良かったです。そもそも僕はイン側のラインをずっと走っていたのに、『普通、そんなところから来うへんやろう』ってところから来ましたから。パワーステアリングがちょっと壊れたみたいで、走るのにはそんなに大きな問題じゃなかったです。とにかく不幸中の幸いでしたね」

スタートが遅れたこともあり、レース終了は18時を過ぎた。陽が落ちたサーキットでは白線も見えなかったと可夢偉は語る。

「最後は暗くなって見えなくなってきたから早くレースを終えてほしかったんですけど、結局きちんと最後まで走っちゃいましたね。コース上はみんなが想像しているよりも暗かった。最終的にはコース脇の白い白線も見えなくなってましたからきつかったです。とにかく生き残ったというレースでした」

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / ザウバーF1チーム