小林可夢偉
小林可夢偉が、7位入賞を果たしたF1ヨーロッパGPを振り返った。

最終ラップの最終コーナーでセバスチャン・ブエミをオーバーテイクするという劇的なレースで7位入賞を果たした小林可夢偉。しかし、当の本人は最終ラップだとは気付いていなかったと語る。

「最終コーナーでブエミを抜いたとき、実はあれが最終ラップって知らなかったんです。まだあと、1〜2周はあるだろうと思っていたんですけど、そうしたらピットウォールでチームのみんながすごい勢いで手を振っていたので、あ、もう終わりなんやと (笑)」

予選18番手だった小林可夢偉は、プライムタイヤでスタート。序盤にセーフティカーが入ったことで結果的にこのタイヤ戦略が功を奏すことになる。

「決勝ではペドロと戦略を分けて、僕は硬い方のプライムタイヤでスタートして、できるだけ長く走って、路面がよくなるレース終盤に柔らかい方のスーパーソフトに履き替える作戦にしました。正直、あそこまで行けるとは思っていませんでしたけれども」

「GP2のレースを見ていても、ここはクラッシュとかが多くて、セーフティーカーも出ているので、F1でもセーフティーカーが出る可能性もあるから、とにかく最後まで生き残って、タイヤをうまく使えれば全然チャンスはあるなと思っていました。ただ、オーバーテイクが難しいので、どういうレースになるかは分からなかったんですけど、とにかく最後まで生き残っていいレースをしたいと心がけていたんです」

F1ヨーロッパGPでは、セーフティカー中の速度制限に違反したとして9名のドライバーにペナルティが課せられたが、小林可夢偉はしっかりとデルタを守って走行していたという。

「セーフティーカーが入った時に、まわりがすごい勢いで迫ってきたんですけど、表示されているFIAからの指示を守らないといけないと思って、そのペースで走りながら、念のためにエンジニアにも無線で『これは守らないといけないよね』と確認はしていました」

「3番手を走っているときのペースは、正直自分でも驚いています。とにかく周りのペースにまどわされずに自分のペースでタイヤをマネージメントして、オーバードライブしないように気をつけていました。毎ラップどんどん速くなっていくので、去年トヨタでレースをしたアブダビを思い出しました」

「途中、前で周回遅れの2台がバトルしていて全然譲ってくれないし、目の前でぶつかるし、僕も巻き添えで追突しそうになりました。あのときが一番ドキっとしましたね」

小林可夢偉は、レースも残り4周となった時点でピットイン。ペースが良かったため、もう少しピットインを延ばしてもよかったのではとの見方があるが、正しい判断だったと可夢偉は語る。

「53周目のピットインは、正しい判断だったと思います。もしかしたらもっと早く入って抜きにいく方向でもよかったかもしれないですけど、それは終わってからのことなんで。アロンソはあそこで抜こうと思っていたんですけど、いまいちスピードが伸びなくて、ストレートエンドで思っていたほど近づけなかったんです。ただ、彼のブレーキングがすごく早いのは分かっていたので、飛び込んだら最初はドアを締めてきたんですけど、うまく抜けました。ブエミも最終コーナーで 狙っていました。とにかく最終的に抜けたのはよかったですね」

「予選があんな結果だったし、僕はレースは週末通しての評価だと思っているので決して満点ではないです。ただ、順位よりも今回はレースでうまくタイヤを使え たというのがうれしい。F1のタイヤは使い方はすごくむずかしくて、また違うコースにいくと違う使い方がある。だからこれからのレースでも僕たちは何がで きるかを探して、それをきちん実行できれば、もっとチャンスがあると思います」

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / ザウバーF1チーム