小林可夢偉、8戦ぶりの入賞も「ホっとしている場合ではない」
小林可夢偉が、8戦ぶりにポイントを獲得したF1アブダビGPの週末を振り返った。

前戦インドGPでトロ・ロッソにコンストラクターズ選手権で並ばれたザウバーにとって、今回は正念場となるレース週末となった。

「アブダビは、路面温度が凄く変化するので、そこにうまくあわせてセッティングをしなければいけないのがひとつの特徴です」と小林可夢偉は述べた。

「インドでチームランキングでライバルに並ばれてしまったので、とにかく全力でやることが一番大事だし、最後まで諦めずにいいレースがしたいと思っていました」

トワイライトレースとなるアブダビGPは、日が落ちると路面温度が10℃以上下がることもあり、金曜日から小林可夢偉も夜のタイヤの熱入れに苦労した。

「金曜午後1時から始まった1回目のフリー走行は、とにかくクルマがスナッピーでした。夕方から始まった2回目のセッションでは、路面温度が10℃以上低くなって、タイヤの熱入れが難しかったですね。タイム的にはライバルと僅差で、韓国やインドよりも良くなっていたように見えたもしれませんが、実際にはグリップが全然足りなくて、決していいと言える状況ではなかったです」

グリップ不足は予選でも続いた。Q2で敗退して16番手だった小林可夢偉のQ2でのベストタイムは、Q1で使用した中古タイヤでのものだった。

「土曜日の予選ではとにかく新品タイヤがダメでした。連続周回をしても最後までグリップを見つけることができなかった。結局僕のQ2のベストタイムは、Q1で履いたソフトタイヤを使った最初のランのタイムなので、その後新品タイヤを履いて出ていった時よりも、中古の方がグリップしていたのは不思議でした。ガソリンが軽くなると余計にダメで、クルマ的にもダウンフォースをめいっぱいつけていた状況だったので、正直どうしようもなかったです。ただ、決勝レースに向けてはいつも以上に燃料を積んだ状態での確認をやっていたので、タイム差はそんなにないし、落ち着いてうまくやればポイントは獲れると思っていました」

決勝ではミディアムタイヤでスタートして1ストップ戦略を狙った小林可夢偉。だが、ミディアムのペースに悩まされて5周でタイヤ交換。変則的な実質1ストップ戦略での戦いとなった。

「決勝はミディアムタイヤでスタートして1ストップ作戦の予定でした。いいスタートを決めて1周目に5つ順位を稼いだのに、ミディアムタイヤのペースが思っていた以上に伸びなくて、3つポジションを落としてしまったので、予定より早くソフトタイヤに履き替えました。個人的にはこのミディアムでもうちょっと引っ張って、1ストップを狙いたかったのが本音です。それがもったいないですけど、硬い方のタイヤは僕がとくに使いにくくなっていた。ソフトタイヤでのペースはよかったけれどもで、やはりミディアムでうまく走れなかったのが残念でした。そういう意味では厳しいレースではあったけれども、ポイントを獲れてよかったし、チームにも感謝したいです」

「8戦ぶりの入賞ですが、満足というよりもなんとか仕事ができてよかったという思いが強い。ホっとしている場合ではないし、次のブラジルが今年の最終戦なので、なんとかこのポジションを守れるようなパフォーマンスを見せたいなと思います。みなさま応援よろしくお願いいたします」

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / ザウバーF1チーム