F1日本GP:鈴鹿サーキットでオーバーテイクが難しい理由

レース中、オーバーテイクがほとんどなかったため、多くのファンが「大きな出来事のないレース」と評した。 それでは、日本グランプリでオーバーテイクがほとんどなかった理由を見ていこう。
ダーティエアとDRSゾーンの不足により、サイドバイサイドのレースが実現しない
鈴鹿サーキットはオーバーテイクが難しいことで有名だ。ドライバーたちがコース上での安全なオーバーテイクができなかったのには、いくつかの理由がある。主な要因はダーティエアだ。鈴鹿はコース幅が狭いため、マシンは多くのダーティエアに直面し、ダウンフォースが不足する。また、コーナーではスリップストリームも活用できない。
ほとんどのコーナーでは2台のマシンが追い越しできるスペースがないため、ドライバーは後続に追いつかれないよう後ろにつかざるを得なかった。 また、トラックの最終シケインも、戦いの少なさの原因となっている。 ダーティエアの影響でマシンはトラックの最終シケインを攻める際に大幅に減速する。
また、このシケインはコース上唯一のDRSゾーンにもつながっている。シケイン出口で勢いがつかないため、DRSの使用率が低くなり、オーバーテイクが難しくなる。
レースウィナーのマックス・フェルスタッペンは、ヘアピンとシケインをクリーンエアの中で完璧に抜け、マクラーレンとの差を維持することができた。彼は、マクラーレンがDRSをうまく活用できなかった理由について次のように語った。
「マクラーレンは僕のDRSに入ろうとしていたが、このサーキットでは周回するのがとても難しい。トラックの温度が低かったことも、僕たちにとって有利に働いたと思う。タイヤの過熱が抑えられたんだ。この結果にはとても満足している」とフェルスタッペンは語った。
トラックの温度が低かったためタイヤの状態を維持しやすかった一方で、DRSの活用不足とスリップストリームの欠如により、日本GPは目立った展開のないレースとなった。

FIAは鈴鹿でのレースを改善するために何ができるだろうか?
鈴鹿サーキットは多くのファンやドライバーが認めるように、カレンダーの中でも最高のサーキットのひとつである。しかし、ホイール・トゥ・ホイールのレースが継続的に欠如しているようであれば、その人気は失われてしまうかもしれない。しかし、これは現在のマシンの時代が原因でもある。
マシンはそれぞれトラックの幅のほぼ半分を占めるため、2台のマシンがトラックでホイール・トゥ・ホイールで競い合うのは難しい。クラッシュしてしまうのを避けるため、どちらかのドライバーが後退しなければならない。現在、オーバーテイクのチャンスはコーナーでのみだが、マシンのサイズが大きいため、コースアウトしやすい。
新しいレギュレーションが鈴鹿サーキットに競争を取り戻すかもしれない。新型マシンは現行のマシンよりも小型になり、2005年当時のマシンに近いものになる。小型のマシンはドライバーがクラッシュを引き起こす心配が少なくなる。さらに、現行のマシンは空力特性に敏感であり、ダーティエアの影響を受けやすくなっている。
トラックベースの改善策としては、最終シケインを右コーナーに変更し、DRSゾーンに繋げることで、より高速化し、DRSを利用したオーバーテイクの機会を増やすことができる。象徴的なヘアピンも、ドライバーが勢いを失わないように、半径を大きくすることができる。
しかし、これらの調整には安全性など、いくつかの懸念事項もある。最終シケインにつながる区間は、130Rカーブがすでに非常にトリッキーである。シケインはドライバーが減速し、ピットストレートに向けて再び加速することを可能にする。これを1つのコーナーに変更すると、コース上でのリスク要因が増える可能性がある。サーキットのヘアピンターンも同様である。
日本グランプリは、一部の人にとっては退屈なものだったかもしれないが、次の週末には再び興奮が最高潮に達するかもしれない。次のレースはサヒールで開催されるバーレーングランプリだ。バーレーン・インターナショナル・サーキットは、広い道路に3つのDRSゾーンがあることで知られており、ドライバー同士の激しい戦いが繰り広げられる。
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