アイザック・ハジャー アロンソの批判に反論「ただ彼が不機嫌なだけ」

アロンソはマリーナベイ市街地レースでハジャーを2度もオーバーテイクすることになった。
1回目は3周目、ヘアピンでインに飛び込み8番手に浮上。2回目は37周目で、ハジャーがエンジントラブルの疑いを抱えており、ターン3の立ち上がりで加速が鈍っていた場面だった。
その時、ハジャーは依然として粘り強くポジションを守っていたが、アロンソは無線で「ヒーロー・オブ・ザ・レース」と皮肉を飛ばし、不満をあらわにした。アロンソは数周のあいだハジャーの後ろに捕まり、およそ5秒を失ったとみられる。
レース後、メディアの前に立ったハジャーは、自らの走りを正当化した。
「僕は彼をコース外に押し出したわけじゃない。クリーンにやったよ」とハジャーは語った。「彼がそのバトルを楽しめなかったなら、それはただの不機嫌ってだけだ。僕にはどうしようもない」
ハジャーが指摘するように、オーバーテイクの際に接触はなく、レーシングブルズのマシンはエンジンの問題を抱えながらもラインを守っていた。21歳の新人は、ベテラン相手にもひるまずにレースを戦い抜いた格好だ。

一方で、アロンソはレース後に語調をやや和らげながらも、ハジャーへの批判を改めなかった。
「彼はエンジンに少し問題を抱えていたようだ。ストレートで遅かった」と44歳のアロンソは語った。「時には、どのバトルで戦うべきか、どのバトルで戦わないべきかを判断する必要がある。おそらくレースの最終結果にとって、間違いなくお互いに良くなかった。特に彼にとってはね」
「だから、ちょっと不要なリスクだったと思う。でもここはシンガポールだし、戦うのが難しいコースだから、彼がベストを尽くしたのは理解できる。でも確かに僕たちはタイムを失ったよ」
さらにハジャーがアロンソを「不機嫌」と評したことを伝えられると、アロンソは次のように答えた。
「時速300kmの動きの中では、少しギリギリな場面もあったけど、誰もが自分のやり方でレースをするものだし、接触があったわけでもない。だから問題ない」とアロンソは述べた。「彼らはとても速いクルマを持っているけど、ポイントはあまり持っていない。だから、それは彼ら自身の問題だ」
しかし、実際にはレーシングブルズはアストンマーティンよりも多くのポイントを獲得している。両チームはコンストラクターズランキングでそれぞれ6位と7位に位置し、レーシングブルズが72ポイント、アストンマーティンが68ポイント。個人でもハジャーは39ポイントを挙げており、アロンソの36ポイントを上回っている。
エンジントラブルを抱えながらも、ハジャーは冷静かつ強気な防御でF1のベテランと渡り合った。経験豊富なアロンソの批判に対しても一歩も引かず、自らの走りを貫いた姿勢は、若手としての存在感を一層際立たせる結果となった。
カテゴリー: F1 / アイザック・ハジャー / フェルナンド・アロンソ / F1シンガポールGP
