インディカー スコット・ディクソン
スコット・ディクソンが、2018年のインディカーのシリーズチャンピオンを獲得した。

カリフォルニアらしい真っ青な快晴の下で開催された2018年インディカーシリーズ最終戦グランプリオブソノマでは、ポールポジションからスタートしたライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)が完ぺきな走りで終始リードを保ち続け、今シーズン2勝目を飾った。85周のうちの80周をリードする完勝は、彼のキャリア18勝目となった。

予選2番手だったポイントリーダーのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、冷静な走りで優勝のチャンスを狙いつつも、タイトルを直接争う相手であるアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)のポジションを睨みながらの走行を続けた。優勝してタイトルを決定づけるのが理想だが、確実にマシンをゴールまで運ぶことが彼と彼のチームにとっては最優先課題だった。そして、過去4回チャンピオンになっているニュージーランド出身のベテランは、完ぺきにその仕事をこなした。5回のチャンピオンシップ獲得は、インディカーシリーズにおける最多記録に並ぶもの。5度のタイトル獲得を果たしているのは、これまでAJ・フォイトだけだった。

スコット・ディクソンの2018年シーズンは、17戦で6位以上が14回という見事なまでに安定したものだった。その上、デトロイト、テキサス、トロントで優勝。彼の優勝回数は44回で、現役ドライバーとしては最多で、インディカー史上では歴代3位にランクされている。彼より多くの勝利を記録しているのは、マリオ・アンドレッティ(52勝)とAJ・フォイト(67勝)だけだ。

スコット・ディクソン(2位 シリーズチャンピオン)
「タイトル獲得はチームの人々のおかげです。ゴールラインを横切るラッキーな仕事を担当しているのは私ですが、彼らのハードワーク無しには成し得ないことなのです。チームオーナーのチップ・ガナッシのためにも、彼のチームのためにも、こうしてタイトルを獲得できたことがうれしくて仕方ありません。彼らには感謝をしても感謝し切れません。チームメートのエド・ジョーンズも本当にがんばってくれました。新スポンサーのサポートにも感謝します。Hondaも驚くべき仕事をし続けてくれています。妻のエマ、そして家に残っている家族にも支えられています。ライバルチームにも感謝したいと思います。Penske、Andretti、彼らとのシーズンを通して激しく戦いました。ロッシは見事でした。彼に今年は本当に苦しめられました。大きな才能を持ったドライバーで、今後多くのタイトルを獲得することになるでしょう。自分がタイトルをまた獲れたなんて、まだ信じることができません」

最終戦でのホンダは、2018年シーズンにおける11勝目を1-2フィニッシュとともに記録した。1994年から参戦しているホンダにとって、これは7回目のマニュファクチャラーズタイトルとなる。また、昨シーズンに続いてホンダの5チームすべてが少なくとも1勝をマークしました。その内訳は、ディクソン(Chip Ganassi Racing)が3勝、ロッシが3勝(Andretti Autosport)、ハンターレイが2勝(Andrfetti Autosport)、ジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorsports)と セバスチャン・ブルデー(Dale Coyne Racing with Vasser/Sullivan)と佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)がそれぞれ1勝を飾った。

ライアン・ハンターレイ(優勝 シリーズランキング4位)
「チームにとってすばらしい優勝となりました。クルーたちがすばらしい仕事をしくれました。マシンは最高でした。最終戦で勝てるのはうれしいことです。信じられないほどうれしい。この勝利をロバート・ウィッケンズに捧げます。彼は今、レースでの負傷と戦っています。インディカーは一つの大きな家族です。私たち全員がロバートとともにあります。彼が今日、レースをしていたら、私をもっと苦しめていたと思います。また、スコット・ディクソンのタイトル獲得を称えたいと思います。彼のパフォーマンスには言葉もありません。5回目のタイトル獲得です。驚くべき偉業です。彼と戦えていることを光栄に感じます。そして、今日彼を倒して優勝できたことを喜びたいですね」

29点差から逆転タイトルを狙ったアレクサンダ・ロッシは、1ラップ目に他車と接触してフロントウイングとタイヤを破損。ピットでそれらを交換し、燃費作戦など多くのことにトライして逆転優勝を狙った。43周目に出されたフルコースコーションによって、ロッシにはわずかながら優勝のチャンスが生まれた。それを活かすべくロッシは11番手から猛チャージを開始し、5番手までポジションを上げてサーキットを沸かせた。しかし、リスタートからの激しい走りでタイヤに負担をかけたためか、レース終盤はペースが下がって7位でゴール。それでもロッシは自己ベストとなるシリーズランキング2位で2018年シーズンを終えた。

アレクサンダー・ロッシ(7位 シリーズランキング2位)
「1ラップ目のアクシデントは、何が起こったのかまだわかっていません。マルコ・アンドレッティが早めにブレーキングをしたためなのか、自分の方が判断を誤ったのか。しかし、起きてしまったことは、起きてしまったこと。ディクソンを逆転するのは、もともと非常に難しかったのです。今シーズン、私たち27号車は本当にがんばりました。最終戦がこのようなものになったのは残念です。ミスの後もチームは奮闘し、私に大きなリカバリーを達成させてくれました。ランキング2位という結果は悔しいものですが、来シーズンに向けて大きなものを築き上げることができたと思います」

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カテゴリー: F1 / インディカー