インディカー ホンダ
第45回目を迎えるグランプリ・オブ・ロングビーチは、ACURAブランドが新しい冠スポンサーとなり、海辺のストリートコースで2019年のインディカー・シリーズ第4戦として開催された。

歴史も規模もアメリカでナンバーワンのストリートレースは、インディアナポリス500マイルに次ぐ人気と知名度を誇り、毎年大観衆が詰め掛けて華やかに開催されている。

快晴の下、ポールポジションからスタートしたアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)は、予選2番手だったスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)からの序盤のアタックを退けると、その先はどんどんと差を広げて行った。

彼のペースはスタートからゴールまで、ソフトタイヤでもハードタイヤでも全く衰えることがなく、85周のレースの80周をリードして優勝を飾った。リズムに乗って走るロッシはライバル勢を全く寄せ付けず、最終的に20秒以上の大差を2位以下につけてゴールラインを通過した。伝統あるストリートレースで連続優勝するのは、1997-1998年のアレックス・ザナルディ(Chip Ganassi Racing)以来となる。

週末3日間のイベントに集まったファンの数は18万7,000人を超えた。グランドスタンドに陣取った満員のファンは、地元カリフォルニア出身ドライバーが見せたすばらしい走りに拍手を送り、彼は声援に応えながらビクトリーレーンへとマシンを進めた。ロッシにとっての今シーズン初勝利は、キャリア6勝目。ポイントスタンディングも4番手から2番手へと浮上した。

ディクソンはトップグループにポジションを保ちながらも、アップダウンの激しいレースを戦った。1回目のピットストップに時間がかかって2番手から4番手へと後退した彼は、目の前から1台がコースオフして3番手に一つ順位を戻したが、2回目のピットストップで燃料補給のトラブルが発生して5番手へとダウン。それでもレースをあきらめずに走り続けた彼は、ピットタイミングが早かったために燃費セーブで苦しむライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)をパスし、3番手を走っていたグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)の背後に迫った。レイホールはディクソンの目の前でゴールしたが、ブロッキングのペナルティーを科され、ディクソンが3位で表彰台に上ることとなった。今年3回目となるトップ3フィニッシュをディクソンは果たし、ACURAグランプリ・オブ・ロングビーチの表彰台には、優勝したロッシと3位のディクソン、2人のHondaドライバーが登壇した。

ハンターレイはレイホールの後ろの5位。先週のHondaインディ・グランプリ・オブ・アラバマで優勝した佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は8位。ジェームズ・ヒンチクリフ(Arrow Schmidt Peterson Motorsports)は9位。そして、ルーキーのフェリックス・ローゼンクビスト(Chip Ganassi Racing)が4戦で3回目のトップ10フィニッシュとなる10位でのゴールを果たした。

Hondaにとって今年のロングビーチは20回目で、14回目の勝利。これは2017年からの3年連続優勝となる。また、Hondaは2019年シーズンの開幕4戦で3勝目を挙げることともなった。

アレクサンダー・ロッシ(優勝)
「激しいファイトになるだろうと考えていましたが、チームが用意してくれたマシンが本当にすばらしく、Andretti Autosportにとっての200勝目を飾ることができました。スタートからゴールまでレースを完全に支配下に置く圧倒的なパフォーマンスで、ACURAグランプリ・オブ・ロングビーチというビッグイベントで優勝できました。記念すべき優勝にふさわしい勝ち方ができ、最高の気分です。信じられないような1日で、特別な勝利となりました。この勝利は昨日亡くなった祖父、そして私たちのチーム・オーナーのマイケル・アンドレッティに捧げたいと思います」

佐藤琢磨(8位)
「厳しいレースでした。8番グリッドからスタートし、最初の2スティントではシモン・パジェノーとのバトルになりました。2回目のピットタイミングをずらすことで彼の前に出ることをトライしたのですが、逆にウィル・パワーに先行を許すことになりました。今日のレースはフルコースコーションがスタート直後しかなく、自分としては全力で走り続け、マシンのバランスを向上させるよう奮闘しました。最後のスティントではハードタイヤを選ばざるを得ませんでした。ソフトタイヤの方が速いことは分かっていましたが、私たちのマシンはソフトタイヤでのバランスがよくできていなかったためです。このレースの後、私たちはインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースとオーバルコースでテストを行います。これから訪れる5月は、いつでもインディカーにとって本当にエキサイティングなものになります。今シーズンのここまでのいい勢いを持ち込み、いいテストを行い、それがいい結果につながっていくことと期待しています」

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カテゴリー: F1 / インディカー