インディカー:ホンダ 2022年 第15戦 ゲートウェイ 決勝レポート…佐藤琢磨は5位
ミズーリ州の大都市セントルイス近郊にあるワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイで開催されたインディカー・シリーズ第15戦において予選13番手だったルーキーのデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)が2位でゴールし、キャリア初の表彰台にデビュー15戦目にして上がった。

全長1.25マイルの非対称オーバルコースでのレースは、悪天候を避けるべく予定より30分早い夕方5時過ぎにスタートが切られたが、残り周回数が50周を切ってから雨に見舞われ、赤旗中断とされた。

幸いにも雨は短時間で上がり、懸命の乾燥作業が施された結果、2時間以上をかけて乾燥作業が行われ、夜9時過ぎにリスタートが切られた。

陽が完全に沈み、気温も路面温度も大幅に降下した、赤旗前とは明らかに異なるコースコンディションでのレースには残り36周でグリーンフラッグが振り下ろされた。

レース再開時に5番手につけていたデビッド・マルカスは、残り30周でポイントリーダーのウィル・パワー(シボレー)を抜いて4番手に浮上した。雨による中断の間もグランドスタンドの下などでレース再開を辛抱強く待っていたファンは、20歳のマルカスの目覚ましい追い上げに気づき、彼がランキング7番手のパト・オワード(シボレー)もパスして3番手にポジションを上げると大歓声を上げた。その応援の声に応え、マルカスは最後の10周でトップ争いに急接近。最終ラップにスコット・マクラフリン(シボレー)を抜き去り、ウイナーとなったジョセフ・ニューガーデン(シボレー)に0.4708秒まで迫って2位でゴールした。

今年のインディ500でルーキー最上位の16位フィニッシュを果たしたデビッド・マルカスは、これまでに3回のトップ10フィニッシュを記録してきた。ルーキーオブザイヤー争いは、マルカスと同じく2位でのフィニッシュを一度記録しているクリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)が第15戦終了時点でリードしており、マルカスが今回の2位フィニッシュで彼に11点差に迫った。

佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は予選8番手から6~7番手をキープして周回を重ね、レースがこう着状態に入ったとみて2回目のピットストップを予定より20周ほども早く行った。この作戦が功を奏し、佐藤琢磨は127周目にトップに躍り出て、ハイペースを保ち続け、2番手以下に6秒以上の差をつけた。148周目までトップを走り続けた佐藤琢磨でしたが、アクシデントによるフルコースコーションが出され、ペースカーランの間に3回目のピットストップを敢行し、ポジションを8番手まで下げた。そこから佐藤琢磨は上位陣でのバトルで3台をパスし、今シーズンの自己ベストとなる5位でのフィニッシュを成し遂げた。

ポイント2番手で今回のシリーズ第15戦を迎えていたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は8位、ポイント3番手だったマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)は7位、ポイント5番手だったアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)は9位でゴール。

2022年シーズンも残すところ2戦となggzが、チャンピオン争いではスコット・ディクソンがトップと14点差の3番手、マーカス・エリクソンがトップと17点差の4番手、アレックス・パロウはトップと43点差の5番手につけている。

インディカー・シリーズは1週末のインターバル後、アメリカの西海岸へと移動してオレゴン州ポートランドのロードコースで第16戦を開催する。

デビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)
「本当にいいレースでした。今日のマシンは速いとスタート前から確信していましたが、レースが進むに連れてマシンはどんどんよくなっていきました。赤旗による中断があり、昨日のファイナルプラクティスと同じ時間帯までレースがずれ込みました。僕たちのマシンはライバル勢に比べ、温度の下がったコンディションでさらに高い能力を発揮しているようでした。赤旗中断中は、頼むからグリーンフラッグでレースを再開して欲しいと願っていました。トップグループで走るベテラン勢は、いかにしてポジションを守るのか、どのように相手のラインをブロックするかを知ってます。彼らをパスするのはたいへんでした。今日もチームが本当にすばらしい仕事をしてくれました。それが結果につながりました。チームのクルーたちには、今日のようないい結果を手にする資格があります。本当にいいレースでした」

佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)
「僕たちはこのコースでいつもエキサイティングなレースを戦うことができます。今年もそうなりました。観客の皆さんにとってもファンタスティックなレースになっていたと思います。僕としてはHondaにトップ5フィニッシュをもたらすことができ、とてもうれしいと感じています。しかし、もう少し協力をして欲しいと感じた点もありました。残念ながら、数周の周回遅れになっていながら、僕たちに進路を譲ってくれないドライバーがいました。それがなければあと1つか2つ、上位でゴールすることができていたと思います。いずれにせよ、僕のHPDに対する感謝の気持ち、僕たちが今回手に入れたすばらしい結果に変わりはありません」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / インディカー