インディカー:ホンダ 2022年 第7戦 デトロイト 決勝レポート
インディ500の翌週はミシガン州デトロイトでのストリートレースというのがインディカー・シリーズでは恒例となっている。ベルアイルという島の公園内に作られるバンピーかつハイスピードなコースでのレースでは、アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)が2位、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が3位でゴールし、Hondaドライバー2人が表彰台に上った。
インディカー・シリーズのストリートコースとロードコースにおいては、ソフトとハードの両タイヤをレース中に使うことが義務づけられているが、それぞれをどのタイミングで、どれほどの周回に渡って使うのかが今年のデトロイトグランプリでは大きなポイントとなっていた。レースでトップ3フィニッシュして表彰台に上った3人のドライバーたちは、それぞれが独自の作戦で戦っていた。ウイナーは2ストップ作戦でスタート、レース中盤をハードタイヤを戦い、最後にソフトタイヤを装着した。それに対して2位となったアレクサンダー・ロッシは、11番グリッドから優勝を目指すためには変則的な3ストップ作戦が必要と考え、ソフトタイヤで走るのをスタート後の4周だけとした。5周目からゴールまで、アレクサンダー・ロッシは安定感の高いハードタイヤを続けて投入して大逆転優勝を狙い、目標達成にあと一歩のところまで行き、今シーズン初の表彰台に上がった。
そしてスコット・ディクソンはハードタイヤでスタートし、ソフトタイヤをレースの中盤に使う2ストップ作戦で予選9番手からの3位フィニッシュを果たした。
レース終盤のアレクサンダー・ロッシの追い上げは非常にエキサイティングだった。最後のピットストップを終えてコースに戻った時に15秒あった差が、20周ほどで1秒にまで縮まった。最終ラップの後半には大逆転があるかもしれない、という距離までトップ2台が接近し、彼らのバトルは集まった観客を大いに沸かせていた。
アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)は予選で18番手だったが、レースでは12ものポジションアップを実現して6位でのフィニッシュを達成した。彼のチームメートで今年のインディ500ウイナーとなったマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)も7位でゴールしている。また、コルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)が8位、シモン・パジェノー(Dale Coyne Racing with RWR)が9位と、Hondaドライバー6人がデトロイトではトップ10入りを果たした。そして、予選で6番手に食い込む大活躍をしたルーキーのデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)が、インディカー・シリーズでは自身初となるファステストラップを記録した。彼のフィニッシュはトップ10圏外の11位だったが、先週のインディ500から2週連続でルーキー最上位フィニッシュを記録した。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は、予選2番手でフロントローからスタートし、序盤戦ではトップ5にポジションをキープしていた。しかし、ソフトタイヤのグリップ低下が激しかったことから作戦を急きょ変更して9周でピットストップに向かった。そこで装着したハードタイヤでもペースを上げることができず、33周目を終えたところで2回目のピットストップを敢行。そこからゴールまででは速いペースを保つことができていましたが、50周目の3回目のピット作業でタイムロスがあり、13位でのゴールとなった。
アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)
「あと1周あったら違った結果になっていたかもしれませんね。しかし、今日はチーム、そしてHondaにとってすばらしい1日になったと思います。僕たちのチームは毎年このレースで最速のマシンを手にしているのですが、なぜだか勝つことができていません。ご覧の通り、今日のレースでは優勝したウィル・パワー(シボレー)が驚くべき仕事をしていました。僕たちは2位という結果を受け入れ、次戦のロードアメリカへと向かいます」
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)
「デトロイトでの決勝日は厳しい1日になりました。予選でフロントローにグリッドを獲得できたのはとてもうれしかったですし、当然、自分たちはレースもすばらしいものになることを望んでいました。しかし、僕たちはソフトタイヤでの走りを目指すレベルに届かせることができていませんでした。グリップ低下が大きく、ハードタイヤ装着時と比べてタイムロスが大きくなっていました。そのような戦いなったのは正直なところ予想外でした。結果的に僕たちは3ストップでゴールを目指さねばならなくなり、1回多いピットストップを行ったことでも順位に影響しました。全体を振り返ると、僕たちのチームは週末を通じてすばらしい仕事をしてくれました。僕たちにスピードがあることは見せることができたので、この勢いを次のロードアメリカにつなげたいと思います」
カテゴリー: F1 / インディカー
インディカー・シリーズのストリートコースとロードコースにおいては、ソフトとハードの両タイヤをレース中に使うことが義務づけられているが、それぞれをどのタイミングで、どれほどの周回に渡って使うのかが今年のデトロイトグランプリでは大きなポイントとなっていた。レースでトップ3フィニッシュして表彰台に上った3人のドライバーたちは、それぞれが独自の作戦で戦っていた。ウイナーは2ストップ作戦でスタート、レース中盤をハードタイヤを戦い、最後にソフトタイヤを装着した。それに対して2位となったアレクサンダー・ロッシは、11番グリッドから優勝を目指すためには変則的な3ストップ作戦が必要と考え、ソフトタイヤで走るのをスタート後の4周だけとした。5周目からゴールまで、アレクサンダー・ロッシは安定感の高いハードタイヤを続けて投入して大逆転優勝を狙い、目標達成にあと一歩のところまで行き、今シーズン初の表彰台に上がった。
そしてスコット・ディクソンはハードタイヤでスタートし、ソフトタイヤをレースの中盤に使う2ストップ作戦で予選9番手からの3位フィニッシュを果たした。
レース終盤のアレクサンダー・ロッシの追い上げは非常にエキサイティングだった。最後のピットストップを終えてコースに戻った時に15秒あった差が、20周ほどで1秒にまで縮まった。最終ラップの後半には大逆転があるかもしれない、という距離までトップ2台が接近し、彼らのバトルは集まった観客を大いに沸かせていた。
アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)は予選で18番手だったが、レースでは12ものポジションアップを実現して6位でのフィニッシュを達成した。彼のチームメートで今年のインディ500ウイナーとなったマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)も7位でゴールしている。また、コルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)が8位、シモン・パジェノー(Dale Coyne Racing with RWR)が9位と、Hondaドライバー6人がデトロイトではトップ10入りを果たした。そして、予選で6番手に食い込む大活躍をしたルーキーのデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)が、インディカー・シリーズでは自身初となるファステストラップを記録した。彼のフィニッシュはトップ10圏外の11位だったが、先週のインディ500から2週連続でルーキー最上位フィニッシュを記録した。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は、予選2番手でフロントローからスタートし、序盤戦ではトップ5にポジションをキープしていた。しかし、ソフトタイヤのグリップ低下が激しかったことから作戦を急きょ変更して9周でピットストップに向かった。そこで装着したハードタイヤでもペースを上げることができず、33周目を終えたところで2回目のピットストップを敢行。そこからゴールまででは速いペースを保つことができていましたが、50周目の3回目のピット作業でタイムロスがあり、13位でのゴールとなった。
アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)
「あと1周あったら違った結果になっていたかもしれませんね。しかし、今日はチーム、そしてHondaにとってすばらしい1日になったと思います。僕たちのチームは毎年このレースで最速のマシンを手にしているのですが、なぜだか勝つことができていません。ご覧の通り、今日のレースでは優勝したウィル・パワー(シボレー)が驚くべき仕事をしていました。僕たちは2位という結果を受け入れ、次戦のロードアメリカへと向かいます」
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)
「デトロイトでの決勝日は厳しい1日になりました。予選でフロントローにグリッドを獲得できたのはとてもうれしかったですし、当然、自分たちはレースもすばらしいものになることを望んでいました。しかし、僕たちはソフトタイヤでの走りを目指すレベルに届かせることができていませんでした。グリップ低下が大きく、ハードタイヤ装着時と比べてタイムロスが大きくなっていました。そのような戦いなったのは正直なところ予想外でした。結果的に僕たちは3ストップでゴールを目指さねばならなくなり、1回多いピットストップを行ったことでも順位に影響しました。全体を振り返ると、僕たちのチームは週末を通じてすばらしい仕事をしてくれました。僕たちにスピードがあることは見せることができたので、この勢いを次のロードアメリカにつなげたいと思います」
カテゴリー: F1 / インディカー