インディカー:アレックス・パロウが今季3勝目でランキング首位奪還!
インディカー:アレックス・パロウが今季3勝目でランキング首位奪還! 佐藤琢磨は12位 / 第14戦ポートランド
2021年のインディカーシリーズが3週間のインターバルの後、オレゴン州ポートランドで再開された。レース中の気温が摂氏22℃と、アメリカ北西部でのレースは初秋を感じさせるものとなっていた。
今シーズンを締め括る最後の3レースは、アメリカ西海岸での3連戦。その最初のレースがポートランド・インターナショナル・レースウェイで開催され、スタート直後の混乱で遅れをとりながらも、その不利を跳ね除けたアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が今シーズン3勝目を飾った。
また、アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)が2位、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が3位、ジャック・ハーヴィー(Meyer Shank Racing)が4位とホンダのドライバーとチームが上位4ポジションを独占した。
アメリカの西海岸でも北部に位置するオレゴン州とワシントン州を隔てる大河、コロンビア川沿いのオレゴン州サイドに全長1.964マイルのポートランド・インターナショナル・レースウェイはある。フラットな河川敷にレイアウトされたコースは、長いメインストレートの先のシケイン状のターン1、2で勝敗を決するアクシデントがこれまでにも数多く発生してきているが、今年もそれは例外ではなかった。
予選でキャリア初のポールポジションを獲得したパロウが、スタート直後のストレートで予選3番手だったディクソンにインサイドを奪われ、彼らはチームメート同士で並んでターン1をクリアするところだった。しかし、予選4番手だったフェリックス・ローゼンクビスト(シボレー)の減速が不十分でディクソンの左後輪にヒット。チャンピオン争いを行っているディクソンとパロウ、2人がそろってターン1を曲がれない事態に陥った。この時、後方集団でも複数のマシンによるアクシデントが発生したため、レースはスタート直後から長いフルコースコーションとされた。
回避路を通ってレースに復帰したことでポジションを大きく落とすことになったディクソンとパロウは、このイエロー中に急きょ作戦を変更し、燃料補給を行った。この判断が結果的に正しく、仕上がりのいいマシンが持つスピードが高かったことによって、彼らは着々とポジションをばん回して行った。
勝負を分けたのはレース終盤のピットストップと、そのタイミングだった。パロウはここでの駆け引きでディクソンの前に出ることに成功した。一方のディクソンは、パロウより1周長く走ってからピットイン。コースに戻るとパロウが先行しており、ロッシにパスされて3番手に後退した。
110周のレースのラスト25周でトップに躍り出たパロウに、ディクソンとのバトルを制したロッシが渾身のアタック。Hondaドライバー2人によるとても見応えのある優勝争いは、一時、その差が0.5秒に縮まったが、プレッシャーをかけられてもパロウがミスを犯すことはなく、シーズン3勝目、キャリア3勝目へと逃げきり、ポイント争いで再びトップに返り咲いた。今シーズン最初の3勝目を記録するドライバーとなったパロウは、残すところ2戦で25ポイントのリードを持つことなった。
ホンダ勢はトップ4だけでなく、マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が7位、コルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)が8位、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が10位でゴール。7人がトップ10でのフィニッシュを果たした。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、マシントラブルからプラクティス1をほとんど走れないという大きな不利を抱えたが、予選でもファイナルプラクティスでもマシンに手応えを感じていた。彼は26番グリッドからのスタートでもオーバーテイクを重ねて順位を上げて行く戦いができると確信してレースに臨んだ。
スタート直後の混乱をくぐり抜けた佐藤琢磨は、11周目のリスタートを12番手で迎えた。14ものポジションアップをしてみせた彼は、好燃費とスピードを両立させて1回目のピットストップまでにできる限り多くのラップを重ねることを目指し、39周目にピットに向かった時には2番手を走行していた。
しかし、その後に出されたフルコースコーションによって、2回のピットストップで110ラップを走り切る戦略を採っていた佐藤琢磨のアドバンテージは消え、ポジションダウンを余儀なくされた。それでも、佐藤琢磨は数々のバトルで強敵たちのオーバーテイクも成功させ、スタートより14ポジションアップの12位でフィニッシュした。シーズン終盤に向けて、佐藤琢磨と彼らのチーム、Rahal Letterman Lanigan Racingのロードコース用マシンセッティングは戦闘力を高めてきていますから、残り2レースが楽しみだ。
インディカーシリーズは次の日曜日、カリフォルニア州の大西洋岸の街モントレーにあるラグナセカ・レースウェイでシーズン最終3連戦の2戦目を行う。
アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)
「スタート直後の多重事故については、まだリプレイを見ていないので、それを見る必要があります。アクシデントによってポジションを下げることとなりましたが、私たちは集中を失いませんでした。レースは長いことを理解していたからです。110周もあれば、インディカーシリーズではどんな逆転劇があっても不思議はありません。そして実際に私たちは驚くべき戦略によって成功を収めました。HPDが私たちの必要とするエンジンパワーを与えてくれていました。チームのパートナーたち、そして私たちのチームをとても誇りに思います。チーム全体がすばらしい働きをしてくれました。戦略、ピットストップ、すべてが最高だったことで、スタートで不運に見舞われたにも関わらず、私たちは勝つことができました。そのことを誇りと感じます」
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)
「後方グリッドからスタートしたことを考えれば、今日の私たちはいいレースを戦えたと思います。2ストップ作戦にチャレンジしましたが、私たちは1タンクで最も多くの周回を重ねることができていました。上位チームの中には、今日のレースで序盤にラッキーなピットストップを行うチャンスに恵まれたところがありました。彼らはそこで新しいタイヤを装着するなどのアドバンテージも手に入れていました。そうしたこともあったため、私たちは多くのポジションを取り返すことができませんでした。できることならトップ10でゴールしたかったですね。そうはできませんでしたが、今日の私たちは力強いパフォーマンスを見せることができていたと思います。ピットクルーもがんばってくれました。ロードコースで目覚ましいスピードを発揮できた。それは私たちのチームにとって非常にポジティブなことです。残り2戦となりますが、その戦いを私たちは楽観できる状況になっています」
カテゴリー: F1 / インディカー
2021年のインディカーシリーズが3週間のインターバルの後、オレゴン州ポートランドで再開された。レース中の気温が摂氏22℃と、アメリカ北西部でのレースは初秋を感じさせるものとなっていた。
今シーズンを締め括る最後の3レースは、アメリカ西海岸での3連戦。その最初のレースがポートランド・インターナショナル・レースウェイで開催され、スタート直後の混乱で遅れをとりながらも、その不利を跳ね除けたアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が今シーズン3勝目を飾った。
また、アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)が2位、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が3位、ジャック・ハーヴィー(Meyer Shank Racing)が4位とホンダのドライバーとチームが上位4ポジションを独占した。
アメリカの西海岸でも北部に位置するオレゴン州とワシントン州を隔てる大河、コロンビア川沿いのオレゴン州サイドに全長1.964マイルのポートランド・インターナショナル・レースウェイはある。フラットな河川敷にレイアウトされたコースは、長いメインストレートの先のシケイン状のターン1、2で勝敗を決するアクシデントがこれまでにも数多く発生してきているが、今年もそれは例外ではなかった。
予選でキャリア初のポールポジションを獲得したパロウが、スタート直後のストレートで予選3番手だったディクソンにインサイドを奪われ、彼らはチームメート同士で並んでターン1をクリアするところだった。しかし、予選4番手だったフェリックス・ローゼンクビスト(シボレー)の減速が不十分でディクソンの左後輪にヒット。チャンピオン争いを行っているディクソンとパロウ、2人がそろってターン1を曲がれない事態に陥った。この時、後方集団でも複数のマシンによるアクシデントが発生したため、レースはスタート直後から長いフルコースコーションとされた。
回避路を通ってレースに復帰したことでポジションを大きく落とすことになったディクソンとパロウは、このイエロー中に急きょ作戦を変更し、燃料補給を行った。この判断が結果的に正しく、仕上がりのいいマシンが持つスピードが高かったことによって、彼らは着々とポジションをばん回して行った。
勝負を分けたのはレース終盤のピットストップと、そのタイミングだった。パロウはここでの駆け引きでディクソンの前に出ることに成功した。一方のディクソンは、パロウより1周長く走ってからピットイン。コースに戻るとパロウが先行しており、ロッシにパスされて3番手に後退した。
110周のレースのラスト25周でトップに躍り出たパロウに、ディクソンとのバトルを制したロッシが渾身のアタック。Hondaドライバー2人によるとても見応えのある優勝争いは、一時、その差が0.5秒に縮まったが、プレッシャーをかけられてもパロウがミスを犯すことはなく、シーズン3勝目、キャリア3勝目へと逃げきり、ポイント争いで再びトップに返り咲いた。今シーズン最初の3勝目を記録するドライバーとなったパロウは、残すところ2戦で25ポイントのリードを持つことなった。
ホンダ勢はトップ4だけでなく、マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が7位、コルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)が8位、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が10位でゴール。7人がトップ10でのフィニッシュを果たした。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、マシントラブルからプラクティス1をほとんど走れないという大きな不利を抱えたが、予選でもファイナルプラクティスでもマシンに手応えを感じていた。彼は26番グリッドからのスタートでもオーバーテイクを重ねて順位を上げて行く戦いができると確信してレースに臨んだ。
スタート直後の混乱をくぐり抜けた佐藤琢磨は、11周目のリスタートを12番手で迎えた。14ものポジションアップをしてみせた彼は、好燃費とスピードを両立させて1回目のピットストップまでにできる限り多くのラップを重ねることを目指し、39周目にピットに向かった時には2番手を走行していた。
しかし、その後に出されたフルコースコーションによって、2回のピットストップで110ラップを走り切る戦略を採っていた佐藤琢磨のアドバンテージは消え、ポジションダウンを余儀なくされた。それでも、佐藤琢磨は数々のバトルで強敵たちのオーバーテイクも成功させ、スタートより14ポジションアップの12位でフィニッシュした。シーズン終盤に向けて、佐藤琢磨と彼らのチーム、Rahal Letterman Lanigan Racingのロードコース用マシンセッティングは戦闘力を高めてきていますから、残り2レースが楽しみだ。
インディカーシリーズは次の日曜日、カリフォルニア州の大西洋岸の街モントレーにあるラグナセカ・レースウェイでシーズン最終3連戦の2戦目を行う。
アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)
「スタート直後の多重事故については、まだリプレイを見ていないので、それを見る必要があります。アクシデントによってポジションを下げることとなりましたが、私たちは集中を失いませんでした。レースは長いことを理解していたからです。110周もあれば、インディカーシリーズではどんな逆転劇があっても不思議はありません。そして実際に私たちは驚くべき戦略によって成功を収めました。HPDが私たちの必要とするエンジンパワーを与えてくれていました。チームのパートナーたち、そして私たちのチームをとても誇りに思います。チーム全体がすばらしい働きをしてくれました。戦略、ピットストップ、すべてが最高だったことで、スタートで不運に見舞われたにも関わらず、私たちは勝つことができました。そのことを誇りと感じます」
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)
「後方グリッドからスタートしたことを考えれば、今日の私たちはいいレースを戦えたと思います。2ストップ作戦にチャレンジしましたが、私たちは1タンクで最も多くの周回を重ねることができていました。上位チームの中には、今日のレースで序盤にラッキーなピットストップを行うチャンスに恵まれたところがありました。彼らはそこで新しいタイヤを装着するなどのアドバンテージも手に入れていました。そうしたこともあったため、私たちは多くのポジションを取り返すことができませんでした。できることならトップ10でゴールしたかったですね。そうはできませんでしたが、今日の私たちは力強いパフォーマンスを見せることができていたと思います。ピットクルーもがんばってくれました。ロードコースで目覚ましいスピードを発揮できた。それは私たちのチームにとって非常にポジティブなことです。残り2戦となりますが、その戦いを私たちは楽観できる状況になっています」
カテゴリー: F1 / インディカー