HRT
HRTの新CEOに就任したサウル・ルイスが、2012年マシン「F112」の開発状況やスペインへの本拠地移転など、HRTの今後の展開について語った。

シーズン途中で加入したことで難しいスタートだったに違いありません。HRTでの5ヶ月間をどのように評価しますか?
評価はポジティブだ。多くの仕事があり、タフな数ヶ月であったことを否定するつもりはないが、プロジェクトに加わってから、我々は常に自分達自身を確立し、競技面で改善させるために安定性や生存能力といったいくつかのプライオリティについて話してきた。

我々はそれを成し遂げていると思う。取り組まなければならないエリアはたくさんあるし、カバーしなければならない様々なことがあるので、簡単なタスクではないが、判断、決定、アクションといった点で我々は良い仕事をしていると思う。

目標には到達していますか?
途中ではあるが、達成していると言いたい。今年やれることはそれほど多くなかったが、働く環境、チームの状況、長所と短所を深く理解することにこの数ヶ月を費やしてきた。あらゆることを評価し、チームが来年さらに前進するために必要なことを確認することができた。予算がタイトな小規模チームでは、可能な限り最適な方法でリソースを活用しなければならない。簡単なことではないが、我々は進歩を続けている。最初に我々は、2012年マシン、本拠地、ドライバーという3つの目標に集中してきた。そして、その3つのエリア全てで堅実に進歩している。数週間前、我々はウィリアムズとの技術契約の拡大を発表した。ギアボックスだけでなくKERSも供給されることで、来シーズン我々をさらに良い位置へと導いてくれるだろう。本拠地に関しては、スペインに全ての部門をまとめられる本拠地を構えることに取り組んでいる。そして、来シーズンのHRTのドライバーとしてペドロ・デ・ラ・ロサを起用することは間違いなくもうひとつの前進だ。

ペドロの加入はチームにとってどのような意味がありますか?
我々にとって、ペドロの加入は優先事項だった。スペイン人ドライバーというだけでなく、彼の品質と経験も望んでいたからね。F1での彼のキャリアがそれを物語っているし、彼が得てきた名声と尊敬はチームにとって非常に重要な付加価値だ。HRTは非常に若いチームだし、前進を続けるために彼の経験やコミットメントを必要としている。ペドロにはそれら全ての特質がある。彼がこれを競争力のあるプロジェクトにするためにコミットしてくれたことを非常に誇りに思っている。

2012年のHRTのマシン開発はどの段階まできていますか?
マシンの設計作業は何ヶ月も続いており、開発ラインはちょっと前に決まった。今日現在、ミュンヘンに技術的なオフィスがあり、デザイン部門と空力部門の両方において、60名以上がF112に取り組んでいる。マシンは2012年に成果をもたらすだろう。達成するには時間と戦いながら頑張らなければならないが、プレシーズンテストで走らせられることを願っている。

最終的にチームの本拠地はスペインになるのですか?
HRTの拠点をスペインに移動してまとめることが我々の目標だというのは否定してこなかった。今日現在、あらゆる要素を考慮すると、それが最適の選択肢だ。今は別々の場所に異なる部門が点在している。チームのライセンスがスペイン国籍であることを踏まえれば、スペインに移動するのは当然の成り行きと言えるだろう。コミュニケーション、ロジスティクス、調整やコストなど、すべての部門が協力することが重要だ。スペインに拠点を置けば、時間と労力の消費を省き、チームに付加価値をもたらせるだろう。加えて、我々はF1の小規模チームのひとつなので、スポンサーに異なるなにかを提供しなければならない。11月1日からバレンシアに実際の業務拠点を置き、そこで最終的なベースが整うまで作業を続けていく。

次のステップは何ですか?
目標に沿った正しい経路を進んでいるが、まだやらなければならない作業はたくさんある。2012年マシンは順調に進んでいるし、新しい拠点に取り組んでいる。シーズンが終了したらドライバーラインナップを完成させたい。来年のスポンサーやパートナー獲得にも必死に取り組んでいる。間もなく最初の発表ができるだろう。また、最近のイベントが人々の信頼を生み出し、我々の方に引きつける助けになってくれることを願っている。スペインや世界各国の経済的な現状が理想的でないことは理解しているが、F1は他に類を見ない世界規模のショーケースであり、我々は他のチームよりも興味深く異なるパノラマを提供できると思っている。

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カテゴリー: F1 / HRT