ナイジェル・マンセル ホンダF1の準備不足を批判「考えが甘かった」
アストンマーティンとホンダの2026年F1プロジェクトに対して、F1界から厳しい視線が向けられている。

1992年F1ワールドチャンピオンのナイジェル・マンセルは、英ブックメーカー『Ace Odds』のインタビューで、開幕4戦を終えて最下位に沈むアストンマーティンの現状に衝撃を受けたと明かし、とりわけホンダの2026年型パワーユニット開発について「考えが甘かった」と準備不足を厳しく指摘した。

2026年の大規模レギュレーション変更で“優勝候補”の一角と目されていたアストンマーティンだが、開幕4戦を終えてコンストラクターズランキング最下位。いまだノーポイントという現実は、パドック全体に衝撃を与えている。

マイアミGPでも状況は改善せず、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはともに周回遅れでフィニッシュ。ホンダ製パワーユニットの振動問題は依然としてチームを苦しめており、シーズン前テストの段階から深刻視されていた問題が、実戦を通じてさらに浮き彫りになっている。

開幕戦オーストラリアGPでは、エイドリアン・ニューウェイが「フェルナンド・アロンソは25周以上連続で走行すると神経損傷のリスクがある」と明かしたことで、F1界に激震が走った。アストンマーティンはオーストラリア、中国で完走すら果たせず、日本GPでようやくアロンソが初完走を記録した。

マイアミではホンダ側が振動低減に一定の進展を見せたことを認めたものの、アストンマーティンは依然として絶対的なパフォーマンス不足を抱えている。

マンセル「誰もがアストンマーティンを優勝候補だと思っていた」
マンセルは現在の状況に強い驚きを示した。

「F1界全体がショックを受けていると思う。レース界全体がショックを受けている」

「正直に言えば、僕自身を含めて誰もがアストンマーティンは今年フロントランナーになると思っていた」

「それなのに、彼らが抱えている問題は文字通り壊滅的だ。ドライバーたちが振動に苦しみ、神経損傷の可能性まで抱えて走っているなんて、ほとんど前例がない話だ」

「少し心配だ。本当にそう思う。我々は彼らができるだけ早く問題を克服できることを願っているが、私が聞いている限り、それは短期間では解決しない。かなり長い戦いになるようだ」

ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

ホンダの“準備不足”にも厳しい指摘
マンセルは、ホンダが2026年型パワーユニット開発への着手が遅れたことについても疑問を呈した。

特に、他メーカーより遅れて参戦した状況で競争力を確保できると考えた点について、「考えが甘かった」と厳しく評している。

「少し考えが甘かったとも思う」

「どのエンジンメーカーであっても、他メーカーより1年近く遅れて参入し、それでも競争力を持てると考えるのは甘い」

「私が聞いた話では、以前のエンジニアたちの多くは別プロジェクトへ移っていたらしい。この新プロジェクトへの着手が遅れたことで、彼らは完全に新しいチームでやり直すことになった」

「それは非常に厳しい状況になる」

ホンダは2026年F1レギュレーションでアストンマーティンとのワークス体制をスタートさせたが、現時点ではメルセデスやマクラーレンとの差は極めて大きい。

巨額投資でも“即成功”は保証されなかった現実
アストンマーティンは、最新鋭ファクトリーへの巨額投資、エイドリアン・ニューウェイ加入、ホンダとのワークス提携など、近年のF1でも最大規模のプロジェクトを推進してきた。

しかし2026年シーズン序盤は、その期待とは真逆の展開となっている。

マンセルは最後に、長期的な視点では復活の可能性があるとしながらも、現在の苦境に対する落胆を隠さなかった。

「もし彼らに継続する力と忍耐があるなら、最終的にはうまくいくだろう」

「だが、その過程は失望の連続になる。ひとりのレースファンとして、私は本当に残念に思っているし、彼らのためにも、ファンのためにも、この苦しみを見るのはつらい」

ヨーロッパラウンド開幕を目前に控える中、アストンマーティンは依然として“サバイバルモード”から抜け出せていない。信頼性、ドライバビリティ、そして純粋な速さ――すべてが課題として残されたままとなっている。

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / アストンマーティンF1チーム