ホンダF1 「タイトル争いのベースはマクラーレン時代に出来上がったもの」
ホンダF1のラストシーズンは大成功を収め、マックス・フェルスタッペンが自身初のF1ワールドチャンピオンを獲得し、ホンダF1にとっては1991年以来のアイルトン・セナ以来となるとチャンピオンシップを獲得した。

マックス・フェルスタッペンがF1アブダビGPで優勝したレースを最後にレッドブル/アルファタウリのエンジンサプライヤーであるホンダはF1を撤退。同社の最高経営責任者である三部敏宏は、2015年にF1復帰した際に設定した目標を最終的に達成しすることができたと語った。

「2019年からともに戦い続けてきたフェルスタッペン選手とレッドブル・レーシングの皆様に祝福と感謝の気持ちをお伝えするとともに、これまでホンダのF1プロジェクトに対し多大なるサポートをいただいたスクーデリア・アルファタウリやサプライヤー様ならびに関係者の皆様、そしていつもホンダ F1を応援して下さるファンの皆様に御礼申し上げます」と三部敏宏はコメント。

「また、ホンダにとっても悲願であるF1タイトルを獲得し、ホンダの歴史に新たな1ページを記すことができました。F1で王者になることを目標に地道な研究開発を続け、数々のブレイクスルーを果たしてきたてきたHRD-SakuraやHRD-UKなどのプロジェクトに携わったすべてのメンバーに対しては、『本当によくやってくれた!ありがとう』という思いでいっぱいです」

しかし、2008年にF1を去り、2015年にマクラーレンのワークスパートナーとしてF1復帰した後、ホンダにとってすべてが順調に進んだわけではなかった。ホンダF1のマネージングディレクターを山本雅史は、マクラーレンとの激動の3シーズンでの学習が2021年のチャンピオンシップの勝利に貢献したと語った。

「チャンピオンシップ争いができるところまで来ましたが、そのベースは、マクラーレン時代に出来上がったものです。あの時期に多くのことができるようになっていました。当時、僕らはお互いをリスペクト過ぎた部分もあり、歩みは決して速くなかった。でも、そこから多くのことを学んで、レッドブルと組むようになってからは、開発を加速させられるようになっていました」と山本雅史はコメント。

「一番印象に残っているのは、2017年スペインGPの予選ですね。あれは鳥肌が立ちました。僕らにとってはその年のQ3初進出で、7番手となったフェルナンド(アロンソ)のパフォーマンスは素晴らしかったです。フェルナンドというドライバーの凄みを感じましたし、一番の思い出と言えるかもしれません」

「そして、これはいいことも悪いことも含んでいますが、MGU-Hのテクノロジーについては、本当に苦労しましたね。マクラーレン時代に学んだことは多くありますし、そこから得たものがあるという点ではいいことでもありますね。大変な苦労でしたが、たくさん勉強になりました」

レッドブル・レーシングとの最高の思い出について山本雅史は「我々のパートナーシップ初戦のオーストラリアGP。ここが僕にとっては一番のハイライトになっています。初戦で表彰台獲得という結果を残せて本当にうれしかったですし、決断は間違っていなかったんだ、このチームと一緒に勝利を目指していけるな、という真の自信が実感できました」とコメント。

「初勝利のオーストリアは、もともと予感があったんです。メンバーには、『今週は勝つからそのつもりで』と言っていて、マックスがフリー走行でクラッシュしましたけど、初日から初勝利を挙げたときの準備を進めていました。そういう意味では、オーストリアは何も驚かなかったですね。もちろんうれしさはありましたが、オーストラリアの表彰台は、いきなりそんな結果が出るとは思っていなかった分、すごく感動的な瞬間になりました」

「やはり、勝利は別格ですよ」

ホンダF1との章を終え、レッドブル・レーシングは、2022年からホンダの既存のF1パワーユニットを採用し、レッドブル・パワートレインズの名の下でフルワークチームとして進む最初の年に挑む。

「最重要課題は今季のチャンピオンシップを勝ち取ることですが、来年もレッドブルがタイトルを争い、アルファタウリが上位に食い込めるようにすることも大切です。それが、ファンの皆さんも、チームも、そして私たちホンダF1にとってもハッピーにつながるので、重要ですし集中して取り組んでいかなければなりません」

「僕ら全員が心の底からファンの皆さんへ感謝しています。厳しい時期もありましたが、それでも応援し続けてくれて、多くのパワーをもらいました。ホンダF1だけに限らず、モータースポーツというのはファンの皆さんのサポートがあってのものです。すべてのモータースポーツファンに感謝を捧げます」

F1アブダビGP決勝前の山本雅史のインタビュー


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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / マクラーレンF1チーム