ホンダF1:2021年 第8戦 F1シュタイアーマルクGP 予選レポート
F1シュタイアーマルクGPの予選は、レッドブル・レーシング・ホンダのマックス・フェルスタッペンがポールポジション(PP)を獲得。レッドブル・レーシングにとってのホームグランプリで自身初のPPとなった。

フェルスタッペンは、全ドライバー中唯一となる1分3秒台の圧倒的な走りで、2戦連続のPP獲得。ホンダF1としては83回目のPPとなった。

前日、パワーユニット(PU)にデータ異常が見られたスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは、この日のFP3からMGU-Kを交換。3基目のコンポーネント投入となったが、FP3ではホンダF1パワーユニット勢が全車トップ6入りと好調な流れで予選へと向う。

予選Q1は全車が順当に突破を果たし、フェルスタッペンがトップタイム。角田裕毅が4番手、セルジオ・ペレスが5番手と続く。ガスリーは序盤のアタックでターン10でのトラックリミット違反によりラップタイムが取り消されたものの、その後タイムを出し直して8番手となった。

Q2は、各車のタイムが接近する中でQ3進出をかけた激しい戦いとなった。ペレスはここをトップタイムで通過。ガスリー、角田とともにソフトタイヤでの突破を果たした。フェルスタッペンは、ミディアムタイヤでの突破を果たし、チームメートと異なる戦略でレースに臨む。

Q3では、フェルスタッペンが2回のアタックともに、ただ一人1分3秒台をマーク。1回目のアタックで出した1分3秒841が最速となり、PP獲得を果たした。

ペレスはフェルスタッペンから0.3秒差の5番手となったが、バルテリ・ボッタス(メルセデス)がグリッド降格ペナルティーを受けるため、2列目4番グリッドからのスタート。ガスリーはペレスとわずか0.05秒差の6番手で、5番グリッドとなる。角田は8番手に入ったが、Q3最初のアタックでボッタスの進路を妨害したとして、3グリッド降格のペナルティーが科され、11番グリッドからのスタートとなる。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
今日のシュタイアーマルクGP予選は、レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手が2戦連続でのポールポジション獲得、トップ8にホンダ勢4台が入り、我々にとっていい予選結果になりました。フェルスタッペン選手は、他のマシンが僅差の戦いをする中で素晴らしいパフォーマンスを見せ、ミスのない走りで2位に0.2秒という大きな差をつけました。5番手となったチームメートのペレス選手は、明日のレースではミディアムタイヤでスタートするフェルスタッペン選手とは異なる戦略を採り、ソフトタイヤでのスタートになります。レースがうまい選手ですので、ここからさらにポジションを上げてくれると思います。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は、今日も安定したパフォーマンスでフランスGPに続く予選6番手、チームメートの角田選手も予選8番手と、自身2回目の予選Q3でいい走りをしてくれました。どのドライバーもプラクティスでのロングランのペースはいいので、明日もいいレースができることを期待しています。4台ともにいいポジションでフィニッシュできるよう、最大限の準備を続けていきます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「もちろんレッドブルのホームコースでチームにとって初のポールポジションを獲得できたことは素晴らしいですし、とてもうれしいです。今年は予選のパフォーマンスを大きく改善できています。このサーキットではレースウイークの初めから調子がよかったのですが、それでも予選に向けていくつかの変更は必要でした。特にQ3の1回目のアタックがうまくいったと思っています。このサーキットはコーナーの数は少ないですが、ターン3とターン4の繋ぎのブレーキなど、小さなミスで簡単にコンマ数秒を失うので、うまくラップをまとめるのが難しいです。ここのようにドライバーのコーナーのドライビングの仕方で大きな差がつくサーキットはあまりないので、F1にデビューした当初から好きな場所でした。他のサーキットは、どのようにコーナリングするかについて割とシンプルな場合が多いのですが、ここはいくつも選択肢があり、とても楽しいサーキットです。
明日のレースは、再びかなりの接戦になるはずです。メルセデスはいいマシンを持っていますし、タイヤにも優しいので、僅差のレースを想定しますが、ファンにとっては楽しめるものになると思います」

セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「今日の予選は少し残念に感じています。特にQ1がよくなく、予選全体で妥協を強いられることになってしまいました。Q1の最初のアタックでバランスに満足がいかず、2回目のアタックで2セット目のタイヤを使わざるを得ませんでした。これによって、Q3での最初のラップはユーズドタイヤとなり、そのラップはなかなかよかったのですが、新品タイヤでのアタックは難しいものになってしまい、期待したほどの向上ができませんでした。ここでは非常に僅差となりますし、中団勢も近づいてくるので、最初のアタックで何が起きていたのかをしっかりと分析して反省しなければなりません。明日に向けては僕らにはいい戦略がありますし、ソフトタイヤでのスタートですが、長いレースで、多くの選択肢があるので楽しみです。レースではいい戦いができると信じています。今日もマックスはいい結果で、素晴らしい仕事をしてくれました」

ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「今日はとても満足のいく結果でした。昨日FP2で走れなかったので、簡単にはいかないと思っていましたが、マシンはレースウイークを通じて素晴らしく、自信を持って予選に入れました。その自信を、結果で示せたのではないかと思います。Q1ではタイヤ1セットのみで突破を果たせたのもいいことですし、フロントローからもコンマ数秒の差でした。チームのすべての仕事に満足していますし、ここまで各レースウイークで向上できていることもうれしいです。僕らにとってはエキサイティングな時間ですし、プッシュし続ける必要はありますが、不可能なことはないと思うので、明日が楽しみです」

角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「週末を通してマシンの感触はよく、いい形でステップアップできました。予選では、最初からあまりプッシュしない形で入り、セッションを経るごとに徐々にハードにアタックしていきました。最後のアタックは完ぺきではなかったのですが、Q3に進出できたことはうれしかったですし、正しい方向に進んでいると思います。残念ながら(グリッド降格により)11番グリッドからのスタートになりますが、雨の可能性もあるので、色々なシチュエーションを想定した上でレースに臨みます」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / スクーデリア・アルファタウリ / F1シュタイアーマルクGP