ホンダF1:2021年 第4戦 F1スペインGP 予選レポート
2021年のF1世界選手権 第4戦 F1スペインGPの予選は、レッドブル・レーシング・ホンダのマックス・フェルスタッペンがトップに僅差の2番手でフロントローを獲得しました。

Q1ではコース上が混雑し、最終シケインでは多くのトラフィックが発生した。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は、この状況に加え、最後のアタック時にやや膨らんでグラベル上を通過してしまい、タイムをロス。わずか0.007秒差で16番手となり、Q2進出を逃した。

その他のホンダF1パワーユニット勢3台はトップ6以内につけ、順調にQ1を突破。ピエール・ガスリーは、1回のアタックでQ2進出を決める好アタックを披露した。

Q2では、フェルスタッペンが2番手以下に大きく差をつけてトップタイムをマーク。このアタックのみでQ3進出を果たした。セルジオ・ペレスとガスリーは2度目のアタックを行い、ペレスが5番手で突破、ガスリーは10番手と0.016差の12番手に終わりましたが、明日の決勝ではスタートタイヤを自由に選択できる。

Q3は激しい争いとなり、1度目のアタックでフェルスタッペンがトップと0.036秒差の2番手につける。最終アタックでタイム向上を狙ったものの、フェルスタッペンを含む多くのドライバーが最初のアタックからの更新を果たせず、フロントローの2番グリッドが確定した。

ペレスは最初のアタックのターン13でスピンを喫し、タイムを記録できず。最終アタックにすべてをかけたが、非常に僅差の中で、2列目まで約0.2秒差の8番手で予選を終えた。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日はトップグループ、中団グループともに非常に僅差での予選になりました。その中で、レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手がポールタイムに0.036秒届かず、惜しくも2番グリッドとなりましたが、明日に向けて期待の持てるフロントローを獲得しました。チームメートのペレス選手は8番手といつもよりやや後ろからのスタートになりますが、いつものようにレースでポジションアップを狙っていってくれればと思っています。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2台は、これまで以上に接戦となった戦いの中で、ガスリー選手が今年初めてQ3進出を逃して12番手、角田選手はミスもあり16番手となりました。ガスリー選手はタイヤ選択の自由がありますので、レース戦略を含めて明日は入賞圏内を狙っていけると思っています。角田選手はマシンのバランスにやや苦しんでいる部分もあるようですが、できる限りポジションアップしてフィニッシュしてもらえればと考えています。接戦では小さな差が結果に大きく影響します。持てるポテンシャルを100%発揮することが重要であるのに加えて、ミスは許されませんので、十分に準備を整えて明日のレースに臨みたいと思います」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「僕にとってはいい予選になりました。ミスをせずにラップをまとめられて満足していますし、マシンから最大の力を引き出すことができたと感じました。とても僅差だったものの、あと少し、何かが足りていなかったという部分を認めなければいけません。メルセデスは、一周の速さでは僕らを少し上回っているように見えますが、昨年ここでかなり苦戦したことを考えれば、フロントロー獲得は満足できる結果です。ここではスタートがとても重要で、レースの結果に大きな影響を与えるのは分かっています。だから、そこにフォーカスするのは当然なのですが、レースは長いので、スタートで前に出るのと同じくらい、クリーンに決めたいとも思っています。明日、全力を尽くすのはもちろんですが、レースペースはいいと思うので、彼らを倒せるほどかは分かりませんが、レース中は常にプッシュしていきます」

セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「今日の予選はなかなか難しく、基本的にはよくないセッションになってしまいました。一日を通して、一度もいいラップを走ることができませんでしたし、ひじの痛みがあり、予選も100%の状態ではありませんでした。その中でもQ3に進出できたことは、僕たちのマシンに競争力があることを示していると思います。レースペースは悪くないので、オーバーテイクが難しいこのサーキットで上位ではないポジションからのスタートは残念ですが、上位を争える自信はあります。明日は切り替えてレースに臨み、ダメージを最小限にしながら順位を上げていきたいです。早い段階で上位のマシンに追いつかなくてはいけないので、アグレッシブに攻めていきます。今週末はここまで決していい流れではありません。ただ、過去3レースを振り返ると、最も重要であるマシンの理解も進み、徐々にペースを上げられてきているので、明日もいい戦いができると思っています」

ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「最終的な結果については本当に残念です。今年Q3進出を逃したのは初めてで、それが0.02秒差というのは言葉もありません。マシンバランスについては満足していますが、グリップに苦しんでいます。各所でスライドして、タイヤをオーバーヒートさせてしまうのですが、このコースではそれが大きな影響になります。今年の初めはもう少し競争力がありましたが、それを忘れてもう一度中団の争いをリードするためにどう挽回すればいいかを理解する必要があります。とはいえ、ポイントが決まるのは明日ですし、僕らは12番手からタイヤを選んでスタートできるので、それがレースでのアドバンテージになってくれればと思います」

角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「マシンにはQ2に簡単に進出できるだけの速さがあるだけに、うまくグリップさせることができていないことにフラストレーションを感じています。同じセッティングのときでもチームメートのガスリー選手と僕のマシンに対するフィードバックが大きく違っているので、それがこのマシンの特性なのか、僕たちのドライビングスタイルの違いからきているのかきちんと理解する必要があります。そのうえで、エンジニアとデータをさらに細かく見直してみるつもりです。その部分が理解できれば、このマシンのポテンシャルを最大限引き出すことができるはずです」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1スペインGP / スクーデリア・アルファタウリ