ホンダF1 「特徴的なコースレイアウトを十分にシミュレーションした」と田辺豊治TD / F1サヒールGP プレビュー
ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2020年のF1世界選手権 第16戦 F1サヒールGPへの意気込みを語った。

さまざまな出来事が起こったF1バーレーンGPから間を置かずに、今週末にはまた同じサーキットで、F1サヒールGPが開催される。今回は新たに“外周コース(Outer Track)”のレイアウトが使用され、オーバルコースのようなレースが期待されている。

コース全長は3.543㎞とモナコよりも約200m長い程度で、ブレーキングを行う「コーナー」と呼べる場所は4か所。かなりの高速コースになることが見込まれるため、ラップタイムは60秒を下回る想定となっている。シミュレーターでは1周55秒というデータも出ており、これが実現すれば、1974年に全長3.2㎞のディジョン・サーキットで行われたフランスGPでニキ・ラウダがマークした58秒790のF1最短記録を更新することになる。

また、短いサーキットだけに、特に予選ではトラフィックの対策も重要となる。そして、F1で規定されているレース距離を満たすため、周回数は87周と設定されている。これは、1995年に岡山県のTIサーキット英田(現・岡山国際サーキット)で開催されたパシフィックGPの82周を上回っての史上最多で、記録ずくめのグランプリとなる。

ターン3までは先週使用されたものと同じだが、そこから中速コーナーの続く外周へ入り、通常レイアウトのターン13へと戻ってくるコースとなる。さらに、先週末のレースは日没前にスタートが切られる“トワイライトレース”だったが、このF1サヒールGPは現地時間20:10(日本時間翌4:10)にスタートする完全なナイトレースになる。

「今週末のサヒールGPは、先週と同じバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われますが、アウタートラックを使用することで先週とは異なるコースレイアウトでのレースになります」と田辺豊治はコメント。

「1周約3.5kmという短いコース距離と、ストレートが占める割合の高い特徴的なレイアウト、ラップタイムは1分を切ることが予想されており、テンポの速い展開で先週とは違ったレースの一面が楽しめると思います」

「エネルギーマネージメントやPUのセッティングに関しては、今シーズンいくつも経験してきた初開催サーキットと同様のプロセスを踏んでいくことになります。特徴的なコースレイアウトを十分検討した上でシミュレーションを行っており、そこに実際の走行から得たデータを合わせて迅速に最適化を進めたいと思います」

「コース距離が短いこととストレートの占める比率が高いことから、予選ではトラフィックやトウ(スリップストリーム)の観点からガレージアウトのタイミングがひとつ大きな要素になりそうです。我々としては、まずいつでも走り出せるようにPU側の準備を整えること、またチームとのコミュニケーションが重要になります」

先週末のレース結果によりアストンマーティン・レッドブル・レーシングは、今シーズンのコンストラクターズチャンピオンシップ2位のポジションを確定しました。ダブル表彰台を獲得した先週のよい流れを持続し、残りの2戦をチームとともにプッシュして戦いたいと思います」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1バーレーンGP