ホンダF1:2020年 第3戦 F1ハンガリーGP プレビュー
ホンダF1は、2020年のF1世界選手権 第3戦 F1ハンガリーGPに、レッドブル・レーシング、アルファタウリ・ホンダとともに2チーム4台体制で挑む。

F1ハンガリーGPが開催されるハンガロリンクは、モナコと同様にオーバーテイクの難しいサーキットとして知られており、予選順位がレースに大きく影響する。2019年には、ホンダとしてF1復帰後の初ポールポジションをマックス・フェルスタッペンが獲得。

ホンダF1はハンガリーで過去6勝を挙げており、2006年にはジェンソン・バトンのキャリア初優勝をともに祝った。

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「オーストリアでの2連戦を終え、チームはハンガリーのブダペストに到着しました。このような3週連続のレース開催は2018年シーズン以来、F1としては史上2度目になります。今回オーストリアからハンガリーへの移動あたり、ホンダのメンバーはF1のルールに従ってそれぞれが担当するチームと一緒に行動し、陸路で国境を越えました。オーストリアの美しい山々に広がる牧歌的風景からハンガリーの広大な畑が連なる景色への移り変わりを楽しみながらの、しばし息抜きとなった4時間ほどのドライブでした。ただし、ハンガリーではホテルとサーキット間の移動と出国時の空港への移動のみが許され、それ以外はホテルからの外出が禁止されています。これまで同様、多くの制限の中でレース対応を行います。レース会場となる伝統のハンガロリンクは、多くのコーナーを持ち平均車速が低いという点で、前戦までのレッドブル・リンクとは異なる特徴を持っています。モナコGPほどではないですが、オーバーテイクが比較的難しいため、予選でのパフォーマンスが重要になります。また、週末は気温が高めの予報が出ているので、冷却面を考慮した車体とパワーユニット(PU)の運用にもフォーカスしていきます。このサーキットでは昨年フェルスタッペン選手がポールポジションを獲得しており、相性は悪くないと考えています。前2戦のオーストリアではトップランナーに対して苦しい戦いとなりました。PU、および車体パッケージ全体として最大限のパフォーマンスを引き出し戦うべく、準備を進めています」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「2週連続で同じサーキットというのは飽きるかなと思っていましたが、レッドブルが(主催者として)すばらしいイベントを演出してくれました。また、同じコースで2週にわたって走行したのはいい経験でした。違ったセットアップを試したり、連戦で得られたデータを確認したりすることもできました。ただ、僕らは次のサーキットへ向けた準備もできています。開幕での苦戦をばん回して表彰台に立てたことはよかったですし、チームの働きにいくらか報いることができました。今は、次のハンガリーに気持ちが向いています。現代のハイダウンフォースマシンで走ると本当におもしろいコースなので、僕らがどこまでやれるか楽しみです。今週末も全力を尽くして、メルセデスを中心としたライバルたちに対して、どれだけ対抗できるか見ていきたいと思います。ハンガリーはオーストリアよりもテクニカルなコースです。コーナー数も多く、セクター2で顕著ですが、一つでミスをすると次のコーナーでもうまくポジションが取れなくなります。マシンセットアップがカギになるので、懸命に取り組まなければなりません。安定したバランスが必要な一方で、コーナー進入時のマシンの応答性も重要です。ここまで2戦とも、チームが最速ピットストップを記録しており、すばらしい仕事ぶりを見せてくれています。素早いピット作業で支えてくれてうれしいです。レース中、みんなの顔をもっとよく見たいのですが、ピットストップでは、できるだけ速く出ていかなければならないので難しいですね(笑) みんな常に努力をし続けてくれているので、毎レースでその成果を見せてくれると思います」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「ハンガリーはすばらしいコースです。(腕の差が出るといわれる)“ドライバーズ・サーキット”なので、いつもここへ来るのが楽しみです。レッドブル・リンクと比べてオーバーテイクが難しいので、予選が重要になります。最初の2戦で学んだこともあり、マシンについての理解も進んでいるので、さらに前進するためにそれを活用していきます。最初の2戦を比較すると、第1戦のほうがパッケージとしてはよかったと思いますが、マシン自体は第2戦のほうがよかったです。第2戦から、マシンにいろいろ足し引きして、いい状態に仕上げていきたいです。先週のレースでは、ソフトタイヤを履いた序盤では、ブリスター(タイヤの損傷)を考慮してペースを管理しなければなりませんでしたが、ミディアムタイヤではバランスが大きく改善しました。メルセデスとの差は大きいですが、次はレッドブル・リンクよりも僕らに合いそうなサーキットなので、希望はあるはずです。今週末の1番の目標は、メルセデスとの差を詰めることです。FP1での状況を見るまでは分かりませんが、現状のポイントランキングは予想と異なり、レーシングポイントがかなり上位にいます。これまでも僕らは自分たちのできることを探ってきましたし、いつも通りそこに集中して、ハードワークの成果を見せたいと思います。これまで得たものを最適な形で活用して、ライバル勢との差がどうなるかを見ていきたいと思います」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「オーストリアでの2連戦をまとめると、開幕戦は『7位入賞できていい結果を得られたレース』、一方で第2戦は『Q3に進出して7位というすばらしい予選の後、レースは残念な結果に。スタート直後に接触でダメージを負い、いつものペースで走行できなかったレース。ダニ(クビアト)が入賞てきたのはよかったが、自分自身ももっといいレースができると期待していた』という感じでしょうか。全体的には2戦を終えてポジティブな感触を得ていますが、常にトップ10圏内でレースを終えるためにはもっと改善すべき点が多くあります。シーズンのスタートとしては悪くないですし、2戦を終えて改善の兆しも見えています。第2戦では新型のフロントウイングを投入し、パフォーマンスが改善しました。ここからは正しい方向に向けて改善を継続していく必要があります。チームの開発プログラムを考慮すると、この先数週間は中団で戦っていく上で徐々にパフォーマンスを上げていけると思っています。このような特殊な状況をパドックで過ごすことについてはとても特別な経験だと思っています。人が少ないので呼び止められることなく移動がスムーズということもありますが、なによりファンやメディアの姿がなく活気がないというのが通常との1番大きな違いです。ドライバーにとってパドックに人が少ないということは、自由時間が多く、レース向けて体を休められるということなので悪くない部分もあります。いずれにせよ、人が少ないことにより雰囲気がいつもと異なるのは間違いありません。ハンガリーのレースについては予選が重要とよく言われます。ある意味正しいと思いますが、それでもモナコとは違うのでオーバーテイクが可能な場所があります。その部分を除けば僕のお気に入りのトラックですし、ここでレースするのが大好きです。いいリズムを感じながら走ることができるので、僕にとってはシーズンのハイライトの一つです。曲がりくねったレイアウトでストレートも少なく、セッティング面ではオーストリアからは大きく変わりますが、おそらく僕らのマシンとは相性がいいのではと思っています」

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ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「開幕からの2連戦はポジティブとネガティブの混ざった結果になりました。開幕戦はチームのために大きなポイントを持ち帰れるレースだったので、自分自身にがっかりしていました。それでも、すぐに次の戦いがやってくるのですぐにそのフラストレーションを忘れる必要がありました。第2戦は土曜の予選でQ3入りできる可能性があると思っていましたが、それを逃してしまいました。レースは後方から難しい戦いになりましたが、僕自身とチームがうまくレースをマネージできたことをうれしく思っています。ペースはそんなによくなかったもののポジションを守り切り、難しい状況で1ポイントを持ち帰ることができました。ですので、まずずまず満足できるレースになりました。開幕戦から第2戦の間にマシンの改善を行うことができましたが、ライバルも同様だったのでなかなかそれを結果で見ることはできませんでした。第2戦はペースを欠いていましたが、マシンのパフォーマンスをすべて引き出して戦えたことはドライバーとしてうれしく思っています。ハンガリーはオーストリアとは全く異なるサーキットなので、金曜に走ってみるまではどうなるかよくわかりません。オーストリアよりももう少しマシンに競争力があり、またポイントを獲得できればと思っています。行動を大きく制限された下でのレースは間違いなくこれまでとは違ったものになっています。少し寂しい気もしますが、それでもマシンをドライブできるときは本当に楽しく感じていますし、レースに集中できるという面ではとてもいいと思っています。レースを終えた日曜の夜もいつもより静かですが、それもこれだけレースが続く中でリズムを保つという意味では悪くありません」


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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1ハンガリーGP / スクーデリア・アルファタウリ