マクラーレン ホンダF1
マクラーレンとホンダは、今シーズン限りで3年間にわたるパートナーシップに終止符を打った。ここで、過去3年間のマクラーレンとホンダの首脳陣のコメントを振りかえってみる。

ホンダは2013年の5月に2015年からマクラーレンにエンジンを居休することを発表。1980年代後半から90年代初期にかけて一世を風靡した“マクラーレン・ホンダ”がF1に復活することになった。

打倒メルセデスを目標に掲げたワークスパートナーシップのプロジェクトだったが、この3年間で優勝や表彰台という結果を達成することなく終焉を迎えることになった。

2014年9月:新井泰久 (元ホンダF1プロジェクト総責任者)
「我々はメルセデスに匹敵できると確信しています。私は固く信じています。来年、我々はレースに勝ちます」

2014年9月:ロン・デニス (元マクラーレン代表)
「ホンダのエンジンの進捗は恍惚とさせるものだ。エンジンは宝石だ。彼らは予想よりも先に進んでいる。エンジンの競争力を疑う余地はない」

2014年10月:エリック・ブーリエ (マクラーレン レーシングディレクター)
「我々は新しいエンジンパートナーとともに来シーズンにグリッドに並ぶ3つのワークスチームのひとつになる。形勢を一変させることいなるだろう。マクラーレンは新しいエンジンパートナーとともに勝利に返り咲く。今日、我々は非常に魅力的なチ-ムだ。我々は速いクルマを持っていないが、それを取り戻している途中だ」

2014年11月:エリック・ブーリエ (マクラーレン レーシングディレクター)
「大きなポテンシャルがある。ホンダのコミットメントは本当に大きく、我々は非常に良い準備戦略を練っている。我々は良い道を進んでいる。ワークスチームであるからにはチャンピオンシップに勝たなければならない

2014年12月:フェルナンド・アロンソ
「僕たちには時間がある。僕たちには望みがあるし、僕たちには必要なリソースもある。伝説の復活。それが僕たちの挑戦だ」

2014年12月:ジェンソン・バトン (元ドライバー)
「フェルナンドと同じように、マクラーレンとホンダが一緒に素晴らしい結果を達成すると確信しているし、一緒に働く僕たち全員が輝かしい勝利チームを造るために信じられないくらいの努力を払っていると感じている」

2015年3月:ロン・デニス
「ワールドチャンピオンに勝つことを目標とするならば、勝てるエンジンを生産する技術とキャパシティをもあった強力なOEMが必要だ。ホンダにはそれがある。彼らは何度もそれを証明してきた。我々が望んでいるよりも少し時間はかかるかもしれないが、我々は旅の途中であり、最後までそれを見届けるつもりだ」

2015年3月:ジェンソン・バトン
「どれくらい長くかかるかはわからないけど、パッケージはメルセデスに挑戦できると感じている。本当にそう思う。このクルマはF1の将来にむけて非常に重要だ」

2015年5月:ロン・デニス
「以前にも言ったが、改めて言おう。我々には登らなければならない山があるが、それを登れば、頂上は大きくなる。保証しよう。マクラーレンとホンダはF1で勝つための情熱を共有している。我々は以前にそれを成し遂げており、再びそれを成し遂げるだろう。パワーユニットの設計と製造に関しては、ホンダは世界をリードしている。彼らのマネージャーとエンジニアは彼らのエンジンがまだベストではないことをわかっている。彼らはそれをしており、我々も知っている。だからこそ、我々のドライバーは我々のために走ることを望んでいる。他の多くのドライバーも我々のために走りたいと思っているのはそれが理由だ」

2015年6月:ロン・デニス
「我々のコミットメントは、ワールドチャンピオンに勝つことだ。クルマの各側面に焦点を当てる必要があるし、全てがベストのなかのベストでなければならない。ホンダも我々もこれほど難しいとは思っていなかった。だが、彼らは白紙からスタートした。エンジンだけでなく、R&D施設も完全に新しい。我々がこれが非常に大きなチャレンジであることをわかっているが、良い進歩を果たしている。ホンダは長年にわたって多くのエンジンを製造してきた。我々はベストではないものの、そのひとつを手に入れられるとわかっている」

2015年9月:ロン・デニス
「私は、全員が2番目のエンジンでチャンピオンシップに勝てないという単純な事実をなぜ理解できないのがわからない。実現することはないだろう」

2015年9月:フェルナンド・アロンソ
「近い将来にメルセデスにチャレンジできる唯一のチームだ。でも、今は厳しい時期だ。僕たちには彼らと戦えるおもちゃはないからね」

2015年9月:フェルナンド・アロンソ
「僕がマクラーレンと3年間一緒にいることは間違いない。僕のF1でのキャリアはこのチームで終わるだろう。全てに勝てることを願っている」

2015年10月:ジェンソン・バトン
「来年はメルセデスに挑戦することができ、ルイス(ハミルトン)の望みどおりになることを願っている。チーム内バトルに勝ち、ワールドチャンピオンを獲得するのも素晴らしことだが、他チームと戦うことを誰もが見たいと思っている。ルイスもそうだと思う。僕はそのチームが僕たちだと確信している。僕たちは全力を尽くしていくし、開幕戦で僕たちの力を見てみるつもりだけど、2017年は2~3の異なるチームが上位を争うことになればいいね」

2015年12月:フェルナンド・アロンソ
「フェラーリでは素晴らしい5年間を過ごしたけどお、2位で終了した。新たなモチベーションと信頼できる新たなプロジェクトが必要だった。そして、それが再びチャンピオンになる唯一の方法だ」

2015年12月:エリック・ブーリエ
「カスタマーではワールドチャンピオンに勝つことはできない。不可能だ。ワークスチームとして他のエンジンメーカーと進むことがその道だった」

2016年2月:エリック・ブーリエ
「ホンダとマクラーレンとの間にアンバランスが状況のようなものは常にあるかもしれないが、1つの事は完全に統一されている。マクラーレンは明日にでも勝ちたい。それはホンダも同じだ。今はお互いの期待に応えることが重要だ」

2016年4月:ロン・デニス
「我々はホンダを信じているし、望んでいたよりは少し時間がかかっているが、我々はホンダと成し遂げるつもりだ」

2016年5月:ロン・デニス
「メルセデス後の次のワールドチャンピオンはマクラーレンだと信じている。我々は他の人よりも前にその目標に到達できると信じている。チャレンジングではあるが、我々の技術力を信じているし、ホンダの固い信念を信じている」

2016年5月:フェルナンド・アロンソ
「僕たちがメルセデスの支配を最初に止めることができるか? まだわからないけど、それは可能だ。レッドブルはトップチームだけど、このF1で大きなエンジンメーカーを持っていないのは厳しいし、フェラーリは常に競争力があるが、いつも最後のひとつが欠けている」

2016年5月:長谷川祐介 (ホンダF1プロジェクト総責任者)
「マクラーレンでの問題がすべてがパワーユニットに起因しているわけではありません。来年、ワールドチャンピオンに勝つためには全ての関係者が改善する必要があります。我々は2017年にメルセデスに挑戦する計画を立てています。フェルナンドが勝てるように競争的なクルマを持てるよう努めていきます」

2015年6月:フェルナンド・アロンソ
「コミットメントを目にすると幸せな気分になるし、いつかこのプロジェクトは勝てると思う。その日が短期、中期的、長期的になるかはわからない。ただ、マクラーレン・ホンダのこのパートナーシップはいつか勝つだろう」

2016年7月:エリック・ブーリエ
「チームとして改善していると思う。数年前には大きなプレッシャーがあったが、今は関係は良くなっている。メルセデス、ルノー、フェラーリと比較すれば、彼らはエンジンを改善するのに3年かかった。ホンダは少ない時間でそれをやっている。だが、我々は良くなっているし、私の意見では信頼性に関してはすでにフェラーリと同じくらい高いと思ってる。エネルギー面では遅れているし、より多くのスピードとパワーが必要だ。マクラーレンの責任は改善を続けることだ」

2016年9月:ジェンソン・バトン
「パワーユニットはかなり進んでいるけど、デプロイメントも進んでいる。たぶん僕たちはベストのデプロイメントを得ているかもしれない」

2016年12月:ザク・ブラウン (マクラーレン エグゼクティブディレクター)
「全員がとても興奮している。クルマの詳細を見て回り、今年のクルマのすべてのレポートを見て、改善点を見つけているので、全員が来年にむけて気合を入れている」

2017年2月:エリック・ブーリエ
「ファクトリーの周りには我々がコーナーを回ったとの感覚がある」

2017年3月:ザク・ブラウン
「我々は長期的な契約を結んでいる。我々は彼らとともに多くのチャンピオンシップに勝て来た。彼らには適切な人材があり、我々にも適切な人材がいる。我々は協力して仕事をしていく」

2017年3月:フェルナンド・アロンソ
「正直、マクラーレン・ホンダは、チャンピオンシップを争い、近年のメルセデスの支配をストップされるという点で、メルセデスの唯一の挑戦者だ。もうチームを変えるつもりはない」

2017年3月:ザク・ブラウン
「今の計画はホンダのエンジンをクルマに載せることだ。我々は自分たちが進んでいる方向性に満足しているが、少し時間はかかるだろう」

2017年6月:マンスール・オジェ (マクラーレン株主)
「我々がF1でこれほどまで競争力がなかったことは一度もない。プジョーと酷い一年を過ごしたが、今回のホンダは仕事を完全に過小評価している」

2017年6月:エリック・ブーリエ
「我々のオプションがどのようなものかを詳しく語りたくはない。我々の優先はホンダとワールドチャンピンを獲得することだ。だが、どこかの時点でそれが達成可能なのかどうかを決断する必要がある。我々は深刻な懸念を抱いている。アップグレードを逃し、彼らが投入すると話していたレベルのアップグレードも届いてない。そう長くは耐えられない。限界に近づいている」

2017年6月:長谷川祐介
「結果という点で、当然ながら、パフォーマンスと信頼性を大きく改善させる必要があります。すべてのことをやっていくつもりです。我々はすべてのことをやっていく必要がありあす」

2017年7月:ザク・ブラウン
「我々は、レース、そしてチャンピオンシップでの勝ち方を知っているビッグチームだ。大分部のチームは我々の現状を見て残念に思っていると思うが、彼ら(メルセデスとフェラーリ)は我々の現状を見て喜んでいると思う。彼らが我々にあまり近づいてほしくないと考えるのは理解できる。我々は最終的にホンダが仕事を成し遂げてくれると考えている。彼らは過去にそうしてきた。我々はもっと速いペースで開発を進めていく必要がある」

2017年8月:ザク・ブラウン
「フェルナンドはパワーユニットをあまり信頼できていないので、我々、特にホンダは彼に大幅な改善を果たすことをすぐに示す必要がある」

201年9月:フェルナンド・アロンソ
「ここにいることにかなり満足しているし、僕たちはチャンピオンシップに勝つためのパッケージを得られると信じている。僕がここに到着してからチームは過去3年間で多くの改善を果たしてきた。僕たちには才能があり、設備もある。ただちょっと競争力が欠けている。それが最も重要なことだけどね。でも、僕たちは来年の数字がどうなるかを見ていくつもりだし、それを見て決断を下すつもりだ。

2017年9月:ザク・ブラウン
「マクラーレン、ホンダともに当初望んでいたような結果を得ることはできなかった。そこにはさまざまな理由があるが、決してホンダとマクラーレンのどちらか一方の努力が欠けていたわけではない。ただ、今は、それぞれが別々の道を歩みだす時が来たのだと考えている」

2017年9月:エリック・ブーリエ
「決定的な瞬間は、バルセロナのテスト後だった。他のエンジンメーカーとの話し合いを含め、短期間で状況を改善するために、我々はホンダを支援し、仕事をしようとしていた。詳細を語るつもりはないが、彼らがシーズンにむけて合意していたターゲットを再び逃していることは明らかだった。そして、夏までに我々がこのまま続けるかどうかを決断する必要があることがわかった。過去3年間を見れば、信用を失い、新しいスポンサーを獲得するという点では大惨事だった」

2017年9月:山本雅史 (ホンダ モータースポーツ部長)
「マクラーレンと組んでみて分かりましたが、企業の規模が大きいと、とてもシステマチックになります。もちろん、それが大きな強みであることは間違いないのですが、同時に変化に適応していくことは難しくなります。その点、トロ・ロッソはまだ成長途上にある企業です。例として、両チームを別々の料理として比較すると、マクラーレンは非常に洗練されたフランス料理だとしましょう。トロ・ロッソは、新しい食材を加えることができるような自家製の美味しいシチューのようなものです。我々はそれをすることに興奮しています」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / マクラーレンF1チーム