ニック・ハイドフェルド
ピレリのタイヤ開発ドライバーを務めるニック・ハイドフェルドが、2011年タイヤのテストについて語った。

ニック、あなたはモンツァのパドックで最も求められていた人の一人でしたね。間違いなく誰もが新しいピレリタイヤのあなた経験について聞きたがっています・・・
そうだね。すでにたくさんの人と話したよ。みんなも僕に話しかけてきたね。でも、彼らは当然、僕が機密情報を伝えられないことをわかっている。なので、基本的にみんなはアブダビでの最終戦直後のピレリタイヤの初テストを待たなければならない。

タイヤはモーターレーシングの“ブラックゴールド”です。正しく使えるかどうかによって勝ち負けが大きく左右します。なので、新しいサプライヤーは非常にデリケートな問題ですし、大きな関心を持って見られます。現時点でのピレリの立場はいかがですか?
僕たちがすでに行った2回のテスト、それにまだこれからもあることを考えると、全て計画通りに進んでいると思う。少なくとも、それは僕の感覚だけどね。僕たちはすでにいくつかの開発を行っているし、正しい方向に向っている。主にタイヤ構造に取り組んでいるし、今はコンパウンドに取り掛かっているところだ。全てのことと同じように初めのうちは大きなステップを遂げるけど、最終的に重要なのは微調整だ。今言えるのは、僕たちには来シーズン、非常にいいタイヤがあるということだ。

去年レースをしたF1タイヤとちょうど今テストをしているタイヤとの主な違いは何ですか?
もちろん、違いはある。数年前にブリヂストンとミシュランでわかったように、異なるメーカーは違ったアプローチをする。一方で、そのような違いにはすぐに慣れることができるものだし、開発の途中なので特定の違いを実際に指摘するにはまだ早すぎると思う。もちろん、僕が詳細を述べることは許されていない。

ピレリがタイヤ供給契約を獲得したのはかなり最近のことなので、まとめる時間は多くありませんでした。彼らは初テストにどのようなものを持ってきましたか?どれくらい準備されていましたか?
そうだね、決定と最初のテストの間は本当に時間がなかった。でも、彼らはかなり準備を整えてムジェロにやって来た。ムジェロは速いコーナーとストレートがたくさんあるサーキットだし、初めてのテストには簡単な場所ではなかったけど、彼らはしっかりした基礎をもった十分なタイヤを持ってきたし、テストタイヤさえ準備していた。幸運にも、去年のトヨタはそのような仕事をするには非常に信頼性のあるクルマなので、毎日プログラムを完了させることができたし、多くの走行距離を稼げた。

ピレリはどれくらいで2011年シーズンに完全に備えることができますか? あと6ヶ月ですが、それで十分ですか?
そう思うよ。テストで経験したことを考えれば、彼ら非常にいい仕事をしていると言える。でも、もちろん簡単なことではない。ブリヂストンは何年もF1にいて、全てのサーキットを理解しているので、常に膨大な情報データーベースに頼ることができる。なので、特定のトラックに常に完璧なタイヤを持ち込むのは少し難しいと思う。開発やタイヤの生産だけでなく、全てのグランプリ週末をどう予測するかという情報に関してもね。

あなたは全てのF1チームを知っていますが、どのチームが新しいタイヤをすぐにうまく使えると思いますか?
クルマがタイヤに厳しいか優しいかを言うのは簡単ではないので、言うのは不可能だ。過去、僕たちはタイヤの加熱についての問題を見てきた。一年だけでなく何年もね。なので、完璧なクルマを作り上げるのは難しい。それはタイヤに関しても同じことだ。この段階では、クルマがどうなるかまったくわからないので、どのタイヤがどのクルマに適しているかを予測するのは不可能だ。FIAとFOTAの良いステップだと思うのは、来シーズンに1%の重量配分制限を設けることだ。最大のギャンブルになるだろう。いくつかのチームはすぐに対応できるだろうけど、できないチームもいるだろう。みんなにとってうまく働くウィンドウと良いペースを得ることが重要だったからね。

全チームにとって最初のテストはアブダビでの最終戦後になります。それまで大部分のチームが新しいラバーをテストすることなく2011年マシンのデザインを固めることになります。理想的な状況と言えますか?
理想的ではない。でも、それは誰にとっても同じことだ。もう一度言うけど、重要なポイントは重量配分を適切にすることだと思う。今はそれが定められているので、問題はないだろう。

どのようにしてピレリのテストドライバーに選ばれたのかお話していただけますか?
コクピットのないリザーブドライバーとしては、当然ドライブするチャンスを見つけるために周りを見回し始めるものだし、彼が供給することが明らかになった段階で、僕たちは彼らとコンタクトをとった。コンタクトをとった後は、かなり容易に物事が進んだ。彼らはずっと誰かを探していたと思うし、レースに関与してきたドライバーがいることはチームとって良いことだと思う。

新しいタイヤの知識が最もあるドライバーという事実は、あなた自身のキャリアをどれくらい後押しすると思いますか?
この事実は明らかに助けになると思う。いくつかのチームと交渉中だし、誰もが僕がピレリのタイヤ開発を手伝っていることを知っている。なので、そうだね、それはボーナスだ。来シーズンに関して交渉しているのは確かだけど、まだサインはしていない。来年グリッドに戻れるとかなり自信を持っている。僕を出してくれたメルセデスにはとても感謝している。彼らは常に僕にチャンスがあれば邪魔はしないと言っていたからね。

あなたのピレリについての知識は、来年レースをするチームをどれくらい役立ちますか?
僕がお金のためではなく、2011年のコックピットを容易にするためにテストをしているのは秘密ではない。僕はピレリがタイヤを開発するのを手伝っている。僕が彼らにコメントして、彼らはそれらを実行し、タイヤを段階的に改善させている。多くのチームにとって価値のあることだと思う。

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カテゴリー: F1 / ニック・ハイドフェルド / ピレリ