ルイス・ハミルトン F1新PU規則の複雑さを指摘「ファンも僕たちも理解が難しい」

2026年のレギュレーションではMGU-Hが廃止され、電力回生はブレーキングやアクセルオフ時にほぼ依存する形へ変更された。
その結果、ドライバーは1周を通してバッテリー残量を常に管理する必要があり、従来とは異なる走り方が求められている。
MGU-H廃止で一変したエネルギーマネジメント
2026年のF1では、排気ガスからエネルギーを回収していたMGU-Hが廃止された。一方でMGU-Kの出力は350kWまで大幅に引き上げられ、パワーユニットは内燃機関と電力をほぼ50対50で使用する設計となっている。
そのため、エネルギー回収はブレーキングやアクセルオフ時、さらに新たな「スーパークリッピング」モードによって行われるようになり、ドライバーは1周を通じてバッテリー残量を細かく管理しなければならない。
予選でもブレーキングポイントのかなり手前からアクセルを戻して回生を行い、次のストレートで十分な電力を使える状態を作る必要がある。
ハミルトン「限界まで攻めるほど不利になる」
マイアミGP期間中に収録され、後日公開された『StarTalk』の動画でハミルトンは、新規則の難しさについて次のように語った。
「ファンが完全に理解するのは本当に難しいし、僕たち自身にとっても理解が難しいんだ。F1カーを運転するときの究極の目標は、常に限界まで攻めることだからね」
「本来ならコーナーを速く走れば、その分だけライバルよりタイムを稼げるはずなんだ」
「でも今は使えるバッテリー量に限りがあるから、アクセルを戻している間は常に充電し、アクセルを踏んでいる間はその電力を使っている」

「リスクを取るほど後でペナルティになる」
ハミルトンは、MGU-H廃止によって生まれた新たなジレンマにも言及した。
「今年はMGU-Hがなくなったことで充電量が少なくなっている。それが少し分かりにくいところなんだ」
そして、高速コーナーで全開走行した場合の影響について、次のように説明した。
「高速セクションを全開で走り抜けて、より思い切ってリスクを取ってコーナーを速く通過すると、その後で十分に充電できなくなってしまう」
「つまり、速く走ろうとすればするほど、その後にペナルティを受けるような状態になっているんだ」
従来はMGU-Hがターボから継続的にエネルギーを回収していたため、ドライバーは限界まで攻めながらも比較的安定して電力を確保できた。しかし2026年型パワーユニットではその仕組みがなくなり、「攻めること」と「エネルギーを蓄えること」のバランスがこれまで以上に重要になっている。
こうした特徴についてハミルトンは、ファンだけでなくドライバー自身も完全には把握し切れていない複雑なシステムだと率直な思いを明かした。
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