フェラーリF1初年度の苦闘は必然 元技術者がルイス・ハミルトンを擁護
ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)は、メルセデスからの移籍初年度となった2025年シーズンで、キャリアでも屈指の厳しい一年を過ごした。7度のワールドチャンピオンは、この年を通して一度も表彰台に立つことができず、自身も「これまでで最も難しいシーズンだった」と繰り返し語っていた。

こうした状況について、かつてフェラーリとメルセデスの両方でハミルトンと仕事をしてきた元フェラーリのパフォーマンスエンジニア、ジョック・クリアは、即座の成功を求める声そのものに疑問を投げかけている。

「一夜にしてうまくいくものではない。シーズン途中に何人かに話したが、ルイスが昨年、どれほど厳しい挑戦に直面していたかを受け止めるのは本当に大変だったと思う」とクリアは語った。

「F1がいかに難しいかを、人々に思い出させるという意味では、それは健全なことでもある」

さらにクリアは、仮にハミルトンが移籍初年度で即タイトルを獲得していた場合、それはF1そのものの価値を損なう結果になっていたと指摘する。

「もしルイスが来て、いきなり8回目のタイトルを獲っていたら、それはこのスポーツを貶める、あるいは軽く見せてしまうことになっていただろう」

クリアは比較例として、ウィリアムズF1に移籍したカルロス・サインツJr.の状況にも言及した。

「カルロスを見てみるといい。5戦が終わった段階で、人々は『どうしたんだ? アレクサンダー・アルボンを圧倒すると思っていたのに』と言っていた。だが、シーズン終盤には全く違う評価になっていた。何事も一晩では変わらない」

ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

こうした現実を、ハミルトン自身も理解しているからこそ、もどかしさがあったのだとクリアは続ける。

「ルイスのフラストレーションの一部は、彼自身がそれを分かっているからだと思う。ただ、必要なのは時間だ」

ハミルトンは前人未到の8度目のF1タイトルを目標に掲げており、レギュレーションが刷新される2026年F1シーズンが、フェラーリF1にとって再浮上の好機になることを期待している。

その点についても、クリアはハミルトンの巻き返しを疑っていない。

「2025年が厳しかったからといって、ルイスが諦めることはない。彼は最初から大変なシーズンになると分かっていた。2026年には、より強く、よりハードに戻ってくるはずだ。開発に取り組み、プロジェクトをやり遂げるために、できることはすべてやるだろう」

ルイス・ハミルトン、フェラーリ、ジョック・クリア、ウィリアムズといった名前が示すように、この証言は単なる擁護ではなく、F1という競技の厳しさそのものを改めて浮き彫りにしている。

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カテゴリー: F1 / ルイス・ハミルトン / スクーデリア・フェラーリ