ティモ・グロック トヨタF1
ティモ・グロックが、F1ヨーロッパGPを振り返った。リザルトは14位だったグロックだが、レース中の最速ラップを記録した。

4週間の夏休みを終えて、ヨーロッパGPからレースが再開されました。バレンシアに向けて、リラックスできましたか?
素晴らしい休暇だったよ。主に自宅近くで友人や家族たちとリラックスして過ごしたんだけど、実はバレンシアには本来よりも少し早めに行ったんだ。十分に休養して、レースに向けた準備を整えるためにね。F1ドライバーである以上、普段は自分のための時間はあまり多く取れないから、今回はその分、旅行とかそういったことを避けてとにかく静かな休暇を送れて満足だった。休暇中はゆっくりとくつろぎつつ、身体のトレーニングもかなりやっていた。特に好きなサイクリングなんかをね。

あれだけ暑い中でのドライビングは、どのくらいきついものなのでしょう?
今回は本当に暑くて、コックピットの中でもそれは十分に感じられた。でもいつもトレーニングをかなり積んでいるから、何も問題はないよ。ただし、バレンシアのようにコンクリートウォールが間近にあるコースではかなりの集中力が必要になるし、その点で暑さが不快になることはあるけどね。でも少なくとも今年は昨年よりは楽だった。(去年と違い)体調不良じゃなかったからね。その分、疲労度も軽かった。もちろん、レース前は発汗で失う分の水分を補うため、たくさん水を飲まなければならないが、ちゃんとそれを実践したから、最後になっても大丈夫だったよ。

今回のレースの週末は、全体的に如何でしたか?
事前に予想していたレベルのパフォーマンスを発揮できなかったから、正直言って、難しい展開だった。金曜日のクルマの感触は問題なかったし、順位そのものは我々にとって優位には見えなかったけど、それでもそれなりの自信を感じていた。残念ながら、土曜日になると午前中の最後のフリー走行の時点から十分な速さが発揮できず苦しむことになり、その調子が予選でも続いた。その結果、予選では予想よりもかなり下の順位になってしまった。このせいでポイント獲得はかなり難しい状況になり、実際のレースでもその通りになった。だから最終的には期待はずれの結果だったね。

レースでは何が起こったのでしょう?
ポイント圏内を目指して僕が反撃していくチャンスは、実質的に1周目で潰えてしまった。あの時は、後ろからぶつけられて、タイヤがパンクしてしまったんだ。1コーナーのバトルはかなり厳しく、僕はイン側に飛び込まなければならなかった。その直後、何かが後ろからぶつかってきた感じがした。右側の後輪がパンクしたのが明らかだったので、ピットストップを行わなければならなかった。その後、ポイントを獲得できるチャンスは現実的には皆無だったけど、僕は自分にできる限りのハードな走りを続けたよ。レースでは何がどうなるか、絶対にわからないし、また、可能な限り多くのデータを収集することはチームにとって有益だからね。

あなたが記録した最速ラップについて教えてください。
先に話した通り、僕はレースの最後まで、本当に懸命にプッシュし続け、ペースもかなり良かった。予定外のピットストップを行った直後の周回では、燃料が満タンだったにも関わらず、1分41秒7だった。このタイムは、他のドライバーが遥かに少ない燃料で走っていたことを考えると、非常に速いタイムだった。それで僕はとにかくクルマから最大限のパフォーマンスを引き出すべくがんばり続け、そして3回目のピットストップの後にスーパーソフトタイヤを履いた周回では、本当に良いリズムで走ることができたんだ。とにかく周回を重ねるごとに速く走れるようになり、レース後には自分が全体の最速ラップを出したと聞いたんだ。F1でこんなことができたのは初めてだったから、これを達成できたことは良かったと言えるけど、正直に言えば、ポイント圏内に入れた方がもっと良かったね!

チームの最近の予選でのパフォーマンスについて、どう思いますか?
この分野を改善しなければならないことは我々にもわかっているし、1周アタックの際に更なるパフォーマンスをクルマから引き出すべく、チームの全員が本当に懸命に仕事をしている。他のクルマと比べた場合、我々のレースペースは予選でのペースよりも遥かに良好だ。これは少し欲求不満を感じる状況でもある。このせいで、自分たちが期待している結果を得るのがより困難になっているからね。バレンシアの予選では、自分が持っているもの全てを出したものの、最後の数コーナーでタイヤのパフォーマンスが落ちてしまった。各チーム間の戦力が非常に接近している中、これが僕のグリッド順に大きく影響してしまった。

ベルギーGPではどんな展開を予想していますか?
自分たちの強さを発揮できることを願っている。昨年は8番手でフィニッシュラインを通過したものの、レース後にタイムペナルティを加算されてしまった。スチュワードによれば、黄旗区間で僕が他車を追い越したということだったんだ。僕は自分が何か間違ったことをしたとは感じなかったものの、その裁定を受け入れなければならなかった。今週末は、僕にとってF1に来てから初となるスパでのポイント獲得を果たして、その鬱憤を晴らせるよう戦っていくつもりだ。

開催日程:2009年 F1 ベルギーGP

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ティモ・グロック / トヨタ