フォーミュラE
フォーミュラEのCEOを務めるアレハンロド・アガグは、電気自動車のフォーミュラカーレースである同シリーズが2040年までにF1を追い越し、モータースポーツで生き残っている唯一のシリーズになると考えている。

2014年から始まった国際自動車連盟(FIA)が主催する電気自動車のフォーミュラカーレースであるフォーミュラEは、走行中に排ガスを出さず、エンジン搭載マシンに比べ静かであるため市街地コースでレースをするのが特徴。

ヨーロッパ各国では2040年代までに内燃機関自動車の販売を禁止する法案が可決されるなど、自動車産業の環境問題への取り組みが注目される中、最先端の電動技術で競うフォーミュラEの役割は年々大きくなっている。

4年目となる今シーズンからはアウディがフルワークス参戦し、来シーズン以降はBMW、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、そして日本から日産が参戦を表明するなど各国の自動車メーカーが高い関心を示している。

また、スイスのプライベートバンクであるジュリアス・ベア、ドイツの保険会社アリアンツ、クレジットカードのVSAといったグローバル企業をパートナーに迎えており、昨年にはファッションブランドのヒューゴ・ボスがF1へのスポンサーシップを終了して、フォーミュラEに移動している。

メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは、近い将来、フォーミュラEが“モータースポーツの本格的なプレイヤー”になると予想している。

アレハンロド・アガグは、フォーミュラEはこれから成長し続けるだけだと主張する。

「フォーミュラEは本当に大きくなっていくと思う。20年、30年、40年後には我々は唯一のモータースポーツになるだろう」とアレハンロド・アガグはロンドンで開催されたフォーミュラEの特別イベントで ESPN に語った。

「他にも存在するかもしれないが、世界は電気自動車になっていくので、おそらく我々がメインのモータースポーツになっているだろう。世界が20年もしくは30年で電気自動車になっていなければ問題だ。だから、そうなったとしても、フォーミュラEは自動車のチャンピオンになるだろう」

フォーミュラEの初シーズンが終了した2015年、F1チームオーナーであり、フォーミュラEでDSヴァージン・レーシングを所有するリチャード・ブランソンは、2020年までにフォーミュラEがF1を抜いてモータースポーツの頂点に君臨しているだろうだと述べていた。

リチャード・ブランソンのビジョンに同意するかと質問されたアレハンロド・アガグは「我々は決してF1と競争することは望んでいない」とコメント。

「我々はF1が大好きだし、F1は素晴らしいと思っている。だがリチャード・ブランソンに異議を唱えるつもりはない。彼は非常に賢い男であり、大抵の場合は正しいことを言っている」

ロンドンで開催されたイベントでは、フォーミュラEがスイスに本社を置く電力関連企業『ABB』とタイトルスポンサーに迎え、『ABB FIA フォーミュラE選手権』に改名することが発表された。

フォーミュラE初となるタイトルスポンサー契約は、少なくとも2025年まで継続するとされ、年間1500万ドル(約16億8000万円)をもたらすとされている。

アレハンロド・アガグは、フォーミュラEの急成長に驚いている語り、2014年に開始して以降、プロジェクトに設定していた目標はすでに上回っていると認める。

「私は驚いている。プロジェクトを立ち上げたときの我々の期待をはるかに超えている。ABBのような企業とのこのようなタイトルパートナーシップに契約したことはさらなる大きなステップだ。プロジェクトを開始したときには想像していなかったことであり、嬉しい驚きが続いている。おそらく、これは我々が正しい方向に進んでいることだとを意味していると思う」

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カテゴリー: F1 / フォーミュラE