F1 フォース・インディア
フォース・インディアが破産手続きを開始したことをCOOを務めるオトマー・サフナウアーが認めた。

報道によると、フォース・インディアは7月25日(水)、他の会社からお金を借りている場合に会社を清算するための申し立てを行ったという。

結果は不明だが、申し立てが認められた場合、フォース・インディアは清算の手続きを進めることができる。

その場合は強制清算となり、銀行口座は凍結され、資産や財産は清算を担当する管財人によって売却されることになる。強制清算では会社の解散は求められない。

このような動きのなか、7月25日(水)にはセルジオ・ペレスと彼のマネージャーが関連する会社、フォース・インディアにパワーユニットを供給するメルセデス、スポンサーのBWTが債権者として英国のHM裁判所&法廷サービスに債権回収の訴訟手続きを行ったとされている。

メルセデスは、パワーユニット供給のために1050万ユーロ(約13億6000万)を負担しており、BWTはスポンサー料金を前払いしている。また、セルジオ・ペレス側は400万ドル(約4億4400万円)以上の支払いを求めているという。

F1ハンガリーGPのメディアデイとなったその翌日の7月26日(木)、セルジオ・ペレスは“現時点の状況は危機的”だと述べていた。

「財政的な問題でチームがかなり後れをとっているのは秘密ではない。でも、結果がすべてのF1において、今の結果を見れば僕たちはコンストラクターズ選手権で5位につけている。これまで財政問題があったとは想像もできないだろう」

チームの破産手続きが明るみになった7月27日(金)、フォース・インディアのCOOを務めるオトマー・サフナウアーはその事実を認め、新たな投資が“差し迫っている”と語った。

「差し迫っていると思う。舞台裏で議論が進行していることは知っていた。だが、それは株主の問題なので、私は関与していない」とオトマー・サフナウアーはコメント。

「私は株主ではないので、それ以上のことはわからないが、まもなく知ることになるだろう」

オトマー・サフナウアーは、セルジオ・ペレスの発言の真相は知らなかったが、フォース・インディアは危機的な期間を過ごしていたことに同意する。

「危機的な財政状況と競技状況との間には高い相関関係がある。ここではより多くのお金をもっているほど、良い結果を出せる」

「それがすぐに解決することを期待し、これまでのような通常の方法での運営に戻れることを願っている。危機的な期間は1~2週間続くかもしれない。我々は集中し、ここでやれるベストを尽くし、テスト後の休暇を楽しみ、その後戦いに戻らなければなならない」

F1の夏休みに先立って破産手続きが行われたことは、チームの沿うう行停止期間を最小限に抑え、債権を回収するベストなチャンスを得ることが意図されている。

フォース・インディアは、オーナーのビジェイ・マリヤとサブラタ・ロイがインドに何億もの借金がある。ビジェイ・マリヤは詐欺罪とマネーロンダリングの容疑で告訴されており、サブラタ・ロシはすでに刑務所に送られ、現在は仮釈放中の身となっている。

昨年からフォース・インディアは新たな商業パートナーを引きつけるためにチーム名から“インド”を外して“国際色豊か”な名称に変更することを検討していることを明らかにしており、今年に入って、イギリスのエネルギー飲料会社である『リッチエナジー(Rich Energy)』がチームを2億ポンド(約300億円)以上で買収すると報じたが成立しなかった。

リッチエナジーは、破産手続きを回避するべく、フォース・インディアに3000万ポンド(約43億6000万円)の資金注入をオファーしたが、その試みは失敗に行ったことをソーシャルメディアで明かしている。

「メルセデス、セルジオ・ペレス、ジュリアン・ジャコビ、BWTによって調整された悲劇的で回避不可能な結果だ。恥ずべきことだ」

現在、フォース・インディアの買収先としては、そのリッチエナジー、アンドレッティ・オートスポーツのオーナーであるマイケル・アンドレッティ、フォス・インディアの開発ドライバーであるニキータ・マゼピンの父ドミトリー・マゼピン、タボ・ヘルムンド率いるアメリカを拠点とした投資会社、ランス・ストロールの父親であるローレンス・ストロール、BWTなどが挙げられている。

中でも現実的だと報じられているのがロシアの大富豪ドミトリー・マゼピンだ。彼は総合化学会社Uralchemの会長、そして、数十億ドルの価値があるとされる肥料企業Uralkaliの非常勤取締役を務めている。

RaceFans の報道によると、ドミトリー・マゼピンはフォース・インディアの買収に関して「最近、集中的な話し合いを行った」と報じている。だが、実際にはチームのオーナーになるのではなく、ビジェイ・マリヤに投資するかたちでの支援になると同サイトは伝えている。

また、ランス・ストロールは、息子のためにフォース・インディアのシートを確保し、競争力をつけるためにフェラーリとザウバーの関係に似た“Bチーム”化することを望んでいると報じられている。

メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、フォース・インディアとメルセデスとの関係を称賛し、財政的な逆境に直面しているなかでの努力を支持した。

「彼らは今日かを上回る優れたレーサーたちのグループだ」とトト・ヴォルフは金曜日にハンガリーでコメント。

「彼らが流動的な苦境のなかで取り組んできたやり方は驚くべきことであり、ワークスチームのいくつかと競合している。我々はそれを認識すべきだ」

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カテゴリー: F1 / フォース・インディア