ブロウン・エキゾースト
FIAは、F1の新しいエンジンマッピング規約に存在する抜け穴を塞ぎ、ブロウン・エキゾースト対策をさらに強化する。

F1チームはエキゾースト規約の限界を攻め続けているが、情報筋によるとFIAが今年規定された厳格なエンジンマッピング規制の回避手法についてチーム側に警戒していることを明らかにした。

FIAは、主に空力的な利益を狙った排気ガスの吹きつけを根絶する活動を行っており、潜望鏡型のエキゾースト設計を強制する技術規約についてチーム側と同意したほか、昨年10月にはオフスロットル時の吹きつけを禁止するためにエンジンマッピング・プログラムに厳格な制限を設けている。

この対策によって一部の問題は解決されたが、情報筋によると、FIAはあるエンジンメーカーから現在のマッピング構造にはこの新しい制限を回避する可能性が残っているという情報を得たという。

それは許容されているよりもスロットルを大きく開くことで故意にミスファイアを誘発させ、排気ガスの流れを増加させるという手法のようだ。

情報筋は、この手法を断ち切るためにFIAが関連メーカーと協力していることを認めており、エンジンマップを制御するF1の標準ECUのソフトウェアの改訂バージョンが、シーズン開幕戦オーストラリアGP前にリリースされるという。

現時点でFIAはこの抜け穴を利用しているチームがあるとは疑っていないが、シーズン後半にチームがこの抜け穴に気づいた場合にそれを活用する可能性は除外できない。

ウィリアムズのチーフ・オペレーションズ・エンジニアのマーク・ギランは、FIAが2012年のエキゾースト規約を管理すると信じており、このような抜け穴を防ぐことが新シーズン準備期間の要だと述べた。

「数ヶ月前に発表されたエンジン・マッピングの技術指令は非常に明確だ」とマーク・ギランはコメント。

「エキゾーストをどのように向けるかについても明確だ。ピットレーン全体を見てもわかるようにさまざまな選択肢があるし、我々はどのようなメリットがあるのか確認するためにそれら全ての選択肢を研究している」

「パフォーマンスを得られるのは確かだが、昨年のパフォーマンスレベルには程遠い。我々としては境界に関して良いアイデアがある。認められること、認められないことに関して、いくつか小さな技術指令が出てきているが、昨シーズン末に出されたものに比べれば大したことはない」

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)