フェラーリF1代表 ADUO開発は「非常にリスクが高かった」 コスト制限下の舞台裏

2026年から導入されたADUO制度では、FIAが各メーカーの内燃エンジン(ICE)の性能を評価し、最も優れたメーカーを基準として、それより性能が劣るメーカーにのみ開発アップグレード枠が与えられる。
フェラーリはレッドブル・フォードに次ぐ性能と判定され、追加開発の権利を得たが、その判定結果が出る前から開発を進めていたという。
判定前から開発を進行「非常にリスクが高かった」
バスール代表は、パワーユニット開発には長い準備期間が必要であると説明し、ADUO制度の判定を待たずに開発を進めた理由を明かした。
「エンジンはリードタイムが非常に長く、一部の部品は完成まで何か月もかかる」
「だからコストキャップの観点から見れば、ADUO、少なくともエンジンのステップ2を非常に早い段階で進めるのは、我々にとって非常にリスクが高かった」
もしフェラーリがFIAから基準メーカー(ベンチマーク)に認定されていれば、アップグレード権利は与えられず、開発費だけが発生する可能性があった。そのため、制度判定前からの開発着手は大きな賭けだったという。
一方でバスール代表は、今回投入したアップグレードによる性能向上については慎重な見方を示した。
「だから今週末に大きなパフォーマンス向上を期待しているわけではまったくない」
フェラーリはオーストリアGPで初のパワーユニットアップグレードを投入。金曜日は走行距離を稼ぐため旧仕様の練習用エンジンも併用しながら、新仕様を静かに実戦投入した。
金曜は苦戦も「改善すべきはすべて」
しかし、新パワーユニットを投入した初日のフリー走行では期待した結果は得られなかった。
ルイス・ハミルトンはFP2を5番手、シャルル・ルクレールは8番手で終え、トップからはそれぞれ大きく離された。
バスール代表は、その要因をスペインGPと似た環境条件に求めた。
「今日はコンディションに少し苦しんだ。標高や気温、路面温度、そして空気温度という点では、バルセロナ・カタルーニャGPと少し似ていたと思う」
「条件は全員同じだが、我々はかなり苦戦した。セットアップ、マシン、ドライビングなど、あらゆる面で改善しなければならない。明日はもっと良い仕事をしたい」
さらに、タイヤマネジメントが鍵となったバルセロナ・カタルーニャGPとの違いについても言及した。
「バルセロナではタイヤのデグラデーションがもっと大きく、それが少なくとも決勝では最大のパフォーマンス要因だった」
「ただ、予選でもポールポジション争いはできていた。純粋なポテンシャルという意味では我々はそこにいる。ただ今は大きく離されているし、バルセロナでも金曜日は決して良くなかった」
フェラーリは新しいパワーユニットを投入したものの、初日は期待した速さを見せられなかった。ただし、バスール代表はアップグレードの効果を短期的に判断するのではなく、まずはセットアップとマシン全体の最適化を優先すべきとの考えを示しており、予選以降で巻き返せるかが注目される。
カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ
