フェラーリF1 ハミルトンの「ベーシックすぎる」指摘受けSF-26を全面刷新

モナコGPでハミルトンは2位に入ったものの、優勝したアントネッリとの差はセーフティカーや赤旗の影響で縮まったものだった。実際には30秒以上遅れてフィニッシュする展開だったとみられている。
モナコ市街地コースはフェラーリの長所を引き出し、弱点を隠せるレイアウトと考えられていたことから、レース前には優勝候補との評価も受けていた。しかしチーム内部では、すでに大規模アップグレードパッケージの投入が予定されていた。
SF-26を全面刷新
『The Race』のコラムで元F1テクニカルディレクターのゲイリー・アンダーソンは、スペインGP以前のSF-26について「設計はかなりシンプルに見えた」と分析した。
ただし、それはフェラーリが2026年の新レギュレーションを十分に理解するまで、あえて保守的な設計を選択していたためだと指摘している。
その後フェラーリは、一部チームが発想すらしていなかった回転式の「マカレナ・リアウイング」を投入。これにより、あらゆる領域で限界を追求する開発姿勢を明確に示した。
そしてモナコGPからわずか5日後のスペインGPでは、SF-26を全面的に改良した仕様を投入。アンダーソンは「何一つ手つかずの部分はなかった」と表現し、マイアミGPで投入されたアップデートとは異なり、今回は「すべてが即座に機能した」と高く評価している。
その成果はすぐに表れた。ハミルトンは予選でジョージ・ラッセルからわずか0.064秒差の2番手となり、今季初めてフェラーリをフロントロウへ導いた。
決勝ではバーチャル・セーフティカー(VSC)の恩恵もあったが、それ以前から優勝争いを展開しており、最終的にフェラーリ移籍後初勝利を飾った。
ハミルトン「このマシンは必ず勝てる」
スペインGP予選後、ハミルトンはイタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』に対し、今季の勝利に強い自信を示していた。
「このマシンは間違いなくレースで勝てる。僕はそう確信している」
「開発の方向性もそうだし、チーム全体の連携もある。みんな本当に懸命に取り組んでいる。だから、どこかの時点で勝利争いができると確信している」
その言葉どおり、ハミルトンはスペインGPでフェラーリ加入後初勝利を達成した。これはフェラーリにとっても、カルロス・サインツJr.が2024年メキシコGPで優勝して以来のグランプリ勝利となり、2020~2021年以来で最も長かった未勝利期間に終止符を打った。
フェラーリの反撃は続くのか
今回の大規模アップグレードは、ハミルトンが「ベーシックすぎる」と表現したマシンを、フェラーリが短期間で大きく進化させたことを示す結果となった。さらにランド・ノリスは「フェラーリのエンジン性能がさらに向上すればライバル勢を圧倒できる」と評価しており、今後の開発次第ではタイトル争いの勢力図を左右する存在となる可能性がある。
バルセロナ・カタルーニャGPでの勝利が一時的なものなのか、それともフェラーリ復活の始まりなのか。今後の数戦が、その答えを示すことになりそうだ。
カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ / ルイス・ハミルトン
