キミ・アントネッリ「ハミルトン移籍発表前にヴォルフ代表からF1昇格を告げられた」

当時はまだF2デビュー前だったアントネッリは、その言葉に「目が飛び出るほど驚いた」と回想。18歳でメルセデスのシートを託された背景や、その後に経験したプレッシャー、そして現在F1ランキング首位に立つまでの成長を振り返った。
ハミルトン移籍発表前にヴォルフ代表から極秘の打診
スペイン紙『AS』のインタビューで、アンドレア・キミ・アントネッリは、メルセデス加入がどのように決まったのか、その舞台裏を詳しく語った。
2025年シーズンに向けてルイス・ハミルトンがフェラーリへ移籍することが決まった当時、トト・ヴォルフは正式発表前の段階で、後任候補としてアントネッリに直接考えを伝えていたという。
アントネッリは当時を次のように振り返った。
「シルバーストンでF3マシンを使ってテストをしていた。F2で走る前にコースに慣れるためだった。そして、その日の終わりにトトがオフィスへ呼んでくれた」
そこでヴォルフは、ハミルトンの移籍とチームの計画を打ち明けた。
「トトは『ルイスはフェラーリへ行く。そして来年は君をマシンに乗せたいと考えている』と言った」
「その瞬間、『えっ!?』という感じだった。本当に目が飛び出るほど驚いた」
当時のアントネッリは、まだF2どころかF3のレースすら経験しておらず、自分が候補になるとは想像もしていなかったという。
「まだF2も始まっていなかった。だから自分には、そのシートを勝ち取るために証明しなければならないことがたくさんあると思っていた」
それでも、チャンスが訪れたときには準備はできているとヴォルフへ伝えた。
F2で経験を積み夢だったメルセデス入りを実現
その後、アントネッリはF2で2勝を挙げるなど才能を示し、2024年8月31日にメルセデスから2025年のレギュラードライバーとして正式発表された。
しかし、夢だったトップチーム入りは、すぐに現実味を持って受け止められたわけではなかった。
「もちろん本当にうれしかった。でも同時に、あまりにも大きな出来事だったので、何が起きたのか理解するまで少し時間がかかった」
「テラスのハンモックに横になって空を見上げながら、『本当に起きたんだ』と自分に言い聞かせていたのを覚えている」

F1デビューで苦しんだプレッシャーを乗り越える
メルセデスで迎えたF1デビューイヤーは、18歳の新人にとって決して簡単なものではなかった。
シーズン序盤はプレッシャーに押し潰され、自身の精神状態にも影響が及んだという。
「特に去年はプレッシャーに飲み込まれてしまった。シーズンのスタートは良かったけれど、自分を信じてくれた人たちを失望させているように感じていた」
「特にトトには申し訳ないと思っていた。僕を起用すると決断したのは彼だったからだ。当時は本当に苦しかった」
その苦境を救ったのが、メルセデスとの話し合いだった。
「その困難を乗り越えられたことが、今年に向けた自信につながった。それだけでなく、ドライバーとしてだけではなく、人間としても自分自身について多くを学べた」
さらにアントネッリは、大きなチームだからこそ得られた経験が、自身を大きく成長させたと語る。
「小さなチームに行っていたら学べなかったことを、ここでは学べたと思う。学習曲線は本当に信じられないほど急だった」
「まるで3年分を1年で経験したような感覚だった。肉体的にも精神的にも大変だったけれど、そのぶん得られたものは大きかった」
アントネッリは現在、2026年シーズン前半を終えて219ポイントを獲得し、F1ドライバーズランキング首位に立っている。ハミルトンの後継者として大胆な決断を下したヴォルフの判断は、わずか2年足らずで正しかったことが証明されつつある。
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