F1ハンガリーGP初日分析:フェラーリ優勢 アストンマーティンも前進
F1ハンガリーGP初日のフリー走行では、フェラーリがライバルを圧倒する速さを披露した。ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールがFP1とFP2を分け合ってトップタイムを記録し、予選シミュレーションでもロングランでも最速をマーク。ハンガロリンクとの高い相性を印象づけた。

しかし、メルセデス、マクラーレン、レッドブル・レーシングはいずれも課題を抱えながらも改善の余地を残しており、土曜日に勢力図が変わる可能性は十分ある。

一方、16項目ものアップグレードを投入したアストンマーティンも、期待どおりの前進を示し、今後へ向けて明るい材料を得た。

フェラーリは予想以上の速さを披露
フェラーリはハンガロリンクで速さを発揮すると予想されていたものの、初日終了時点でライバルに約0.5秒差をつけるほどの優位性を示すとは誰も予想していなかった。

チーム代表フレデリック・バスールは、セッション後も冷静な姿勢を崩さなかった。

「ここまでは順調だ。でも、ポールポジションを決めるのは金曜日ではないし、ましてやレースに勝つのも金曜日ではない」

「週末をこういう形でスタートできたのは良いことだが、本当の勝負は明日だ。まったく違う展開になるだろう」

ルクレールも手応えを認めつつ、まだ楽観視はしていない。

「かなり良い一日だった。最初からクルマのフィーリングが良くて、すぐにパフォーマンスも出ていた。それはポジティブなことだ」

「でも週末はまだ長い。金曜日から土曜日にかけて、ライバルは必ずパフォーマンスを上げてくる」

「今季の僕たちは金曜日に出遅れることが多かった。それを考えれば良いスタートだったが、さらに改善するために努力を続けなければならない」

データでもフェラーリの優位性は明確だった。低速コーナーではメルセデスに0.6秒以上、マクラーレンにも約0.25秒のアドバンテージを築き、中速コーナーではレッドブル・レーシングにわずかに譲るものの、予選シミュレーション、ロングランともに最速だった。

ハンガリーGPで8勝を誇るハミルトンもFP2最速を記録し、理想ラップではさらに0.25秒以上タイムを短縮できる余地を残していた。

ハンガリーGP 予選シミュレーション

メルセデスとマクラーレンは巻き返しを狙う
タイムシート上では苦戦したように見えるメルセデスだが、実際には判断材料が限られている。

アンドレア・キミ・アントネッリはFP1をフレデリック・ベスティに譲ったため走行時間が少なく、FP2でも最初のソフトタイヤアタックは赤旗で中断。その後のアタックもブレーキングでタイヤをロックさせてしまい、本来の一発の速さを示せなかった。

副チーム代表ブラッドリー・ロードはロングランには自信を見せた。

「ロングランの内容はかなり励みになるものだった」

「燃料を多く積んだ状態でソフトタイヤのペースは非常に良かった。一方で予選シミュレーションではタイヤを適正な作動領域に入れられなかったことが問題だったと考えている」

ロングランデータではフェラーリとほぼ互角であり、低燃料時のセットアップを改善できれば予選でも十分に争える可能性がある。

マクラーレンは予定どおり新アップグレードの半分を投入した。

ランド・ノリスが新仕様、オスカー・ピアストリが旧仕様フロアで比較テストを実施し、レーシングディレクターのランディ・シンは期待どおりの効果を確認したという。

「最近は予選でも決勝でもトップとの差が広がっていた。一度のアップグレードですべて埋められるとは思っていないが、その第一歩にはなったはずだ」

実験用リアウイングもリザーブドライバーのレオ・フォルナローリがFP1で評価し、好感触を得た。週末は通常仕様に戻すものの、夏休み明け以降に再投入される予定だ。

ハンガリーGP カーパフォーマンスハンガリーGP 理想ラップ

レッドブルは課題 アストンマーティンは前進
レッドブル・レーシングはFP1ではフェラーリに最も近い位置につけたが、FP2では苦戦した。

マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーの両者がバランス不足を訴え、フェルスタッペンはシートの問題やダウンシフトの不具合にも悩まされた。

テクニカルディレクターのピエール・ワシェは「シートの問題はまだ解決していない。ダウンシフトの問題についても対処しなければならない」と説明している。

それでも中速コーナーでは依然として最速クラスの速さを持ち、予選シミュレーションでは2番手、ロングランでも3番手と優勝争いから脱落したわけではない。

一方、大規模アップグレードを投入したアストンマーティンF1には明るい兆しが見えた。

16項目もの改良によってAMR26はノーズからリヤまで大きく姿を変えた。ランス・ストロールはサスペンションのトラブルでFP2を欠場したものの、フェルナンド・アロンソはトラックリミットで抹消された自己ベストを含めれば、トップから約2.5秒差まで接近していた。

エイドリアン・ニューウェイ率いる開発チームは今後もシャシー改良を続け、夏休み明けのオランダGPではホンダの新スペックPU投入も予定されている。

アロンソはアップグレードの効果を高く評価した。

「格段に良くなった。本当に格段に良くなった」

「クルマが路面に吸い付くようになり、コーナーでグリップを把握しやすくなった。予測しやすく運転もしやすい。でも、まだ改善すべきことはたくさんある」

「これはまだ第一歩に過ぎない。シャシーもエンジンもさらに性能を向上させる必要がある。ザントフォールトでは新しいエンジンが大きなテストになるだろう」

「一歩ずつだが、確実に正しい方向へ進んでいる」


フェラーリが主導権を握った初日だったが、メルセデスのロングラン、マクラーレンのアップグレード、レッドブル・レーシングの改善余地を考えれば、予選では勢力図が大きく変わる可能性も残されている。一方で、アストンマーティンF1は今季初めて本格アップグレードの効果を実感できる週末となり、後半戦へ向けて確かな希望を見いだした。

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カテゴリー: F1 / F1ハンガリーGP