フェラーリF1代表バスール 突然F1オーストリアGPを離れた理由は母の訃報

フェラーリF1代表の契約延長をめぐる憶測が渦巻く中、チームが公表していた「個人的理由」の真相は、母シャントール・フォンタンさんの訃報だった。
76歳の母が他界したのは決勝当日であり、バスールは今週木曜に東フランス・サント=フォワ=レ=リヨンで営まれる葬儀に参列するため、F1イギリスGP(シルバーストン)初日の現地入りを見送る可能性が高い。
その一方で、フェラーリは今週末にさらなるアップグレードを導入する予定だとEurosport Italiaが伝えている。今回は待望の新リアサスペンションであり、前戦オーストリアGPでシャルル・ルクレールが2番グリッドから表彰台に上がる原動力となった新フロアに続く開発ステップだ。
一方、メルセデスのルイス・ハミルトンはオーストリアGPを4位で終え、次のように語った。
「前進できたと思う。オーストリアで導入されたアップグレードは小さなもので、あまり多くは語られていなかったけど、実際には改善を感じられた。それはポジティブなことだよ」

コンストラクターズランキング2位につけるフェラーリだが、2025年シーズンここまで唯一1勝も挙げていないトップチームでもある(マクラーレン、レッドブル、メルセデスは勝利経験あり)。
この苦境の要因について、伊『ガゼッタ・デロ・スポルト』の技術分析担当パオロ・フィリゼッティは、2024年後半のプロジェクト体制の混乱に端を発していると指摘する。
「2025年マシンの開発責任者だったエンリコ・カルディレが、アストンマーティン移籍を前に突然スクーデリアを去った。結果的にフェラーリは技術ディレクター不在となり、暫定的にバスールがその役割を担うことになった」
「ロイック・セラがメルセデスから合流するまでの約半年間は“暗黒期”であり、振り返ればそのブランクが現在のマシンの問題の根源になっているのは明らかだ」とフィリゼッティは分析する。
そのセラをかつて率いたメルセデスF1代表トト・ヴォルフは、『Marca』紙の取材に対して、バスールとの契約延長に踏み切るべきだとフェラーリ上層部に訴えた。
「フレッドは、私が知る中でも最高のレーシングマネージャーの一人だ。もし私がこの場にいなかったら、間違いなく彼を選ぶ」
「彼に自由を与えて行動させるべきだ。組織を整えるには時間がかかる。ロイックがフェラーリに来てまだ6〜7カ月なのだから、彼にその仕事をやらせてあげるべきだ」
カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ