ロス・ブラウン、2026年F1エンジン論争を一蹴「巧みなレギュレーション解釈」
ロス・ブラウンは、2026年F1パワーユニットを巡って浮上している「抜け穴」疑惑について、「レギュレーションの巧みな解釈に過ぎない」と述べ、騒動を冷静に受け止めている。

かつてフェラーリ、メルセデス、そしてブラウンGPを率い、2022年にF1の第一線から退いたロス・ブラウンは、2026年F1レギュレーション下でのエンジン技術を巡る議論について見解を示した。報道では、一部メーカーが新パワーユニット規則で定められた圧縮比の上限を事実上超える手法を見つけたのではないかとされている。

この件を受け、FIAは1月22日、各チームの主要技術関係者と会合を開き、新しいパワーユニットおよびシャシー規則について協議を行った。問題視されているのは、ピストンの圧縮比が最大16:1と定められているにもかかわらず、実走行時の熱膨張を利用することで、結果的により高い圧縮比で運転できる可能性がある点だという。

圧縮比とは、燃焼行程におけるピストン内部の最大容積と最小容積の比率を指す。一般的な市販車では8:1〜12:1程度が主流だが、2026年F1では上限が16:1に設定されている。これは従来の18:1から引き下げられた数値だ。

2025年後半には、1社または2社のパワーユニットメーカーが、この規則における「グレーゾーン」を見つけたとの報道が浮上した。常温では規則を満たしつつ、走行中にユニットが高温となることで、実質的により高い圧縮比で作動させることが可能になる、というものだ。

この噂に関連して名前が挙がったのがレッドブル・フォードだが、レッドブル・パワートレインズのテクニカルディレクターであるベン・ホジキンソンは、「何でもない話題が騒がれているだけだ」と否定し、フォードと共同開発した最初のパワーユニットは「合法性を問題にされるほど高い圧縮比ではない」と説明している。

こうした状況について、ロス・ブラウンは自身の経験を踏まえ、冷静な見方を示した。ブラウンは2009年、ブラウンGPとして参戦した際、レギュレーションの解釈を突いたダブルディフューザーを武器に、予想外のチャンピオン獲得を果たしている。

「私に説明された限りでは、これは単にレギュレーションの巧みな解釈に聞こえる」とブラウンは語った。

「もう以前ほど詳しくは分かっていないが、新しいレギュレーションが導入されると、過去を見ても必ず誰かが賢い解釈を見つけてくる。それが起きているだけだと思う」

フォーミュラ1エンジン F1

さらにブラウンは、そうした解釈に対して他チームが反発するのも自然な流れだと指摘した。

「もちろん、抜け穴を見つけられなかった側にとっては、それを不公平だと感じ、抑え込もうとする。その最善の防御は攻撃だ。彼らがやっているのは、まさにそれだ」

1月22日の会合の具体的な結論については、現時点で公表されていない。ただしFIAは、この会合が純粋に技術的な性質のものであったことを認めている。

FIAの広報担当者は次のように説明した。

「新しいレギュレーション導入時には慣例として、2026年仕様のパワーユニットおよびシャシーを対象とした議論が継続的に行われる」

「1月22日に予定された会合は、技術専門家同士のものだ」

「FIAは常に、すべての参加者の間でレギュレーションが同じように理解され、適用されているかを確認するため、状況を評価している」

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カテゴリー: F1 / F1マシン